葉色:
学名:Ilex crenata
科名:モチノキ科
分類:常緑高木
原産地:日本、東アジア
大きさ:背丈1.2〜5.0m(10m)、横幅0.5〜3.0m(6m)、葉1〜3cm前後(互生)
主な見所:葉(周年)
小さな濃緑の葉が密に生えた日本庭園や生垣でおなじみの樹木です。融通のきく刈り込みができ、萌芽力も強いので洋風のトピアリーにもよく用いられます。生垣にすると幅が薄くても遮蔽性を高くできるので狭い場所にも使えます。整然とした雰囲気に仕上がります。
耐陰性・耐湿性・耐風性に優れ丈夫な木ですが、風通しが悪いと生育が悪くなり、害虫も発生しやすくなります。潮風に比較的強いので海に近い場所の植栽にも適しています。
初夏に咲く花、秋につく黒紫の実は目立たず、いずれも観賞価値はあまりありません。
半日陰の、肥沃でやや湿った場所を好みますが幅広い環境で生育します。やや乾燥には弱いですが、極端でなければ耐えます。風通しが悪い部分があると、その周囲の枝が枯れこんだり、害虫が発生しやすくなります。
和風の庭に合います。洋風の庭ではトピアリーなどに。自然風の庭には合いません。
日陰に耐えるので北側の生垣や境栽などに向きます。生垣は整然として硬めな感じに仕上がります。風通しのない場所では枝が枯れこみやすいので、ブロック塀沿いなどにはあまり向きません。
純和風庭園では主木として玉仕立てや玉散らしに刈り込まれたものが使われます。このような仕立物は和風の庭以外に転用が難しく、庭のイメージが固まっていない時期にこれらを植えるのは避けた方がよいでしょう。
一般的には普通種を見かけますが、他にも様々な品種が出回っています。
「ホウキイヌツゲ」
園芸品種で、名のとおりほうき状に枝が上へ伸びる性質があります。
生垣に使いやすいですが店頭ではあまり見かけません。横張がないので、しっかり遮蔽するには最初からある程度の本数が必要です。
「マメツゲ」
背があまり高くならず、葉の縁が裏側に丸くなる品種。葉色が濃いです。
生垣のほか、グランドカバーや境栽に適しています。
「キンメツゲ」:新芽が黄色になる園芸品種。夏以降は緑色になります。イヌツゲより耐寒性など少し性質が劣ります。
とても小さいイヌツゲの花。少し黄色みのある白花で花期は5〜7月頃。
観賞価値は低いです。
イヌツゲの実。初期は淡緑色で、10〜11月ごろに熟すと黒紫色になります。
花同様に観賞価値は低いです。
オススメ度:★★★
実用性に優れた庭木ですが、風通しが悪いと枝枯れが発生しやすいです。昔から日陰に強いといわれ、確かに日陰でも育ちますが。多少日当たりがあった方が調子が良いように感じます。