花色:
学名:Paeonia
科名:ボタン科
分類:多年草(冬落葉)
原産地:日本、東アジア〜ヨーロッパ
大きさ:背丈50〜120cm、横幅40〜100cm
主な見所:花(5月)
シャクヤクにはいくつか種類がありますが、主に東アジア原産種のラクティフローラなどを元に改良交雑された品種が出回ります。日本や東アジアで改良された品種郡と、欧米で改良された品種郡(セイヨウシャクヤク)があります。また、地中海沿岸地方原産のオフィシナリスを元にしたオランダシャクヤクもあります。日本に自生のあるヤマシャクヤクは山野草として店頭に出回ります。
ボタンの仲間でとても豪華な花が特徴です。品種改良が進み、一重から八重咲き、半八重咲き、手毬咲き、翁咲き、冠咲き、半バラ咲きなど様々な咲き方があります。葉は掌状複葉で小葉には切れ込みが入りません。株は株立ち状になりボタンよりも背丈は低いです。
落葉樹であるボタンとは違い、冬には葉だけでなく枝も枯れます。根はゴボウのように太く、切り分けられたものがミズゴケに巻かれた状態で販売されることもあります。
日当たりと水はけのよい場所を好みます。暑さにやや弱いので、西日が当たりにくく通風のよい場所を選びたいです。植えつけ用土は腐葉土をよくすき込み改良しておきます。根茎の状態で植える場合は、芽の位置が4〜5cmくらいの深さになるように植えます。あまり植え替えずに育てた方が良いので植える場所は慎重に選びましょう。
根がよく発達するので鉢栽培には向きません。10号以上の大鉢ならなんとか育てられますが、水やりの管理も楽になる地植えをおすすめします。
品種を選べば和風、洋風、自然風いずれにも合います。
豪華で目立つ花でメインとして使えますが、花期はそれほど長くないことは考えておきます。やや横に葉が広がるので、大型の品種は株間を十分に開けます。根じめの他、ボーダーガーデンの中〜後景、花壇のポイントとしても使えます。
中木の根じめとして植栽した例。ゆったりと株間を取っています。
ラクティフローラ系(P. lactiflora)の改良交雑品種が数多く出回ります。
店頭ではセイヨウシャクヤクを見る機会が多いです。
「夕映」
赤紫の八重大輪花が咲く有名品種。やや小型で狭い庭でも扱いやすいです。なお、品種名が赤色を連想し、ラベルの花色も赤にしか見えなかったりしますが、赤ではなく赤紫の花が咲きます。
「レッドチャーム」
濃い赤色の翁咲き大輪花。香りもあります。
「満月」
白花の八重咲き種。
○ヤマシャクヤク(P. japonica)
日本の山地に自生する原種。花も株も小型で、野趣が強いです。花後にできる実も特徴があります。一般的な園芸店ではほとんど出回りませんが、山野草店や通販では普通に販売されています。玄人向けの花で、花期が短く一般的な庭には使いづらい。
栽培はそれほど難しくないですが、林床に自生するため涼しい環境を好み、強光も苦手。樹木の下に置いたり遮光して、日差しを和らげて育てます。
1枚目がボタンの葉で、2枚目がシャクヤクの葉。小葉の切れ込みの有無で両者を見分けられますが、ボタンとシャクヤクの交雑品種もあり、その場合は曖昧になります。
シャクヤクの芽出し。ボタンとは異なり、前年の枝は枯れます。
オススメ度:★★★★
草花とは思えないほど豪華な花が楽しめます。ボタンよりも花数が多いので、株全体としてみればシャクヤクの方が派手かもしれません。どのように用いるかで印象も変わってくるでしょう。