葉色:
学名:Juniperus chinensis 'Kaizuka'
別名:カイズカイブキ
科名:ヒノキ科
分類:常緑小高木
原産地:園芸品種
大きさ:背丈1.8〜4.0m(10m)、横幅0.5〜3.5m(6m)、葉0.2cm前後(ひとつの葉)
主な見所:葉(周年)、樹形(周年)
諸説がいくつかある園芸品種で、イブキ(ビャクシン)の園芸品種と言われていますが定かではありません。関西地方で植えられていたものが太平洋沿岸を中心に広がりました。
樹形は円錐形でらせん状に旋回する特徴的な姿。葉は細かく柔らかい鮮緑色、花や実は目立たず観賞の対象にしません。
伸びすぎて手に負えないとのことで伐採されたり、植栽を敬遠される傾向にありますが、もともと適さない場所に植えることが原因で、使い方を誤らなければ実に貴重な樹木といえます。
日当たりと水はけのよい、やや乾燥した場所に植えます。強い日差しや乾燥に耐える丈夫さをもっていますが、一方で日当たりの悪い場所や肥沃な土だと徒長しやすく管理が煩雑になりがちです。また、日差しが他の樹木などに遮られるとその部分が枯れやすいです。
肥料過多の土では徒長枝が多く伸びて見苦しいので、やせ土に植えます。植え付け場所の条件を確認しつつ、合わなければ他の樹木を選択することも考慮しましょう。潮風やアルカリ性土壌に強く、特殊な環境に強い樹木でもあります。
洋風や和風の生垣、和風の庭の仕立物として使われています。ただ、一般的な肥沃な土の場所では上手に管理しないと年々大きくなり、生垣では幅も膨らみがちです。仕立物にするにしても剪定の腕が問われるので、自信がない場合は庭師に頼むか、植え付けはあきらめましょう。管理できず伸び放題のカイヅカイブキを見ることも多いからです。
工場や公共施設では特徴的な自然樹形を生かした植栽が見られますが、一般家庭でも広い場所なら同じように楽しめます。他の植物が植えにくい、強い乾燥地や海岸に近い場所などに植えられる貴重な樹木ともいえます。このような場所では成長が遅く管理も少なくてすみます。
カイヅカイブキの生垣の例。遮蔽性が非常に高いです。
上手に剪定しないと年々幅が膨らみがちになります。
珍しい斑入り品種。店頭に出回ることは少ないです。
スギ葉。出てきたら適宜、元から切り取りましょう。
国営昭和記念公園(東京)にある立派なカイヅカイブキ。成長が遅いとはいえ、最終的な樹高は10mを超えてくるので毎年しっかり管理したいところです。
オススメ度:★★★
強い日差しが常に当たる乾燥地だったり、潮風の厳しい海岸地方では使い勝手のよい樹。他の樹木が枯れてもカイヅカイブキは耐えたりします。
一方で、肥沃な土や半日陰の場所に植えると大抵失敗します。植栽場所の選定が大事です。