花色:
学名:Callistemon / Melaleuca
別名:カリステモン、キンポウジュ
科名:フトモモ科
分類:常緑低木〜小高木
原産地:オーストラリア
大きさ:背丈1.2〜3m(5m)、横幅0.5〜2m(4m)、葉3〜10cm前後(互生)
主な見所:花(5〜7月)※初夏・秋の二期咲き種や、四季咲き種もあります。
ボトルを洗う際に使う円筒ブラシのような不思議な形の花をつけます。
花は花弁が目立ちませんが、赤や赤紫、ピンク、白などに色づく花糸が長く伸び、それを穂状につける花序になるため、このような変わった見た目になります。実は灰色で硬く、まるで枝に巻きつくようにつき、知らない人は虫の卵のように見えるかもしれません。葉は細長い披針〜狭楕円形。株は比較的大きくなる種もありますが、庭木としては低木状に仕立てられることが多いです。また、伸びた枝の先に花を咲かせるため、開花期は枝垂れるような姿になりやすいです。
オーストラリア原産の樹木の例にもれず数多くの種類や品種があり、有名品種以外の同定は難しいケースが多いです。また学術的な分類も諸説ありややこしくなっています。
丈夫な樹木です。南関東以西の暖地なら、日当たりと水はけのよい場所であれば特にこれといった問題もなく育ちます。寒冷地では耐寒性に心配があるので冬の最低気温はチェックしておきましょう。多少の霜や雪には耐えますが、土が凍結するような地域だと厳しいです。
乾燥に強く、地植えでは特に配慮入りませんが、鉢植えの場合は乾かせすぎに注意。
洋風の庭に合います。ドライな庭に向いており、和風や自然風の庭はもちろん、洋風でもしっとりした庭には合いません。
全体的に硬い雰囲気なので、他の花や樹木と寄せ植えする場合は相性がよいかどうか確認しましょう。
大きくなるため地植え向きですが、成長は比較的遅くコンパクトに育てることも可能で、大鉢植えでも育てられます。
種類はポピュラーなスペキオスス(C. speciosus)やシトリナス(citrinus)など様々ですが、園芸では種類で覚えるより品種名(流通名)で覚えた方が分かりやすいです。
ただ、様々な種類と改良・交雑種が出回り、有名品種以外は同定が難しい場合も多いです。
「ドーソンリバー」
鮮やかな赤花の品種。初夏と秋の二期咲き。比較的樹高が大きくなります。丈夫で育てやすく、よく出回ります。
「パープルスプレンダー」赤紫花の品種。初夏咲き。丈夫で育てやすいです。
「ピンクシャンパン」ピンク花の品種。四季咲き。
金宝樹の由来と思われる花糸の先の金色部分。また、花序から枝が伸びるのも特徴です。枝の途中に花序があるともいえるかもしれません。
個性的な実の姿。硬い実は枯死、あるいはオーストラリアでよく発生する森林火災の際に割れて種を散らすそうです。生存戦略の一環といえるでしょう。
葉と新芽のアップ。
種類によっては新芽が赤く色づくことがあります。
新宿御苑で見かけた立派な成木。花つきが良く見事です。
夢の島熱帯植物館の前庭で見かけた、生垣として仕立てたブラシノキ。
東京湾沿岸部の温暖地とはいえ、このような仕立て方は珍しいです。
オススメ度:★★★★
個性の強い花と樹形で用途は限られますが、花は美しく、丈夫で育てやすいのが魅力です。病害虫がほとんど発生しないのも嬉しい。地植えできる暖地では使いやすいでしょう。