花色:
学名:Narcissus
科名:ヒガンバナ科
分類:秋植え球根
原産地:地中海東部沿岸
大きさ:背丈10〜40cm、横幅10〜25cm
主な見所:花(12〜4月)、香り(花)
品種改良が盛んにおこなわれ様々なタイプの品種が出回っています。よく見かけるラッパズイセンや大カップ咲きのほか、小カップ咲き、八重咲き、房咲き、原種系などがあり、とても多彩です。中には芳香ズイセンのように香りを楽しむものもあります。
花は通常、内側にある3枚の花弁と外側にある3枚のがくに分かれ、中央に目立つカップ状の副花冠がありますが、前述のように非常に咲き方に変化が多いです。葉は線状にすっと伸びますが、初夏以降は垂れて少し見苦しくなります。夏には葉が枯れて休眠状態になります。
近年では欧米から多くの園芸品種が輸入されるようになりました。
充実した球根を手に入れたら翌年の開花までは特に難しいことはありません。植えつけ時期は10月から11月。地植えは球根の大きさの2〜3倍の深さに植えますが、鉢植えは根を十分張らせるために1〜2cm程度の浅植えにします。
秋から春に日当たりがよく、水はけのよい土の場所を好みます。花後はカリ分の多い肥料を与えて、葉が枯れるまでよく日に当てます。できれば夏は半日陰〜日陰におきます。しっかり肥培させれば数年は植えたままで構いません。
なお、原種系の品種は、より水はけのよい環境を好むので、土に小粒の軽石や日向土を混ぜ込むなどして配慮しましょう。
品種を選べば、洋風、和風、自然風など、どのような庭にも合います。
チューリップなど他の秋植え球根に比べると花期は長いので寄せ植えにも使えますが、やはり長くは持たないことを考えておきましょう。同時期に咲く球根類を合わせて密植すれば豪華な寄せ植えになります。大きい鉢植えや花壇にスイセンだけで郡植するのもよいです。
どちらかといえば地植えに向いており、成育的にも維持管理しやすいです。
はままつフラワーパークの梅園でみられるスイセンの群生。同一品種で群植すると見応えのある景色になります。また、斜面のため水はけがよく、スイセンの性質ともよく合っています。
斜面に様々な品種を植栽した例。白い花木はユキヤナギ。
花期が長めなこともあり、様々な品種を植えることで、春に咲く花木や草花とも合わせられます。
原種系の品種を列植した植栽例。
レイズドベッド風に高植えすることで、原種系が好む水はけのよい環境を作り出しています。
品種改良に長い歴史があり大量の園芸品種があります。十数種の系統分けがありますが、店頭で選ぶ際はラベルから気に入った花のものを選べばよいでしょう。珍しいものは通販で求めます。
一般的な庭では花の姿よりも草丈の方が重要な選択要素なので、その点はよく確認しましょう。
「ピンクチャーム」
花弁が白色、副花冠が桃色の大カップ咲き。大輪で大型。花弁も副花冠も大きくよく目立ちます。
「バレットブローニング」
白・黄色の小カップ咲き。大輪で大型。花弁に比べ副花冠が小さいのがよくわかります。
「バートレイ」
黄・黄色のシクラミネウス咲き。中輪の中型。副冠が長く、シクラメンのように花弁が後ろに反る特徴的な姿でよく目立ちます。この系統の品種の中では育てやすいのも魅力。
「タヒチ」
黄・黄色の八重咲き。大輪の大型。名前の通り明るい陽気な印象の花。
「ハウエラ」
黄・黄色の房咲き。小輪で小型。雫が落ちるように花が下を向くのでトリアンドラス系(雫ズイセン)とされます。
「ニホンスイセン」
白・黄色の房咲き。小輪で中〜大型。冬咲きで12月から咲き始めます。
二ホンの名がありますが帰化植物です。
「エルリッチャー」
白・白色の房咲きで八重咲き。中型。芳香も楽しめます。系統分けは房咲きの方に入るようです。
「ディッセンバーレモン」
バルボコジュームの改良品種。小輪で小型。薄黄色の花を咲かせます。系統は9番に入れられます。
○バルボコジューム(N. bulbocodium)
原種系。小輪で小型。小さい黄色い花を咲かせます。系統は13番に入れられます。
一般的なスイセンの球根。中〜大型。芽の部分に特徴があり特定しやすいです。
1.ラッパズイセン
2.大杯ズイセン
3.小杯ズイセン
4.八重咲きスイセン
5.トリアンドラスズイセン
6.シクラミネウスズイセン
7.芳香ズイセン
8.房咲ズイセン
9.バルボコジュームの改良品種(バルボコジュームの原種は13に分類される)。
10.スプリットコロナスイセン(さらにカラースイセンとパピヨンスイセンに分かれる)。
12.上記で分類できないもの。
13.原種名で区別されるもの。
オススメ度:★★★★
品種も様々で、コレクションする楽しみがあります。
適地なら、植えっぱなしでも何年かは花を咲かせてくれるのは嬉しい。