花色:
学名:Lycoris
科名:ヒガンバナ科
分類:夏植え球根
原産地:日本、東アジア〜東南アジアなど
大きさ:背丈30〜60cm、横幅30cm〜70cm
主な見所:花(7〜10月)※開花期は種類や品種により異なる。
種類によって開花期が幅広く、夏から秋にかけて葉がないまま花径を一気に立ち上げて花を咲かせます。ヒガンバナ(リコリス・ラジアータ)も同じリコリスの仲間ですが、園芸的にはリコリスといえば有名なヒガンバナを省いた、リコリス属のその他の花をまとめて呼ぶことが多いです。オーレア(ショウキズイセン)やスクアミゲラ(ナツズイセン)、スプレンゲリーなどの原種がポピュラーですが、改良交配品種も出回っています。
花は花色豊富で、花弁は細めのタイプとユリに似た広いタイプがあります。葉は細長く、種類や品種によって秋に葉を出す秋出葉型と、春に葉を出す春出葉型があります。
基本的には丈夫な花で、ポイントを押さえれば毎年花を咲かせることができます。
球根は6〜8月ごろ植えつけます。植え付け深さは5〜10cm程度で球根の1〜2倍を目安にします。鉢植えにする場合は根を張る土を確保するために深めの鉢を選択します。
日当たりのよい場所を好みますが、半日程度の日差しがあれば十分育てられます。明るい日陰では年によって咲いたり咲かなかったりで安定しません。比較的乾燥した環境を好み、ジメジメは苦手なので水はけのよい土に植えます。植えっぱなしのほうが花をよく咲かせるので、3〜4年程度は掘り上げる必要はありません。
洋風や自然風の庭に合います。落ち着いた花色の種を選べば和風の庭にも使えます。
葉が横に広がるので、やや広めの場所の地植えに向いています。ただ、鉢植えでも花が咲く時期だけ目立つ場所に移動できる良さがあります。冬にも葉が出ている種類を選べば、寂しくなる庭の色どりにも使えます。
一般的には有名な原種が出回っていますが、改良交配種もあります。ただ、改良交配品種は店頭で出回ることは少ないです。珍しい品種は通販で求めるのが良いでしょう。
○シロバナマンジュシャゲ(アルビフローラ)(L. albiflora)
ヒガンバナの項目を参照。9月に開花。花色は薄黄色〜白。ヒガンバナとショウキズイセンの交雑種といわれています。性質はヒガンバナによく似ています。
○インカルナータ(L. incarnata)
東アジア原産。8〜9月に開花。淡いピンク花に桃色の筋が入ります。春出葉型。
丈夫で、よく花を咲かせます。
○オーレア(ショウキズイセン)(L. aurea)
東アジア原産。9〜10月に開花。鮮やかな濃黄色の花を咲かせます。花が大きめで花色と相まってよく目立ちます。秋出葉型。
とても丈夫な種ですが、寒さにやや弱いので寒冷地では保護が必要になります。
○キツネノカミソリ(サンギネア)(L. sanguinea)
日本・東アジア原産。8月に開花。明るい〜濃いめのオレンジ色の花を咲かせます。春出葉型。
○スプレンゲリー(L. sprengeri)
日本・東アジア原産。9月に開花。ピンク花で、花弁の先に青のグラデーションが入ります。春出葉型。写真再現が難しい繊細な花色をしています。
「ジャクソニアナ」
スプレンゲリーの交配品種とされています。9月に開花。赤紫花で、スプレンゲリーと同様に花弁の先に青のグラデーションが入ります。秋出葉型。
○スクワミゲラ(ナツズイセン)(L. squamigera)
東アジア原産。8月に開花。淡いピンク花を咲かせます。春出葉型。
花後あるいは、春に出る細長い葉。種類や品種により葉幅や葉の長さ、色合いがやや異なります。
改良交配品種の一例。これらの品種は店頭で出回ることは少なく、通販でもしっかり探さなければ手に入りません。
オススメ度:★★★★
丈夫で美しい花ですが、花期が短いのが難点。葉がないまま急に花径を伸ばす、変わった咲かせ方をどう利用するかで評価は変わるでしょう。季節感の演出には向いています。