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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

ムギワラギク

ムギワラギクムギワラギクの花

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ムギワラギクのデータ

花色:ピンク白
学名:Xerochrysum bracteatum
別名:帝王貝細工(テイオウカイザイク)、ゼロクリサム、ヘリクリサム(旧学名)
科名:キク科
分類:常緑多年草/低木(秋・春まき一年草扱い)
原産地:オーストラリア
大きさ:背丈15〜120cm 横幅20〜45cm
主な見所:花(5〜9月)※タネまきの時期によって変化

ムギワラギクの特徴

写真のように花の開ききる前の姿がおもしろい花です。その後外側から徐々に花が開いていき、最後にはポンポン咲きになります。
花は花色は豊富に揃い、手触りがカサカサしていて水分が少なく、ドライフラワーに最適です。葉は長楕円形。株は直立し、茎が硬くて切花に向いています。切花に向く高性種のほか、15〜50cm程度の矮性品種もあります。矮性品種はポット苗で出回ることが多いです。
日本では通常一年草として育てられています。
なお、ブラクテアツム種(bracteatum)は変異が多いうえ、多種とも交雑するため、様々な改良品種が存在します。そのような改良品種は店頭ではムギワラギクの名がつかず、旧学名のヘリクリサムや、品種名のまま紹介されたり、販売されることが多いです。

  • 難易度: 丈夫な花ですが、高温多湿および寒さにやや弱い。
  • 日照量: 日当たりのよい場所を好みます。
  • 水分量: ジメジメした場所には向きません。
  • 耐寒性: 南関東以西の暖地であれば霜よけ程度で冬越しします。

ムギワラギクの育て方

日当たりと水はけのよい場所が適地で、その他の条件はあまり選びません。放任気味で育てて、構いすぎないようにします。
高性種は苗で出回ることが少ないですが、タネからでも楽に育てられます。直まきもOKです。東京以西では花期が前後しますが春・秋どちらでもまけます。ただし秋まきは冬の間保護が必要です。
寒さや高温多湿にやや弱く、一年草扱いされることが多いです。

  • 管理:花がらは摘み取ります。秋まきの場合は大きくなりすぎる前に摘心を行います。
  • 肥料:元肥に緩効性肥料を控えめに与えます。
  • 病害虫:アブラムシが発生するので駆除します。発生率はやや高め。
  • タネから
    ムギワラギクの苗ムギワラギクの苗(本葉)
    タネはやや細かめ。芽だしは良好で直まきも可能です。本葉のトゲが特徴。
    冬に保護しなくてよい分、春まき夏開花の方が管理は楽です。

ムギワラギクのアレンジ

洋風の庭に合い、和風の庭にはあまり合いません。花は装飾的ですが、全体的に野趣があるので自然風の庭なら合わせられるでしょう。
個性的な姿の花ですが、やや小さめなので色々な花と合わせられると思います。性質および花のカサカサ感のため、湿った場所を好むしっとりとした花とは相性がよくありません。
株は直立し広がりにくいので寄せ植えや切花、ドライフラワー用にも使いやすいです。

ムギワラギクの主な品種

花色や草丈違いでいくつか品種があります。
矮性種は鉢植えに、高性種は切り花によく用いられます。花壇ならどちらも使えます。
高性種は、一般的には花色ミックスのタネ袋で出回り、ポット苗で販売されることは少ないです。そのため、希望の花色が得られるかは運が絡みます。

サルタン
サルタン
切花用の高性種で、様々な花色が揃います。


ドラゴン・ヒル・モナーク
有名品種。花は小さめで、シンプルな花形。美しい黄金色の花を咲かせます。
最終的な背丈は高くなるものの、低い背丈でも花をつけてくれます。

ココロジャンボ・オレンジココロジャンボ・ピンクグラデーション
ココロジャンボ
サントリーフラワーズ作出。出自は不明ですが、おそらく改良交雑品種と思われます。
背丈は低いですが、花茎が約7cmと大きめ。比較的寒さに強いです。
様々な花色があります。写真1枚目はオレンジ、2枚目はピンクグラデーション。

モハーブ
モハーブ
エム・アンド・ビー・フローラ作出。出自は不明ですが、おそらく改良交雑品種と思われます。
花は小さめで、シンプルな花形。丈夫なうえ、コンパクトな背丈で扱いやすいです。
様々な花色があります。写真はイエロー。

その他の写真

ムギワラギクの花(初期)ムギワラギクの花(終盤)
開花を時系列で追ってみました。

ムギワラギクの花ムギワラギクの花
花が開き切ると、咲き始めのころよりも迫力があります。

タネをつけた様子
タネをつけた様子。通常はここまで放置せず、花がらは切り取りましょう。

ムギワラギクのドライフラワー
花菜ガーデンで見かけた、屋外のクリスマスの飾りとして利用されていた、ムギワラギクのドライフラワー。雨に当たらないように透明のケースに入れるという工夫がなされています。

ムギワラギクの個人的な印象

オススメ度:★★★★★
切花やドライフラワーに使いやすい花です。花もちがとても良いのが好印象。

コメント

  • 丈夫で育てやすく姿も面白い花ですが、個性的すぎるためか、花壇や寄せ植えで使っているのを見る機会はそれほど多くありません。もっと使われても良いと思います。
  • 高性種の暖地の夏越しは難しく、一年草扱いが無難です。一方で、矮性種の中には条件が良ければ無理なく夏越しできる品種もあります。
    しかし、もともと短命なうえ、草姿が乱れやすいので、ポット苗が出回るようになった今では、無理に夏越しせず、毎年に購入した方が良いかもしれません。
  • 個人的にですが、花の形が豪華な品種は夏越し冬越しが難しく、シンプルな花形の品種は夏越しも冬越しも容易な印象があります。交雑の片親の影響を受けているのかもしれません。
  • 近年、ヘリクリサム属(Helichrysum)からゼロクリサム属(Xerochrysum)に学名が変更になりました。そのため、今でもヘリクリサムの名で出回ることがあります。
    というよりも、ゼロクリサムの名で出回ることはほとんどありません。
  • キセロクリサムとも呼ばれることがあります。
  • 品種にもよりますが、何年も育てると枝が木質化しやすいです。そのため低木とも、多年草ともされることがあります。マーガレットなどにもみられる現象です。
    園芸上では、分類についてを特に気にすることはないでしょう。

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