葉色:→
学名:Matteuccia struthiopteris
科名:コウヤワラビ科/イワデンダ科(分類には諸説あり)
分類:多年草(冬落葉)
原産地:日本、北半球の温帯地方
大きさ:背丈40〜80cm、横幅60〜150cm
主な見所:葉(春〜晩秋)
大きな羽状の葉を優雅に広げるシダ植物。ソテツの羽状葉を柔らかくしたような形をしています。自然では比較的涼しい地方の、日なた〜半日陰の湿り気のある場所に群生しているのがよく見られます。
日当たりの悪い環境にも耐え、姿も美しいので庭園や坪庭によく植栽されています。新芽は美しい鮮緑色。夏以降はやや濃い緑色になります。
よく似ている種にオシダ(後述)がありますが、葉柄(特に新芽で顕著)に鱗片(毛のようなもの)が密生しているのが特徴。クサソテツには鱗片がなくツルツルしています。
クサソテツの若芽はコゴミといって食用にします。アクが少なく調理しやすいのが特徴。山菜の中でもポピュラーな植物で、農業的な栽培もされています。
半日陰で水はけのよい、肥沃なやや湿った場所が好みです。木漏れ日の当たるぐらいの環境が最適で、明るい日影でも育ちますが葉色がやや悪くなります。また、乾燥に弱いですが、乾燥させなければ日当たりのよい場所に置いても耐えます。
暖地なら、夏に涼しい場所に植えないと徐々に弱ってしまいます。落葉樹の下や、夏に日陰になり風の通るような場所に植えてあげたいです。
春の芽出しがやや遅いので、枯れたと思ってすぐ抜き取らないで様子を見ましょう。
和の雰囲気が強く、和風庭園の石組みや坪庭、池や流れの周囲に植えるとよく合います。洋風の庭でも装飾的(列植など)に用いれば合います。自然風の庭の木々の下に植えるのもよいでしょう。
優雅に広がる葉が魅力なので狭い場所に植え付けるのは避けましょう。
特に品種はないようです。
新芽の頃は美しい鮮緑色です。
谷間状になった湿った場所に群生する様子。
○オシダ(Dryopteris crassirhizoma)
比較的涼しい地方に自生するシダ。クサソテツに似ていますが、こちらは葉柄に鱗片が密生していて判別は可能。また、全体的に野性的で硬めの印象があり、葉の緑色も濃いめです。
園芸的な使われ方や育て方はクサソテツと同じで、寒さや湿気に強く、暑さや乾燥に弱いです。
○キヨタキシダ(Diplazium squamigerum)
クサソテツに似ていますが、葉柄が赤くなり、群生せず単独で自生していることが多いといった特徴があります。赤コゴミと呼ばれクサソテツ同様に食用とされています。
園芸的な利用はまれ。
オススメ度:★★★
四方に広がり大きくなりますが、和風の庭では使い勝手がよいシダ植物。
乾燥や暑さに弱いので、暖地ではそれらの対策をしたいです。