花色:
学名:Iris sanguinea
科名:アヤメ科
分類:多年草(冬落葉)
原産地:日本、東アジアほか
大きさ:背丈30〜60cm、横幅15cm〜30cm
主な見所:花(4〜6月)
一般的にアヤメというとハナショウブやカキツバタなど、アヤメ科の雰囲気の似た花をまとめて呼ぶことが多く混同されがちです。正式にはアヤメとは本種を指し、他種とは花弁の基部に網目模様が入ることで区別できます。
花は網目模様以外は他種とよく似ており、花色は紫や白があります。葉は細長く平べったいです。株はすっと上に伸びてスマートな印象。小型の矮性種もあります。
日当たりと水はけのよい場所なら丈夫に育ちます。水が大好きなハナショウブやカキツバタとは異なり、適度な湿り気を好むため注意します。好みの条件さえ合わせれば、特に問題もなく花を咲かせてくれるでしょう。
和風や自然風の庭に合います。洋風の庭にはあまり合いません。
すっきりした草姿なので、坪庭に植えたり、群生させたり、他の宿根草と合わせたり様々な使い方ができます。楚々とした雰囲気が魅力なので、派手な花と組み合わせないほうが魅力が増します。
洋風の庭には花色豊富なダッチアイリスの方が使いやすいでしょう。
花色違いや矮性種、他種との交雑種が出回ります。
アヤメの葉。細めで平たい印象です。
タネをつけた様子。株分けで簡単に増やせるので花後に花茎は切ってしまうのが普通ですが、花茎を放置して晩秋にタネを取ることもできます。採取したタネは冷暗所で保管し、翌春暖かくなってからポットまきします。
オススメ度:★★★★
知名度のわりには見かけることが少なめな花ですが、丈夫で草姿もよく、和風の庭やナチュラルガーデンに使いやすいです。
○イチハツ(I. tectorum)
東アジア原産で日本にも帰化しています。アヤメより早咲きで4月中〜下旬ごろ開花します。花はやや大きめで、葉幅も広めなのでアヤメに比べ目立ちますが繊細さには欠けます。
育て方はアヤメ同様で、とても丈夫な花です。販売されることは少ないですが山野草店などでたまに見かけます。
○ヒアオウギアヤメ(I. setosa)
日本の高山の湿地帯に自生しています。花期は夏。葉が名前の通り扇状に展開します。暑さが苦手なので平暖地で栽培されることはまれです。