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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

ホーリーの仲間

ヒイラギモチホーリーの仲間の実

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ホーリーの仲間のデータ

実色:、葉色:
学名:Ilex spp.
流通名:
ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)
セイヨウヒイラギ(イングリッシュホーリー)
サニー・フォスターなど

科名:モチノキ科
分類:常緑低木〜高木
原産地:地中海沿岸〜西アジア、東アジア、北アメリカ
大きさ:背丈1.0〜2.5m(6m)、横幅0.5〜2m、 葉4〜12cm前後(互生)
主な見所:実(冬)、葉色(周年)

ホーリーの仲間の特徴

ホーリー(holly)の仲間には様々な種類がありますが、日本で庭木として用いられる種類はそれほど多くありません。ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)や、セイヨウヒイラギ(イングリッシュホーリー)が主に出回ります。それぞれの改良・交配品種もいくつかあります。他に、アメリカンホーリーもありますがあまり出回りません。それぞれの種の特徴は主な品種の項目で紹介します。
花は初夏に目立たない花を咲かせます。実は初冬から色づき赤く熟します。実を楽しむ種や改良品種と、葉色を楽しむ改良品種の2つに分かれます。雌雄異株のため実を楽しむ種や改良品種は雌株を植えなければなりません。また、品種によっては雄株が必要になるものもあります。そのため葉色を楽しむ品種の方が庭木としては気軽に用いやすいです。一方で、葉色を楽しむ品種は実つきが良くないことが多いです。

  • 難易度: 一般的に出回る種はとても丈夫です。
  • 日照量: 日当たりから半日陰を好みます。
  • 水分量: 適湿を好み、ジメジメした環境は苦手です。
  • 耐寒性: 耐寒性は強いです。
  • 成長速度:遅い 成長はやや遅いです。
  • 移植適期:春・秋 移植はやや容易です。根を傷めた分だけ枝葉を剪定して植えつけます。

ホーリーの仲間の育て方

基本的に育てやすく丈夫な樹木です。
日当たりから半日陰の場所を好みます。比較的耐陰性が強く、明るい日陰では徒長し実つきもよくありませんが育たないことはありません。肥沃で水はけ水もちのよい土壌好み、水が滞留するジメジメした環境は苦手です。

  • 管理:根付けば剪定と施肥以外の管理はありません。生垣などで刈り込みが必要なら適期に随時行います。実が鳥に食べられにくいので、ネット等の保護は必要ありません。
  • 剪定(実を楽しむ品種)新芽展開前(雌株)・花後(雄株)・初冬
    雌株は春の新芽展開前に軽く剪定を行い、その後は徒長枝を切る程度にとどめます。深く刈り込むと実つきが悪くなります。
    雄株は花後に行います。雄株は刈り込んでもよいです。
    雌株雄株いずれも初冬に見栄えが良くなるように軽く剪定します。
  • 剪定(葉を楽しむ品種)初夏〜秋
    葉を楽しむ品種は新芽が固まった時期ならいつでも剪定できます。
    徒長枝程度なら時期を選ばず剪定可能。
  • 肥沃:実つきをよくするために早春に寒肥として遅行性肥料を与えます。過度な肥料は樹形を乱すもとになるので控えめでかまいません。
  • 病害虫:特に気になるものはありませんが、カイガラムシが発生することがあります。その場合は、すす病も併発し見苦しくなるので適切駆除します。

ホーリーの仲間のアレンジ

洋風や和風の庭に合います。刈り込んで整形することが多く、自然風の庭にはあまり合いません。
庭木としては生垣や刈り込み物としてよく見られます。成長が遅めで大鉢植え栽培もできます。葉が硬めで葉色も濃く、全体的な雰囲気も硬い印象です。柔らかい雰囲気でまとめたい場合は植栽は避けた方が無難です。

ホーリーの仲間の主な品種

様々な種や改良品種、交雑品種が出回っています。

ヒイラギモチ
ヒイラギモチ(別名:チャイニーズホーリー)(学名:I. cornuta
クリスマスの実ものとして西洋では主にセイヨウヒイラギが用いられますが、日本では気候に合い育てやすい写真のヒイラギモチの方が一般的です。
初夏に小さな白色の花が咲き、秋に赤い実がつきます。葉は五角形で鋸歯がトゲになりますが、鋸歯がない葉も出ます。丈夫で育てやすいです。

紅千鳥
紅千鳥
ヒイラギモチの改良品種。
実つきがよく、実もやや大きめ。葉が厚く、先端以外にトゲがないのも特徴。


セイヨウヒイラギ
セイヨウヒイラギ(別名:イングリッシュホーリー)(学名:I. aquifolium
本来のクリスマスホーリーで西洋では一般的。様々な園芸品種があります。日本では出回る量が少ないうえやや育てづらく、大きくなった個体を見ることは少ないです。
葉は光沢が強く、縁が波状に荒くなり凸部がトゲになります。花は小さく白色。実は晩秋に赤く熟しますが、黄色実種もあります。実がつき始めは非常に苦く鳥に食べられにくいので、冬の間も実が長く残っています。ただ、日本では斑入り品種が主流で、実を見れる機会は多くありません。

サニー・フォスターサニー・フォスターの花と実
サニー・フォスター
セイヨウヒイラギ系の交配品種。新芽が黄葉になりとても美しいです。冬は濃い緑色の葉になります。生垣はもちろん、花壇のポイントに使っても面白いです。花は小さく、花色は黄白色。実は小さめの赤。株はまとまりやすいです。
新芽の葉色が美しいうえ、丈夫で育てやすく近年よく出回っています。


アメリカホーリー
アメリカホーリー(学名:I. opaca
名の通り北アメリカ原産のホーリー。葉につやがなく、鋸歯のトゲもややおとなしい落ち着いた雰囲気のホーリー。セイヨウヒイラギ同様に日本では店頭に出回ることは少ないです。


アマミヒイラギモチアマミヒイラギモチの実
アマミヒイラギモチ(別名:ヒメヒイラギ)(学名:I. dimorphophylla
ヒイラギを小さくしたような姿からヒメヒイラギと呼ばれて店頭に並びます。名の通り日本の奄美大島原産で、奄美大島の最高峰の湯湾岳山頂付近のみに自生し絶滅危惧種とされています。
小さな葉を互生して密につけます。自然状態では大きくなる木ですが刈り込みすることで小さい姿のまま楽しめます。幼木の葉は写真のように小さく鋭いトゲ状の鋸歯がありますが、成木になると葉が大きく全縁になり、トゲもほとんどなくなります。実は小さめの赤。
とても丈夫で、亜熱帯原産ですが関東以西南部の暖地では普通に屋外で冬越しします。強い日差しや乾燥にも強いです。

その他の写真

サニー・フォスターの成木
サニー・フォスターの成木。春から初夏の新芽展開時はとても綺麗です。

ホーリーの仲間の個人的な印象

オススメ度:★★★★★
ヒイラギモチやサニー・フォスター、アマミヒイラギモチは丈夫で育てやすく、成長も遅めで管理しやすいです。実よりも葉色を楽しむ品種の方が利用しやすく好印象。

コメント

  • 葉色が濃い緑なので新緑の時期以外は暗い雰囲気になりやすいので、寄せ植えする場合は取り合わせに注意。
  • 名にヒイラギとありますが、モクセイ科のヒイラギとは異なりモチノキ科の樹木です。
    葉が互生(モチノキ科)か、対生(モクセイ科)かの違いで判別可能です。詳しくは下記のヒイラギのリンクを参照ください。

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