花色:
学名:Lagerstroemia indica
科名:ミソハギ科
分類:落葉低木〜高木
原産地:東アジア
大きさ:背丈1.0〜5.0m(5〜10m)、横幅1.0〜5.0m、葉3〜6cm前後(互生・対生)
主な見所:花(7〜9月)
強い日差しや乾燥に強く、花も暑い季節に長期間咲き続けるので、ムクゲなどとともに真夏を代表する花木になっています。
花色は赤紫〜薄ピンク、白色で、新芽の枝先に円錐形の花序をつくります。葉は丸みが強い楕円形で全縁。葉のつき方が変わっており枝の左右に2枚ずつつき(コクサギ型葉序と呼ばれる)、ときに対生になることもあります。猿滑りの名のとおり、幹の皮がはげてツルツルになるのが大きな特徴です。
丈夫な木ではあるものの、うどんこ病に弱いという難点がありましたが、品種改良により病気に耐性のある品種がうまれています。
日当たりの良い、やや乾燥した環境を好みます。半日陰では魅力を発揮しづらいです。好みの環境に植栽できれば、特に困ることも無く育成できると思いますが、病害虫には注意が必要です。
和風や洋風の庭いずれにも使うことができますが、幹や樹形が装飾的な雰囲気がするため自然風の庭にはあまり適しません。矮性品種は花壇や鉢植えでも育てられます。
美しい幹を観賞できるように単独で植栽されることが多いです。寄せ植えもできないことはないのですが管理が煩雑になります。
自然樹形。枝がよく伸びます。
浜離宮恩賜庭園で見かけた、見事な仕立て方のサルスベリ。
開けた場所なら、横に広げた樹形にすることも可能です。
花色や樹高違いでいくつか品種が出回っています。またうどんこ病耐性のある品種もあるので、管理が難しいならそういった品種を選ぶのも手です。
「マスコギー」:高木性。ピンク花を咲かせます。うどんこ病耐性あり。
「ダスカローラ」:高木性。赤紫の花を咲かせます。うどんこ病耐性あり。
「ナチェ」:高木性。白花の代表品種。うどんこ病耐性あり。
「涼風」
低木性。薄藤色の涼しげな花を咲かせます。うどんこ病耐性あり。
赤紫の花の品種。
複色咲きの品種
サルスベリの幹。明るい茶色のまだら模様で、表面はツルツルしています。
写真1枚目はシマサルスベリの交配種の幹。様々なまだら模様があります。
一方、写真2枚目のシマサルスベリの原種の幹は灰白色になります。
サルスベリの葉のアップ。葉の形が丸みを帯びることが多く、葉の先端がくぼみやすいのも特徴です。ただ、先端がとがる葉も普通にあります。
一方で、シマサルスベリの葉の先端はとがっています。シマサルスベリとの交雑品種も葉の先端がとがる傾向が強くなります。
サルスベリの交雑品種の枝。葉の先端はほぼとがっています。
また、普通種のサルスベリとは異なりコクサギ型葉序になりにくく、葉のつき方が対生(青色)に近いものと、互生(赤色)でまじりあっています。
うどんこ病にかかった様子。耐性のない品種の場合、予防するのは難しい印象。
この病気のみで枯れることはまれですが、美観を著しく損ないます。
すす病にかかった様子。原因となるカイガラムシを駆除します。
うどんこ病と同じく、この病気で枯れることはまれですが、やはり見栄えが悪くなります。
オススメ度:★★★★
花の少ない真夏にも花を咲かせる貴重な花木。花期が長いのも魅力です。
頻発するうどんこ病が問題でしたが、耐性のある品種が生まれ選択の幅が広がりました。