シスタスのデータ

花色：
学名：Cistus
別名：ロックローズ
科名：ハンニチバナ科
分類：常緑低木
原産地：地中海沿岸
大きさ：背丈0.5〜1.5m、横幅0.4〜1.5m、葉３〜８cm前後（対生）
主な見所：花（５〜７月）

シスタスの特徴

欧米では人気のあるポピュラーな花木。高温多湿な気候の日本では育てるのが難しかったため、それほど普及していませんでしたが、丈夫な斑入り品種を中心に見かけることも多くなりました。
花は初夏ごろにピンクや白花を咲かせ、５弁の花びらのある整った形です。花は半日花ですが最盛期は次々と咲きます。花には特徴的な斑紋が入りますが、斑紋がないタイプもあります。葉は披針形で、しわの多い乾いた印象。株はブッシュ状になります。

• 難易度：〜 一部の改良品種は比較的易しく、それ以外はやや難しい。
• 日照量： 日当たりは必須です。
• 水分量： 水はけのよい乾燥した環境を好みます。
• 耐寒性： 寒さには比較的強いですが、土が凍るような寒冷地では保護が必要です。
• 成長速度：普通　成長は普通ですが、大きくならない樹木なので遅く感じます。
• 移植：落葉期　移植はやや難しいです。

シスタスの育て方

日当たりと水はけのよい、やや乾いた砂質土を好み、ジメジメした環境は苦手です。酸性土壌だとよく育たないので、植えつけ前に苦土石灰などでアルカリ土壌への改良が必要です。
地植えの場合は植えつけ場所の選定が重要で、合わない場所に植えても望んだ結果は得られないでしょう。鉢植えの場合は雨が当たらない、日当たりのよい軒下などで育てると管理が楽になります。
梅雨から夏は蒸れないように混みあった部分を間引いたり、周囲の風通しを良くしたりするとよいでしょう。

• 管理：剪定以外は特にありません。花がらは自然と落ちます。
• 剪定：花後
  基本的には自然樹形を楽しみますが、大きさを維持したいなら花後に軽く切り戻し剪定を行います。梅雨前に株が混みあっていたら、蒸れを防ぐために間引き剪定を行います。
  冬は邪魔な枝を元から切る程度で、枝先の刈り込みはしません。
• 肥料：遅行性肥料を冬に与え、花後に緩効性肥料を追肥します。やせ地でも育つので肥料の量は控えめでかまいません。
• 病害虫：特に気になるものはありません。

シスタスのアレンジ

洋風や自然風の庭に合います。和風の庭には合いません。洋風や自然風の庭でもしっとりした場所には向かず、ドライな空間やロックガーデン、ハーブガーデンなどによく合います。
通常は地植えに用いますが、小型品種は鉢植えや寄せ植えにも使えます。

日当たりも風通しも良い、開けた場所に単植した植栽例。
ブッシュ状になるので植栽間隔には注意。

斑入り品種をグランドカバーに用いた植栽例。ジメジメしないような環境にしたいです。写真ではインターロッキングブロックを周囲に敷いています。

シスタスの主な品種

様々な品種が出回っています。

「パープレウス」（Cistus × Purpureus）
プルプレウスとも呼ばれます。交配種。ピンクの花弁に濃い赤色の斑紋が入ります。
ポピュラーな種で、よく見かけます。

「スノーファイヤー」
白の花弁に濃い赤色の斑紋が入ります。よく見かける白花種。

「ミッキー」
斑入り品種。成長が遅く寄せ植えによく用いられます。花色は白ですが花つきはやや悪い。
比較的寒さに強く、丈夫で育てやすいです。
他に黄金葉の「ゴールド」もあります。

シスタスの個人的な印象

オススメ度：★★
一重のバラに似た花は美しく、好む環境に近づければ日本でも問題なく育てられます。
ただ、ドライな庭以外では使いどころが難しいです。

コメント

• 以前は店頭に出回ることも少なかったためタネから育てることも多かったですが、苗の流通量が増え育てるのが楽になりました。
• 一部の種は葉に香りがあり、ハーブとして用いられることもあります。
• 交配種が多いので、耐寒性についてはもう少し検証が必要かもしれません。
• 地植えする場合は土壌改良をしっかり行います。合う場所がなければ無理に地植えせず鉢植えで楽しみましょう。