本文へスキップ

ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

ナツツバキ

ナツツバキナツツバキの花と葉

戻ります

ナツツバキのデータ

花色:白
学名:Stewartia pseudocamellia
科名:ツバキ科
分類:落葉高木
原産地:日本、東アジア
大きさ:背丈2.0〜4.0m(5〜15m以上)、横幅1.5〜3.0m(7m以上)、葉5〜10cm前後
主な見所:花(6〜7月)、樹形(周年)、樹皮(周年)

ナツツバキの特徴

さっぱりした樹姿で、自然風の植栽やシンボルツリーに人気がありますが、よく似ているヒメシャラに比べ全体的にやや大振りで、集合住宅などに使われることが多いです。
花は初夏に白花を咲かせます。ヒメシャラに比べるとかなり大きめです。楚々とした雰囲気で茶花にも人気があります。幹は赤褐色でまだらに樹皮が剥がれ、老木になるほど滑らかになります。葉はやや大きめで鋸歯があります。葉脈がくぼんで目立つことも大きな特徴です。
株立ちに仕立てたものは成長が遅めで樹形を維持しやすいので、やや狭い庭にも使えます。

  • 難易度: 易しいですが、乾燥には気をつけます。
  • 日照量: 強い日差しは苦手で半日〜半日陰程度で十分。
  • 水分量: 乾燥には弱いところがあります。
  • 耐寒性: 耐寒性は強いです。
  • 成長速度:やや早い 管理しにくいほどではありません。
  • 移植:落葉期 移植は比較的容易です。

ナツツバキの育て方

半日程度の日照を好み、夏の西日は嫌います。土壌の条件も重要で肥沃な腐食質の多い土を好みます。弱点は水切れに弱いことで、乾燥する場所では夏に弱りやすくなります。乾きやすい土や、逆の粘土質の土に植える場合は、植栽時に土質を改善しなければ後々生育に影響してしまいます。有機質をすきこんで水はけと水もちをよくしておきますが、万全を期すなら土の入れ替えをします。
夏の高温乾燥期にはマルチングを行うのも効果的です。

  • 管理:枝を整理したいときは落葉期に行います。徒長枝を切る程度ならいつでもよいです。
  • 剪定落葉期
    自然風に仕立てるため刈り込みはしません。間引き剪定や不要枝を切り取る程度です。樹高が高くなり過ぎたら、新しい芯を定めてその上部を切り戻します。
  • 病害虫:基本的にあまり虫はつきません。ただツバキ科なだけにチャドクガが発生することもあります。単独で植栽している場合は、ツバキやサザンカに比べると発生頻度はかなり少なくなりますが気をつける必要はあります。

ナツツバキのアレンジ

和風や自然風の庭に合いますが、洋風の庭にも合わせられます。
シンボルツリーやアプローチ前の木として用いられています。ヒメシャラに比べると葉も花も大型なので、広い庭や集合住宅などに向いています。美しい樹形や樹皮、楚々とした白花は主木として十分見所があります。もちろん本来は山の中の木なので、他の雑木と寄せ植えするとより自然に見えますし、西日や乾燥に弱い点も克服できます。

ナツツバキの主な品種

特にないようです。

その他の写真

花のアップ
花のアップ。5〜6cm程度とやや大きめで、開花期はよく目立ちます。

散華
散華(さんげ)。ヒメシャラにはあまりなかった「ツバキ」感があります。

葉のアップ
葉のアップ。葉脈がよく目立ちます。

若木の樹皮老木の樹皮
樹皮。若木のうちは大きめのまだら模様ですが、老木になるとまだらが目立たなくなります。

ナツツバキの個人的な印象

オススメ度:★★★
仕立て方さえ間違えなければスッキリした美しい樹姿を楽しめます。ただ、ヒメシャラに比べると全体的に大振りで、都市部の狭い庭にはやや使いづらいです。
また、まれにチャドクガが発生するのも困りもの。

コメント

  • よく新興住宅地の前庭で植えられていますが、弱っていたり枯れている姿も見かけます。美しく育たない場合は、土壌の条件を確かめてみるとよいです。
    腐食質の少ない土だと上手く育ちません。
  • ナツツバキとヒメシャラは育て方はほぼ同じであり、園芸的には大きさのバリエーションといえます。ただ、樹高自体はほぼ同じなのでその点は注意です。
  • ナツツバキとヒメシャラは葉の大きさの違いに比べ、花の大きさの違いの比率が大きいです。ナツツバキの花はかなり大きめでよく目立ちます 。

仲間の樹

戻ります