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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

ナンキンハゼ

ナンキンハゼナンキンハゼの葉と紅葉

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ナンキンハゼのデータ

葉色:
学名:Triadica sebifera
科名:トウダイグサ科
分類:落葉高木
原産地:東アジア
大きさ:背丈3〜5m(15m)、横幅3〜4m(10m)、葉7〜15cm前後(互生)
主な見所:葉(4〜10月)、紅葉(11月)

ナンキンハゼの特徴

街路樹や庭園樹としてよく見られる落葉高木で、庭木としてもまれに植栽されることがあります。初夏に咲く黄色花や、秋に熟する実は地味で観賞価値は少ないですが、ひし形の面白い形の葉と、秋の美しい紅葉が見所です。
新緑は明るい緑で、夏以降もそれほど濃い色になりません。紅葉はオレンジから紫、赤など様々な色の変化が見られます。幹は灰褐色で樹皮が縦に裂けます。葉や枝を傷つけると白い乳液が出ます。
各地で野生化しているほど丈夫で、生育に適した条件なら成長も非常に早いです。

  • 難易度: とても丈夫です。
  • 日照量: 日当たりの良い場所を好みます。
  • 水分量: 適湿を好みますが広い幅で耐えます。乾燥に比較的強いです。
  • 耐寒性: 寒さには比較的強いですが、関東南部以南推奨です。
  • 成長速度:早い 成長は早いです。
  • 移植適期:落葉期 移植は普通ですが、大きくなる樹なので、ある程度成長した後の移植は現実的ではありません。

ナンキンハゼの育て方

日当たりと水はけのよい場所を好みます。陽樹で半日影〜日陰の環境では弱りやすいです。
やや乾燥気味の土壌を好みます。とても丈夫な樹木で、条件さえ合えば驚くほどのスピードで大きくなるので、剪定などの管理の方が重要です。

  • 管理:放任すると大きくなりすぎるので毎年剪定します。
    晩秋に出る大量の落ち葉の掃除が大変かもしれません。
  • 剪定落葉期
    剪定には強い樹なので落葉期に強剪定します。特に花を楽しむわけではないので樹形重視で切って構いません。枝が茂ると害虫が発生しやすくなるので、余裕があれば枝の間引き剪定も行います。
  • 病害虫:イラガやテッポウムシの被害があるので、たまに葉や根元を観察しましょう。

ナンキンハゼのアレンジ

洋風や自然風の庭に合います。和風の庭にはあまり合いません。
剪定に強い樹ですが、強健で成長も早いため、小さく維持するのは難しいです。地植えは十分に敷地に余裕がある場合に限った方がよく、鉢植えにも向いていません。

ナンキンハゼの主な品種

斑入りや葉色違いの品種が出回っています。一般的な大きさの庭で庭木として用いる場合は、これらの品種の中から成長の遅いものを選択するのも手です。ただ、一番の魅力の紅葉が美しくならない品種もあるので注意。

メトロキャンドル」:新芽がピンク〜淡黄色になる品種。紅葉も美しい。
スノーマウンテン」:散斑入りの品種。成長は遅めです。
グリーンホーネット」:黄色の不規則な斑入り。成長は遅めです。紅葉は緑の部分のみでマダラ模様になり、人によるとは思いますがあまり美しくありません

その他の写真

ナンキンハゼの樹皮(若木)ナンキンハゼの樹皮(成木)
ナンキンハゼの樹皮。若木のころは白っぽい色ですが、成木になると灰褐色になり縦に樹皮が裂けます

ナンキンハゼの若い実
ナンキンハゼの若い実。秋に黒く熟したのち白い種子が出ます。この種子からロウが取れます。

ナンキンハゼの紅葉
ナンキンハゼの紅葉。暖地でも問題なく紅葉するうえ、とても美しいです。

ナンキンハゼの個人的な印象

オススメ度:★
紅葉が美しいため庭木にしたくなりますが、非常に成長が早いので広い敷地が欲しいです。剪定に強いので無理やり小さく維持することも可能ですが、毎年の管理が必要になります。
斑入りの園芸品種の場合は成長速度が遅めなので、多少手間が少なくなります。

コメント

  • 特徴のある面白い葉の形のため同定が容易な樹木です。
  • 狭い庭はもちろん、普通の庭でも植栽は避けるべき。一度大きくなると手に負えなくなり、結局は切り倒すことになる場合が多いです。個人的には、庭木として育てるのではなく、公園や庭園で見て楽しむ方がよいと思います。どうしてもという場合は斑入り品種を選択します。
  • こぼれダネで増えることがあります。また、伐採した際などに、離れた場所の根から芽が出て増えることがあります。

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