花色: 実色:
学名:Pyracantha
別名:ピランカンサス
科名:バラ科
分類:常緑低木
原産地:ヨーロッパ南部〜西アジア、ヒマラヤ
大きさ:背丈0.5〜2m(5m)、横幅0.3〜2m(3m)、葉3〜6cm前後(互生)
主な見所:花(5〜6月)、実(11〜早春)
ピラカンサにはいくつか種類がありますが、単に「ピラカンサ」といった場合、実が美しいトキワサンザシやヒマラヤトキワサンザシ、それらの改良品種を指すことが多いです。他にもタチバナモドキが育てられています。
花は小さい5弁の白花で、やや大きめの花序になります。実はやや潰れたような球形で晩秋に色づきます。実の色は赤〜黄色。葉は長楕円形の濃緑色で実とのコントラストが美しいです。株は低木なのでそれほど背丈は高くなりませんが、成長が非常に早く徒長枝がよく出るので毎年管理が必要になります。
枝には鋭いトゲがあるので、侵入防止用の生け垣など実用目的で用いられることもあります。
日当たりのよい場所を好みますが、半日影でも育てられます。日陰でも育つには育ちますが、花つきや実つきに大きな影響があるので勧めません。土壌は特に選ばず、乾燥地でも湿りやすい場所でも育ちますが、やや乾燥しやすい場所の方が好みのようです。
とても丈夫な樹木で、育てる条件云々ということより、見栄えよく管理(剪定・誘引)するほうに気を使います。
洋風の庭に合います。和風の庭でも使われることがありますが、あまり合いません。
放任すると見苦しいため生け垣や仕立てもの、壁仕立てなどに向いています。毎年の剪定が必要なものの、丈夫で病害虫もほとんどつきません。そういった意味では管理は楽といえるかもしれませんが、枝のトゲには要注意。地植えすると管理が大変なので、鉢植えで盆栽風に育てるのも楽しいです。
トキワサンザシやヒマラヤトキワサンザシ、それらの改良品種がよく出回っています。
他にもタチバナモドキが育てられています。
○トキワサンザシ(P. coccinea)
ヨーロッパ南部〜西アジア原産。果実は赤と黄色。単に「ピラカンサ」というと本種かヒマラヤトキワサンザシのことが多いです。葉には緩めの鋸歯があり、若葉には毛がありますが成長すると毛がなくなります。
○ヒマラヤトキワサンザシ(P. crenulata)
ヒマラヤ地方原産。果実は濃い目の赤色。実が密につき、くっついてるように見えるのが特徴。葉は緩めの鋸歯があり、やや大きめで無毛。ただ、トキワサンザシとの違いは曖昧で同定は難しいです。
○タチバナモドキ(P. angustifolia)
別名ホソバノトキワサンザシ。東アジア原産。果実は橙色。葉は全縁で裏面に毛が密生します。トゲが多くつき、枝が密になりやすいので生け垣に向いています。
ピラカンサの斑入り品種。
ピラカンサ(トキワサンザシ)の花のアップ。
主に実を楽しむピラカンサですが、花もよく咲き美しいです。
ピラカンサ(トキワサンザシ)の葉のアップ。
オススメ度:★★★
丈夫で育てやすく、実はもちろん白い花も美しいです。一方で、放任すると徒長枝が伸びて不整形な姿になるので、誘引や剪定の管理が必要です。