葉色:(葉表)、(葉裏)、実:→→
学名:Olea europaea
科名:モクセイ科
分類:常緑高木
原産地:西アジア〜地中海沿岸
大きさ:背丈1.5〜4.0m(15m)、横幅1.2〜3.0m、葉5〜8cm前後(対生)
主な見所:葉(周年)、実(10〜11月)
イタリア料理にかかせないオリーブ油をとるために栽培されますが、南欧を連想させるイメージと、葉裏の灰白色が目立つ軽めの樹姿で洋風ガーデンでも人気です。
葉の表は深緑色でやや細長い楕円〜へら形になります。初夏に咲くクリーム色の花は目立たず観賞価値はあまりないです。実は最初緑色で赤から黒に変化します。大きくすると10m以上になる高木ですが、樹形は自然と楕円形に整い、剪定すれば大きさの維持も難しくはありません。全体的に葉のつき方や枝振りが硬い印象です。
自家結実性が弱く、他品種を2本以上植えないと実をなかなかつけてくれません。
暖かい乾燥した地方に産するので暑さにやや強いのですが、過湿には弱い性質をもっています。
日当たりと水はけのよい肥沃な場所が適地です。高温多湿に弱いので、特に水はけについては配慮が必要です。高植えにするのも有効です。風当たりが悪いとカイガラムシを誘発します。
南欧風の演出にかかせませんが、硬質な印象が和風や自然風の庭にはあまり合いません。
地植えや単独での大鉢植えに向きますが、小さい苗木なら寄せ植えもできます。いずれも大きくなり過ぎないように管理しながら育てます。
常緑樹なので冬の間も寂しくなりません。中庭などにもよいでしょう。
大鉢植えのスタンダード仕立て。
下枝が枯れてきたら、思い切ってスタンダード仕立てにするのもよいでしょう。
実の改良種が多数出回ります。なかには1本でも結実する品種も出回っています。
園芸的な改良品種は少ないです。
「ピクアル」
スペイン原産。生育旺盛で実が大きく、実の品質も良い品種。1本でも結実しやすいです。
花のアップ。花色は黄白色。目立たず観賞価値はあまりありません。
花は観賞価値が低いものの花つきは非常に良いです。
一方で、花後の樹木の下の花粉が落ちた後が気になるかもしれません。
実のアップ。熟すにしたがって実の色は変化します。
写真の品種はギリシャの主要品種「コロネイキ」。実や葉が小さめ。自家結実性は弱いです。
夢の島熱帯植物館(東京)にある立派なオリーブ。樹形は自然と整います。
なお、一般家庭では大きくなりすぎないように管理した方が良いでしょう。また、ある程度枝数を間引きして軽い樹形を保つようにしたいです。
オススメ度:★★★
比較的丈夫な木ですが、各種害虫には注意します。
ドライで硬質な印象が庭の雰囲気と合っているかどうか確認しましょう。しっとりとした和風や自然風の庭に植えると違和感が大きいです。