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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

エニシダ

エニシダエニシダの花

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エニシダのデータ

花色:黄
学名:Cytisus
科名:マメ科
分類:落葉〜半常緑低木
原産地:ヨーロッパ
大きさ:
■エニシダ:背丈1.0〜3.0m、横幅1.0〜3.0m、葉1〜3cm前後
■ヒメエニシダ:背丈0.2〜0.6m、横幅0.4〜0.7m
主な見所:花(4〜6月)

エニシダの特徴

南関東以西の温暖地なら庭木にも出来るエニシダと、園芸種で鉢植えで育てられることが多い半耐寒性のヒメエニシダがあります。
細かい葉が密生した枝に黄色い花を咲かせます。改良品種の赤花種はたまに見かけますが、別種の白花種はなかなか見かけません。濃い緑色の硬めの枝を密に茂らせます。株はほうき状に直立しますが大きくなるとやや下垂します。

  • 難易度: 適地に植えれば易しいです。移植時は慎重に。
  • 日照量: 日当たりと水はけのよい場所を好みます。
  • 水分量: 過湿は苦手です。
  • 耐寒性:
    エニシダは比較的耐寒性が強いです。
    ヒメエニシダは基本的には室内で冬越しします。南関東以西の温暖地では屋外で冬を越すこともあります。
  • 成長速度:早い 盛んに枝を伸ばします。
  • 移植:5〜6月 ポット苗以外の移植は困難です。特に地植えで大きくなったものは非常に難しいです。どうしても植え替える場合は極端に枝を切り詰めます。

エニシダの育て方

日当たりと水はけの良い、やや乾燥した場所が適地です。ジメジメした環境が苦手なので植えつける際に砂などを混ぜ、やや高植えにします。アルカリ性の土を好むので、苦土石灰などを混ぜ込んで調整します。
根付くまでが大事で、ポット苗の場合でも少し切り詰めてから植えたほうが安全です。根を傷つけられるのを嫌がるので根鉢は崩さないように植えます。

  • 管理:伸びすぎたら刈り込む程度です。
  • 剪定花後〜6月
    自然樹形を楽しむので普段は枝を間引く程度にとどめます。伸びすぎたら花後に邪魔な枝を間引き、他は切り戻して更新します。緑色の枝なら刈り込んでも大丈夫。夏以降の刈り込みは花芽を落とすことになります。
  • 肥料:地植えは冬に控えめに遅効性肥料を与え、鉢植えは春と秋に控えめに緩効性肥料を与えます。多肥は苦手です。
  • 病害虫:これといった被害はないです。湿気による根ぐされに注意。

エニシダのアレンジ

洋風の庭に合います。枝は硬いですが、全体で見ると柔らかい雰囲気なので自然風の庭にも合わせられます。ただ、しっとりした庭には向きません。また、和風の庭にも合いません。
枝がこんもり伸びるので、広い場所がないと庭木として使うのは難しいです。広い道の縁や石垣や法面など邪魔にならない場所に植えます。広い芝生があれば真ん中に植えて自然樹形を楽しめたら素敵だと思います。
ヒメエニシダは過湿や寒さにやや弱いので基本的には鉢植えで用います。寄せ植えにも使えないことはありませんが、移植に弱いのでおすすめできません。

広い道の脇に植栽した例
広い道の脇に植栽した例。
刈り込んでしまうと魅力が半減するので、横に枝が伸びる余地がある場所に植えたいです。

エニシダの主な品種

黄色花の他、赤花や白花の種が出回ります。ヒメエニシダは鉢花として出回ることが多いです。

エニシダ
エニシダC. scoparius
耐寒性が強く、マイナス5℃程度まで耐えるので南関東以西の温暖地では地植えが可能。普通種の黄色花の他、2色咲きわけや赤花種の改良品種が出回ります。
環境が合えばとても丈夫です。

エニシダの赤花種
エニシダの赤花種。

2色咲き分けの品種
2色咲き分けの品種。よく目立ちます。


シロバナエニシダC. multiflorus
白花種。エニシダと比べて、やや低めの樹高です。


ヒメエニシダヒメエニシダ
ヒメエニシダC. x spachianus
園芸品種。鮮やかな黄色花を咲かせます。葉や茎には白い毛が生えています。樹高は低いですが花つきがよく、耐寒性がやや弱いので鉢花として出回ります。
地植えにする場合は、軒下のひだまりなど条件の良い場所に植えてあげましょう。

エニシダの個人的な印象

オススメ度:★★★
環境が好みに合えば手間もかからず毎年花が楽しめます。
急に枯れたりするので、環境の合わない場所に植えないほうが良いでしょう。

コメント

  • 刈り込みを毎年しなければならないような狭い場所には植えないほうが無難です。
  • 大株になると、強い風に当たって抜けやすくなるので注意。
  • 枝に弾力があるせいか、刈り込みばさみだと枝が微妙に切りづらいです。
  • 何年か栽培していると突然倒れたり、枯れることがあります。条件のよい場所でもそういったことが起こるので、ある程度割り切りは必要かもしれません 。
    また、枯れたと思っても、残った根から再び育つこともあります。
  • 以前は鉢植え栽培が基本だったヒメエニシダも、近年の温暖化のせいか、南関東以西の霜の降りにくい地域では屋外で冬を越すことが普通になってきました。
  • 寒さが厳しいと冬に葉を落とします。株が生きてさえいれば新芽を出すので、初夏までは様子を見ましょう。
  • エニシダは有毒植物として知られています。一応留意のこと。

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