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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

シノブ(トキワシノブ)

シノブシノブ
シノブ

トキワシノブトキワシノブ
トキワシノブ

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シノブ(トキワシノブ)のデータ

葉色:緑
学名:Davallia mariesii / Humata tyermannii
科名:シノブ科
分類:シノブ:多年草(冬落葉)、トキワシノブ:多年草(常緑)
原産地:日本、東アジア
大きさ:背丈15〜30cm、横幅15〜35cm
主な見所:葉(春〜晩秋、周年)

シノブ(トキワシノブ)の特徴

以前は山野草として扱われていましたが、苔玉が流行りだして一気にポピュラーになりました。シダ植物らしい切れ込みの多い葉が涼しげで、フサフサな根も見所のひとつです。夏に葉が枯れるシノブと、常緑を保つ台湾原産のトキワシノブがよく出回っています。
シノブは薄黄緑色の葉色と薄めの葉の厚さでいかにも涼しげですが、葉がまばらにつくようにみえます。トキワシノブは葉色がやや濃く葉も少し厚いですが、そのぶんスカスカな印象にはなりにくいです。性質はどちらもとても丈夫で、強く乾燥させなければ初心者でも楽に育てられます。

  • 難易度: 丈夫です。
  • 日照量: 半日陰ぐらいを好みます。
  • 水分量: シダにしては乾燥にも強いですが、湿気の多い環境を好みます。
  • 耐寒性: シノブは耐寒性が強く屋外で冬を越します。トキワシノブは室内に取り込んだ方が無難ですが、霜を避ければ屋外で冬を越せる場合も多いです。

シノブ(トキワシノブ)の育て方

半日陰の空中湿度が高い環境を好みます。水ゴケ植えにして乾かさないように育てれば特に難しいことはありません。水苔以外にも溶岩岩やヘゴ板など着生させやすいものならば同様に育ちます。雨の当たらない場所に置いている株には、たまに葉水を与えると瑞々しさを保てます。
滞留する水を好むわけではないので湿度が高ければ、用土の乾燥にも比較的耐えます。

  • 管理:特別な管理はありません。湿度を高めるために霧吹してやるとよいでしょう。
    大きくなり過ぎたら茎を切り分けて増やせます。小さなミニ仕立てにするのも楽しいです。
  • 肥料:葉面散布肥料を少なめに与える程度で構いません。調子が良ければ無理に与える必要はありません。
  • 冬越し:やや乾燥気味に管理します。トキワシノブにはたまに葉水を与えます。
  • 病害虫:ほとんど発生しません。

シノブ(トキワシノブ)のアレンジ

苔玉で購入した場合はそのまま半日陰の場所に飾ればよいと思います。水を好むもの同士で寄せ植えもできますが、単独で涼しげな姿やおもしろい根を見て楽しんだ方がシノブのよさを生かせるでしょう。
植物の成長を優先するなら溶岩岩等に着生させ、腰水栽培するのがおすすめです。

シノブ(トキワシノブ)の主な品種

落葉するシノブと、常緑のトキワシノブが出回っています。

シノブの葉シノブの紅葉した葉
シノブDavallia mariesii
落葉性で、紅葉も綺麗です。トキワシノブよりも葉が薄く繊細な印象です。

トキワシノブの葉
トキワシノブHumata tyermannii
常緑性のシダでやや寒さに弱いです。シノブよりも葉がしっかりしており繊細さは薄れるものの、性質は丈夫で冬も葉が枯れません。

その他の写真

シノブの茎と根
シノブの茎と根。根はふさふさしています。
自然環境下では樹皮にはりつきますが、ミズゴケなど色々なものに絡ませられます。

シノブの紅葉
シノブの紅葉。条件が良いと意外な美しさをみせてくれます。

シノブの苔玉
トキワシノブの苔玉。吊っているため水やりが難しいのと、乾燥しやすい環境だと生育が良くないこともあって、美しく育った苔玉を見る機会は意外と少ないです。

腰水栽培のシノブ
腰水栽培のシノブ。水やりの手間が楽で初級者でも育てやすい栽培方法。
常に受け皿に水をためておく必要はなく、水が切れたら足す程度の間隔で十分です。

大きく育ったシノブ
大きく育ったシノブ。調子が良いと根が縦横に伸びてジャングル感があります。

シノブ(トキワシノブ)の個人的な印象

オススメ度:★★★★★
涼しげな姿と丈夫な性質でお勧め。黄色い胞子が落ちるため室内では飾りづらいですが、耐寒性があるので暖地なら屋外でも使いやすいです。

コメント

  • 南関東以西の暖地なら、トキワシノブは軽い霜除程度で屋外でも冬越しできることが多いです。
  • 涼しげなシノブと、ボリューム感のあるトキワシノブ。似ていますが実際の印象は意外と異なります。 葉だけをみるとシノブの方が繊細で美しいですが、株全体でみると葉が少なく茎や根ばかり目立つ印象になりやすいです。
  • 着生種であるため、一般的な「乾燥に弱い」という言葉では説明が難しいです。葉や茎に十分な湿度があればよく、むしろ用土の乾燥には強いといえるのかもしれません。

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