ラディアヌム
葉色:
学名:Adiantum radiatum
科名:ホウライシダ科
分類:多年草(常緑)
原産地:中・南アメリカ、東南アジア他
大きさ:背丈20〜40cm、横幅20〜30cm
主な見所:葉(周年)
様々な種類がありますが、園芸では一般的にラディアヌムやその園芸種を指します。
株元から羽状の小葉のついた葉柄を立ち上げます。葉が柔らかく全体的に繊細な姿なので涼しげな印象。黒褐色の葉柄との対比も美しいです。高い空中湿度を維持し、根は適湿にするという、やや栽培難易度の高い観葉植物です。一方で、環境に合う場所ではどんどん増えることがあります。
園芸ではポピュラーではありませんがペルビアナムやトラペシフォルメなどの葉の大きい種類もあり、植物園の温室でよく展示されています。
乾燥した環境では育成が難しく、高い湿度を維持しないとチリチリになって枯れてしまうことがあります。かといって常に水に浸るような環境も好まず、美しい姿を保つには管理が必要になります。
半日陰の場所に置き、水はけ水もちのよい土に植えます。霧吹きで湿度を保ち乾燥させないようにします。葉が傷むのでエアコンの風が直接当たるような場所に置くのは避けましょう。
アジアンタムの性質上、テラリウム栽培に適しているように思えますが、土が常に水に浸っている抽水栽培は苦手です。単独で湿度を保ちつつ栽培するか、似たような性質の観葉植物(アスプレニュームやプテリスなど)と寄せ鉢にします。腰水にしつつの石付け栽培も面白いです。
ラディアヌムの様々な改良品種が出回ります。ラディアヌム以外にもいくつか種類がありますが、園芸では一般的ではありません。
○ホウライシダ(A. capillus-veneris L.)
日本を含む、世界中に自生のあるアジアンタムの仲間。栽培されることもありますが、野生化して勝手に生えてくることも多いです。環境が合えばとても丈夫で寒さにも強いです。
写真は日陰にあるブロック塀に自然と生えてきた株。
○ペルビアナム(A. peruvianum)
大型の葉をつけるものの中では見かける機会が多い種。それでも一般的とは言いがたいです。
○トラペシフォルメ(A. trapeziforme)
ヒシガタホウライシダとも呼ばれます。ひし形の大型の葉をつける種。
植物園で見かける機会は多いですが、家庭園芸では一般的ではありません。
ラディアヌムの葉のアップ。
長年育てたアジアンタムの株元。かたい黒い葉柄が長く残るため見た目は芳しくありません。
植え替えの際に、枯れた葉柄を剪定して整理したいところです。
石付け栽培しているアジアンタム。岩が乾かないように水を与えます。
大船フラワーセンターで見かけた、滝のそばで自然な雰囲気で着生しているアジアンタム。
オススメ度:★★
姿は美しいですが、環境によって栽培難易度に違いが出ます。
湿度が常に低いような環境なら他の観葉植物を選んだ方が無難です。