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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

アジアンタム

アジアンタム ラディアヌムアジアンタム
ラディアヌム

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アジアンタムのデータ

葉色:緑
学名:Adiantum radiatum
科名:ホウライシダ科
分類:多年草(常緑)
原産地:中・南アメリカ、東南アジア他
大きさ:背丈20〜40cm、横幅20〜30cm
主な見所:葉(周年)

アジアンタムの特徴

様々な種類がありますが、園芸では一般的にラディアヌムやその園芸種を指します。
株元から羽状の小葉のついた葉柄を立ち上げます。葉が柔らかく全体的に繊細な姿なので涼しげな印象。黒褐色の葉柄との対比も美しいです。高い空中湿度を維持し、根は適湿にするという、やや栽培難易度の高い観葉植物です。一方で、環境に合う場所ではどんどん増えることがあります。
園芸ではポピュラーではありませんがペルビアナムやトラペシフォルメなどの葉の大きい種類もあり、植物園の温室でよく展示されています。

  • 難易度: 観葉植物の中では難易度は高い方です。
  • 日照量: 半日陰を好みます。夏の直射光は苦手です。
  • 水分量: 空気の乾燥は苦手ですが、根の過湿や乾燥は嫌います。
  • 耐寒性: 3℃程度で冬越しします。

アジアンタムの育て方

乾燥した環境では育成が難しく、高い湿度を維持しないとチリチリになって枯れてしまうことがあります。かといって常に水に浸るような環境も好まず、美しい姿を保つには管理が必要になります。
半日陰の場所に置き、水はけ水もちのよい土に植えます。霧吹きで湿度を保ち乾燥させないようにします。葉が傷むのでエアコンの風が直接当たるような場所に置くのは避けましょう。

  • 管理:チリチリになった葉柄は元から切り取ります。
    観葉植物の中では寒さに強い方ですが、冬場に乾燥する地方は霧吹きで湿度を保ちます。
  • 肥料:成長期に薄い液肥を与えるのみで十分です。
  • 冬越し:霜が降りる前に屋内に取り込みます。冬場も霧吹きは続けて湿度を保ちます。
  • 病害虫:屋外に置くとナメクジの被害に合います。

アジアンタムのアレンジ

アジアンタムの性質上、テラリウム栽培に適しているように思えますが、土が常に水に浸っている抽水栽培は苦手です。単独で湿度を保ちつつ栽培するか、似たような性質の観葉植物(アスプレニュームやプテリスなど)と寄せ鉢にします。腰水にしつつの石付け栽培も面白いです。

アジアンタムの主な品種

ラディアヌムの様々な改良品種が出回ります。ラディアヌム以外にもいくつか種類がありますが、園芸では一般的ではありません。

ホウライシダ
ホウライシダA. capillus-veneris L.
日本を含む、世界中に自生のあるアジアンタムの仲間。栽培されることもありますが、野生化して勝手に生えてくることも多いです。環境が合えばとても丈夫で寒さにも強いです。
写真は日陰にあるブロック塀に自然と生えてきた株。


ペルビアナム
ペルビアナムA. peruvianum
大型の葉をつけるものの中では見かける機会が多い種。それでも一般的とは言いがたいです。

トラペシフォルメ
トラペシフォルメA. trapeziforme
ヒシガタホウライシダとも呼ばれます。ひし形の大型の葉をつける種。
植物園で見かける機会は多いですが、家庭園芸では一般的ではありません。

その他の写真

アジアンタムの葉
ラディアヌムの葉のアップ。

長年育てたアジアンタムの株元
長年育てたアジアンタムの株元。かたい黒い葉柄が長く残るため見た目は芳しくありません。
植え替えの際に、枯れた葉柄を剪定して整理したいところです。

石付け栽培しているアジアンタム
石付け栽培しているアジアンタム。岩が乾かないように水を与えます。

滝のそばで自然な雰囲気で着生しているアジアンタム
大船フラワーセンターで見かけた、滝のそばで自然な雰囲気で着生しているアジアンタム。

アジアンタムの個人的な印象

オススメ度:★★
姿は美しいですが、環境によって栽培難易度に違いが出ます。
湿度が常に低いような環境なら他の観葉植物を選んだ方が無難です。

コメント

  • 岩や石垣などに着生するホウライシダの自生の姿を見れば、土に植えつけ鉢植えにするという育て方自体が、やや無理のある栽培方法なのかもしれません。

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