埼玉県滑川町にある全国で初めての国営公園。名前が示す通り広大な園内で森林浴が楽しめます。
花の見所はいくつかありますが、大規模な花畑以外では、春のサクラや、夏のヤマユリ、晩秋の紅葉などが有名です。花好きなら、都市緑化植物園にある各ガーデンも見逃せません。
広く細長い園内。メインの道以外にも脇道が多く高低差もあり、くまなく回ると大変です。見頃の花の場所に絞るか、レンタサイクルや園内バスを上手に活用しましょう。
入口が複数あり順路も特にないので、園内のポイントごとに主な見所を紹介します。この順番ごとに観賞する必要はなく、季節によってはポイントを省略して効率よく巡りたいところです。
南口、中央口、西口、北口の4箇所も入口があります。車ならどの入口も使えますが、公共交通機関利用ならバス停が近くにある南口と西口が利用しやすいです。
園内バスが通るメインの道を中心に、アスファルトの道や土の小道が縦横に伸びています。たまに通るバスや作業車以外に車両は通らないのでのんびり歩けます。
初めて訪れた場合は、分岐でガイドマップ等を見て、進む方向をよく確認しましょう。
ソメイヨシノがメインに植えられた花木園。ナノハナやユキヤナギなどとの共演も楽しめます。
サクラの下でお花見の他、花木園の横にある広場でバーベキューもできます。
見ごろは例年3月下旬〜4月上旬ですが、毎年ブレがあるので要確認。
斜面になっていて開放感があり、眺めも良い梅林。見頃は例年早春から春です。
夏には、ウメの木の下でヤマユリが咲きます。
芝生広場やエアートランポリン(ぽんぽこマウンテン)、ドーム状の休憩舎のある広い運動広場。
北側の斜面には大きな花畑があり、各季節毎に大規模な花畑が見られます。
写真2枚目の花は、春に咲くアイスランドポピー。
樹林の中で野草を観賞できる小道。池を挟んで大きく2つのエリアに分かれてします。
野草コース南側には薄暗く湿った谷側と、明るく乾燥しやすい丘側があって、環境によって咲く花が異なっているのが興味深いです。
写真1枚目は谷側に咲くヤマブキソウ。写真2枚目は丘側に咲くミヤコワスレとシライトソウ。
他にも、カタクリやレンゲショウマなど様々な花が咲きます。
樹林が途切れ、明るく開けた草原のようなエリアになっている秋の七草コーナー。
オミナエシやカワラナデシコといった、秋の七草の花が見られます。
メインの道からちょっと外れた場所にある、ヤマユリの咲く小径。アカマツ林の下で、自然な雰囲気で咲く花を観賞できます。
少し分かりづらい場所にあるので、地図でよく確認しましょう。
約20種類のカエデが植えられたエリア。新緑や紅葉の時期はとても美しいです。
紅葉最盛期には期間限定でライトアップも行われます。
西口からすぐの西口ひろばにある、丘状になった花畑。
春に咲くネモフィラの花が見所です。
都市緑化植物園の中心施設である植物展示棟。内部にはカフェがあるほか、園内の花や緑に関する情報を展示をしています。立ち寄っていくとよいでしょう。
その隣は、緑陰に囲まれた広場になっていて、ベンチに座って休憩できます。
名前の通り銅葉や銀葉、黄金葉など、多彩な葉色が楽しめるコンセプトガーデン。
カラーリーフだけでなく、花やハーブも適度に植栽されており、各季節で様々な景色が楽しめます。
国営公園は大規模な花畑(例として国営ひたち海浜公園のネモフィラなど)は充実しているものの、このように美しくデザインされたガーデンはあまりありません。
このガーデンの存在は、国営武蔵丘陵森林公園の大きな特徴であり、魅力となっています。
園路の左右に造られたとても長いボーダーガーデン。「手間がかからないもの」「耐寒性が強いもの」など幾つかのテーマに分かれ、それぞれ比較的丈夫な宿根草や低木で彩られています。
各季節で花が楽しめますが、春から初夏は特に美しいです。
第二苗園はバックヤードであり、普段は非公開エリアとなっていますが、ツバキやサクラソウなどの花の見ごろの時期限定で一般公開されています。
公開時期には、植物園展示棟前の広場付近に案内が出ているので、見逃さないようにしましょう。
樹林下に広がる大きな花畑。木漏れ日の下で、自然な雰囲気で咲く花々が魅力です。
特に、晩春に咲く写真のルピナスは大きな見所となります。
森林公園の名の通り園内は樹木が多いです。手軽に森林浴を楽しめます。
要所にベンチやあずまやがあり、休憩しながら歩けるのも良いです。
樹木が多い環境に比例するように、園内には様々なキノコが数多く見られます。
特に、夏から秋にかけて多くなります。
園内は沼や水辺が多いですが、沼という名称になっているように水の透明度が低く、また周囲が鬱蒼とした部分が多いので、美しい水辺の景色を楽しめる場所は少なめです。
園内は非常に広く、ウォーキング目的でなければ、有料の園内バスやレンタサイクルを使って効率よく巡りたいところです。
なお、レンタサイクルは借りた場所でないと返せないので注意。片道だけ使いたい場合は園内バスを利用しましょう。
レストランや売店、休憩スペースが多いので飲食には困らないでしょう。
展望レストランの屋上では遠くの山々を望むこともできます。
場所
埼玉県比企郡滑川町山田1920
交通手段
■公共交通機関
東武鉄道「森林公園」駅からバスで「滑川中学校」下車、徒歩約5分(南口)
東武鉄道「森林公園」駅からバスで「森林公園西口」下車すぐ(西口)
※土日祝は森林公園駅から森林公園南口までの直行バスあり。
JR・秩父鉄道「熊谷」駅からバスで「森林公園西口」下車すぐ(西口)
JR・秩父鉄道「熊谷」駅からバスで「森林公園南口」下車すぐ(南口)
■車
関越自動車道「東松山IC」より約10分。
駐車場あり(有料)
入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.shinrinkoen.jp/
庭園デザイン:★★★★
自然の林を生かした緑の多い公園。性格が異なる様々なエリアがありますが、エリア間は林で区切られ園内の一体感を保っています。その分、各エリアの移動にやや時間がかかるのは仕方のないところ。一方で、敷地全体が細長いため周遊性はそれほど悪くないと感じます。
都市緑化植物園は、国営公園の中でも、かなり植物にこだわった展示が見られるエリアとなっています。特に、近年新しくなったカラーリーフガーデンはデザイン的にも見所が多いです。
植物充実度:★★★★★
ケヤキやアカマツといった立派な樹木、サクラなどの花木、ヤマユリをはじめとした野草が多く見られます。また、都市緑化植物園を中心に園芸植物も豊富です。植物の種類や品種の多さという観点から見ると、他の国営公園よりもかなり充実しています。
植物の管理状態は良好です。
娯楽度:★★★
サクラや各種花畑、紅葉の最盛期は、植物にあまり関心がなくても楽しめると思います。それ以外の季節は派手な景色は望めず、ゆったり散策するのに向いています。
園内には子供の遊び場や、サイクリングコースなどがあるので利用するとよいでしょう。また、レストランや売店等も各所にあるので飲食には困らないでしょう。
周辺観光でいえば、特にこれといったものはありません。広大な公園を一日楽しむつもりで訪れた方が良いと思います。
混雑度:★★
大型連休中やサクラ、紅葉の最盛期はやや混雑します。それ以外の季節は混雑することは少ないでしょう。
施設内は非常に広く、オープンスペースも多いので、混雑時でもゆっくりできる場所はあります。
交通の便:★★★★★
公共交通機関利用の場合、最寄り駅から遠いですが、森林公園駅や熊谷駅からバスがそれなりの本数が出ています。また、森林公園駅からは土日祝に直通のバスも出ているので良い評価。
車の場合、各入口ごとに広い駐車場があり、大型連休中以外は車で来ることに不安はありません。
総合満足度:★★★★★
雑木林やアカマツ林などが魅力の、緑濃い国営公園。森林浴をしながらの散策が楽しいです。また、国営公園らしい大規模な花畑も見られます。
一方で、都市緑化植物園のデザインされたガーデンや、野草コースの季節の花、自生するヤマユリなども楽しめるため、関東近郊の国営公園の中では、植物愛好家の方に特におすすめできる施設といえると思います。
園内の道は、歩行者と自転車がしっかり区別されているので散策が快適です。国営公園はこの辺りがしっかりしているのでありがたいです。
備考:園内は非常に広いので、徒歩ですべてを見ようとすると丸1日はかかります。ピンポイントで目当ての花の場所に行く。あるいは園内バスやレンタサイクルを利用しつつ、多少選別しながら観賞するのが現実的かもしれません。
遠方から訪れる場合のお勧めの季節
春(サクラ、各種花木、山野草)
晩春(新緑、各種草花、山野草)
初夏(新緑、各種草花)
夏(ヤマユリ)
秋(ダリア、山野草)
晩秋(紅葉)