花色:
学名:Lilium
科名:ユリ科
分類:秋植え球根
原産地:日本、東アジア〜ヨーロッパ
大きさ:背丈30〜200cm、横幅20〜100cm
主な見所:花(5〜8月)、香り(花)
大まかに分けるとオリエンタルハイブリッド、アジアンティックハイブリッド、テッポウユリの仲間、ヤマユリなどの原種系に分かれます。
オリエンタルハイブリッドは大輪で横〜下向きに咲き、香りのよいものが多いです。アジアンティックハイブリッドは小輪多花性で上向きに咲きます。香りはあまりありません。テッポウユリの仲間は花弁が筒状に長く、横向きに咲かせます。原種系は様々な種類がありヤマユリのような大型の大輪種から、オトメユリのような小型で小輪のものまであります。性質はオリエンタルハイブリッドに近いものが多いのですがよく確認します。
種類によりますが、清楚でスタイルもよく、切花に多用され、改良品種も数多くあります。
オリエンタルハイブリッドと原種系の多くは半日陰〜午前中に日が当たる場所が適地です。アジアンティックハイブリッドはよく日の当たる場所を好みます。どちらも水はけのよい肥沃な土を好みますが、乾燥のしすぎはよくありません。日向で育てているものは株元にマルチングなどをして乾燥させすぎないようにします。
球根の植え付けは10月〜11月ごろ。球根は乾燥に弱いので、手に入れたらなるべく早く植えつけしましょう。球根上部の根から養分や水を吸収するユリの性質から、球根の大きさの3〜5倍程度の深植えにします。鉢植えでもできれば3倍、最低2倍程度は確保します。
品種を選べば洋風、和風、自然風いずれの庭にも合います。
すっと伸びるのでボーダーガーデンによく合い、草丈の違いを楽しみます。オリエンタルハイブリッドや原種系の多くは、明るめのシェードガーデンの主役に使うこともできます。花期が短いので、鉢植えで育てて開花期だけ目立つ場所に移動するのもよいです。
美しいけれど主張しすぎることもない、どの花とも違和感なく合わせられる懐の深さがあります。
テッポウユリ系の白花と、同時期に咲くノリウツギ系の白花を合わせた例。
背丈が高いことを利用して、育った宿根草や低木の上部で咲くように工夫されています。
日本自生するヤマユリやカノコユリなどを中心に欧米で改良交雑されたオリエンタルハイブリッドや、主にスカシユリから改良交雑されたアジアンティックハイブリッドがよく出回っています。
ヤマユリやオニユリなどの原種も出回ることがあります。
他にもテッポウユリ系の品種や、アジアンティックハイブリッド系とテッポウユリ系の品種を交雑させたLAと呼ばれる品種など多岐にわたります。
「カサブランカ」
オリエンタルハイブリッド系。純白の大輪花で、香りもとてもよいです。
切花としても非常に有名です。
「ロリーポップ」
アジアンティックハイブリッド系。白花の花弁の先がピンクになります。
「フェアリーリリー」シリーズ
アジアンティックハイブリッド系。草丈30〜40cm程度と矮性で、低い背丈で開花します。
赤紫〜黄色と様々な花色が揃います。写真はオレンジマトリックス。
○テッポウユリ(L. longiflorum)
テッポウユリ系。純白の細長い横向きの花を咲かせます。花はやや大きめで、背丈は高いです。
非常に丈夫な種でこぼれダネでも増えます。
○ヤマユリ(L. auratum)
原種系。各地で群落を見ることができる野生種の代表。花は大型で、背丈も高くなります。非常に香りが強いです。
丈夫な種ですが、乾燥しやすい場所には向きません。
○オニユリ(L. ancifolium)
原種系。強健種で、見た目も野性的な印象です。
葉の付け根にムカゴを作り、こぼれたムカゴで自然に増えます。
○オトメユリ(L. rubellum)
ヒメサユリとも呼ばれます。原種系。草丈が低めで可憐なピンク花。
暑さに弱いので暖地での長期維持は困難です。
タネから咲かせたテッポウユリの仲間。
テッポウユリの仲間はタネからでも比較的楽に育てられます。
写真1枚目は樹林下の木漏れ日で咲くオリエンタルハイブリッド。写真2枚目は開けた場所で咲くアジアンティックハイブリッド。それぞれに好む環境に違いがあります。
写真は極端な例ですが、家庭園芸でもなるべく条件に近づけてあげるとよいでしょう。
オススメ度:★★★★★
性質が強健で、様々な種類の美しい花が揃います。草姿もスッとして綺麗です。
花期がとても短いのが唯一の欠点。