花色:
学名:Viola
科名:スミレ科
分類:多年草(冬落葉〜常緑)、一年草扱い
原産地:北半球の温帯
大きさ:背丈5〜40cm、横幅10〜40cm
主な見所:花(3〜5月)
スミレの仲間には野生種、園芸種ともに数多くあります。パンジーやビオラもそのひとつです。正確にはただ「スミレ」といった場合、スミレ(V. mandshurica)を指しますが、園芸上ではスミレといえば日本の自生種やその改良品種、欧米からの輸入種(パンジーやビオラ、ニオイスミレなどを除く)をまとめてそう呼んでいます。
日本ではなじみの深い花で、少し緑の多い地方に行けば、山林や野原、人家の近くなどに普通に見られます。それだけ丈夫な証拠で、家庭での栽培でも増えすぎに注意が要るほどです。品種も多く、背丈が低いものや高いもの、高山植物扱いのもの、変種、改良品種、輸入種など様々なものが出回っています。暑さに弱いものはビオラ同様、一年草扱いされることもあります。
花は下側の花弁がやや大きくなり、そこに模様が入るものが多いです。後ろには長い距を伸ばします。一目でスミレ属とわかる特徴的な姿です。花後にはプロペラ状にタネがつきます。こぼれダネで増えやすいです。葉は手のひら状のものと、やじり型〜ハート型で、大きくなるものはハート型が多いです。株はロゼット状で葉と同じかそれより少し高い程度の花茎を伸ばします。
品種によって冬に葉を保つものと落葉するものがあります。日本産の品種は基本的に落葉し、外国産のものは常緑のものも多いです。
秋から初夏までは日当たりのよい場所に植えます。丈夫なので半日陰でも育ちますが、徒長してしまい美しい姿にならず花つきも悪化します。夏の間は風通しのよい半日陰に移動し、地植えの場合も落葉樹の下など、なるべく夏場に半日陰になるような場所に植栽します。
土壌は水はけ、水もちのよい、あまり乾燥しない場所が適地です。
洋風や和風、自然風の庭いずれにも合います。ビオラに比べて楚々とした雰囲気が魅力なので、和風の寄せ植えにもよく合います。
野生種に近いものは小鉢に単独で植えたり、地植えで自然風に植えるのが一般的で、あまり寄せ植えには利用されません。一部の園芸品種は花つきがよく、株もまとまりやすいので寄せ植えにも十分活用できます。
野生種や輸入種も含めて様々な種類・品種が出回ります。
花を改良したもののほかに、葉の色を観賞するものもあります。
○タチツボスミレ(V. grypoceras)
日本の自生種。ちょっと自然が残った場所ならよく見かけるポピュラーなスミレ。青紫の花で、白花種もあります。葉はハート型で株は中型。冬季は大部分の葉が落葉し株元の小さな葉で冬を越します。
丈夫な種で、こぼれダネで勝手に増えることも多いです。
○ラブラドリカ・パープレア(リビニアナ・パープレア?)(V. labradorica/riviniana?)
※一般的にはラブラドリカの名で出回りますが、リビニアナという別種であるともいわれています。ただ、リビニアナの葉は無毛といわれていますが本種には小さな毛が生えています。交雑種の可能性もあると思います。
青紫の花で葉はハート形。本種は銅葉が特徴で、特に冬はかなり濃い葉色になります。冬も常緑。花つきがよく、丈夫な性質です。
タネをつけた様子。
様々な種や品種。種類が多数ある上に、花色や花の咲き方の変化が大きく、さらに品種や交雑品種も多いため、種類の同定は非常に困難です。
空き地に自然に咲いたタチツボスミレ。こぼれダネで増えやすいです。
オススメ度:★★★★
高山性の品種を除けば育てやすいものが多いです。
パンジーやビオラに比べ派手さはありませんが、自然な雰囲気が持ち味。