花色:
学名:Bletilla striata
科名:ラン科
分類:多年草(常緑)
原産地:日本、東アジア
大きさ:背丈30〜50cm、横幅40〜60cm
主な見所:花(4〜5月)
花を楽しむラン科の植物の中で、とても丈夫なもののひとつです。
初夏にラン科特有の形の花を咲かせます。花色は赤紫が普通ですが、白花もあります。花つきはそこそこですが、大きな葉とのコントラストは美しいです。葉はやや幅広で細長く、縦筋が目立ちます。
草姿が崩れず四方に優雅に葉を広げるので、花がない間もリーフプランツとして楽しめます。
ラン科の花としては珍しく放任でも増えていくほど丈夫で、育てるのは難しくありません。
日向から半日陰の、肥沃な土で乾燥のひどくならない場所が適地。乾燥しなければ一年中日当たりのよい場所でも大丈夫ですが、夏場に半日陰になる高木の下のような環境が好ましいです。
洋風の庭に合わせることもできますが、和風や自然風の庭の方が向いています。
地植えに適し、珍しい品種以外で鉢植えにすることは少ないです。半日陰までなら十分育つので北側の庭にも植えることができます。日当たりが良すぎる場所だと葉焼けしやすいうえ、雰囲気も出ないので避けた方が無難でしょう。
庭石や樹木の下などに根じめとして郡植するのが定番。道端や水辺に列植する例も見かけますが、草丈がやや大きくなるのでその点は考慮のこと。葉が四方に広がる姿が美しいので、植栽場所の周囲がなるべく広い所を選択します。
小道との縁取りにしたシランの配植例。自然な雰囲気で葉や花がしだれるのがよいです。
高木下のグランドカバーにしたシランの配植例。
葉幅が広く背丈もあるためか、比較的雑草が生えにくいです。
赤紫花の普通種のほか、白花種や白の斑入り種が一般的。他種との交雑品種も出回ります。
あまり流通しませんが青花種(青よりも薄紫色に近い)や縞斑入り種などもあります。
シランの白花・白斑入り品種(フイリシラン)
花のアップ。花は写真1枚目のように花弁がしっかり開かない咲き方をしますが、写真2枚目のようにしっかり開く場合もあります。特に、白花系の交雑種はしっかり開くことが多いようです。
庭や公園等で普通に植えられる花ですが、よく見ればなるほどランの花で美しいです。
葉のアップ。細長く、長さ30cm程度まで大きくなります。
薄い葉ですが、手触りは硬くカサカサしています。
横から見たシランの草姿。上から見ると株立ちに見えますが、実際は1本の茎から4〜5枚程度の葉を出しています。そこから、1本の花茎を伸ばして花を咲かせます。
大きくなり横に広がると、かなりの存在感が出ます。
シランの偽球茎。この姿で販売されることもあります。
オススメ度:★★★
丈夫で半日陰にも耐えます。やや広めの場所に、ある程度の数を郡植すると映えます。