花色:
学名:Lavandula
科名:シソ科
分類:常緑低木
原産地:地中海沿岸
大きさ:背丈20〜100cm、横幅20〜120cm
主な見所:花(5〜8月)※四季咲き種もあり、香り(全草)
大別すると香りが強く暑さに弱いイングリッシュラベンダー系と、暑さに強いフレンチラベンダー系、交配種のラバンディン系、耐寒性も耐暑性もやや弱いレースラベンダーに分かれます。
初夏から夏にかけて青紫の美しい野趣に富んだ花を咲かせるとともに、葉や花などに独特の甘い香りをもちます。花色は青紫以外にもピンクや白色もあります。葉には細かい毛が生えており灰緑色をしています。より白みの強いシルバーの葉色を楽しむ品種もあります。
北海道やイギリスの庭に咲いているイメージから人気があります。しかし、高温多湿にとても弱いので、日本の暖地では栽培しづらいのが難点でした。そこで暑さに強い交雑・改良品種が出回るようになっています。とはいえ、多少は改善されたものの高温多湿が苦手なこと自体は変わりません
過湿を極端に嫌うので、砂やパーライトなどを混ぜた乾きやすい土に植えつけます。地植えの場合はしっかり土壌改良した上で高植えにします。鉢植えの場合は梅雨に弱りやすいので、雨の当たらない場所に移動します。夏の暑さに弱いので、真夏は半日陰の涼しい場所に置き、それ以外の季節はしっかり日に当てます。
フレンチラベンダーは比較的暑さに強く初心者向き。ラバンディン系は中級者向き。イングリッシュラベンダーやレースラベンダーは上級者向けです。またレースラベンダーは寒さに弱いので、霜が降りる地方では保護が必要になります。
洋風の庭に合います。和風や自然風の庭にはあまり合いません。
性質上、単独で鉢植えにして季節によって移動できるようにします。何かと合わせたい場合は寄せ鉢にします。風通しと日当たりがよくて常に乾いているような場所があれば、地植えにして大きな姿を楽しみたいです。環境さえ合えば毎年よく花を咲かせてくれます。
斜面に植えられた例。自然と水はけがよくなり性質的にはよく合っています。
花壇の前景に植えられた例。
比較的丈夫なフレンチラベンダー系であればこのような使い方も可能です。
様々な種類や品種が出回っています。
○イングリッシュラベンダー系(L. angustifolia)
単にラベンダーといえばこの品種群を指すほどポピュラーです。香りがよく、花も美しいものが多いですが、高温多湿にはとても弱いです。寒冷地向き。
○フレンチラベンダー系(L. stoechas)
フリルのついた個性的な姿です。香りはやや弱い。暑さには比較的強いです。
暖地でも条件が良ければ長期維持が可能。
「わたぼうし」
フレンチラベンダー系の品種。フリルが白色でよく目立ちます。
○ラバンディン系(交配品種)
イングリッシュラベンダー系のアングスティフォリアと、ラティフォリア(スパイクラベンダー)の交配種で大型になります。イングリッシュ系に比べると暑さに強く丈夫ですが、花がやや小さめで、香りも弱いものが多いです。
○レースラベンダー(L. pinnata)
別名ピンナータ。切り込みのある繊細な葉が特徴です。花色はやや濃い目の青紫。寒さに弱く霜が降りる地方では保護が必要。暑さにも弱いので栽培は難しいです。
○ファーンラベンダー(L. multifida)
別名ムルチフィダ。レースラベンダーに似ていますが花色がやや薄めです。あまり出回りません。
レースラベンダー同様、寒さに弱いです。
斑入りラベンダー。
オススメ度:★★
甘い香りは好みが分かれますが確かな個性があります。
環境が良くないと枯れやすいので、憧れだけで導入するのは避けましょう。