花色:
学名:Gentiana
科名:リンドウ科
分類:多年草(冬落葉)
原産地:日本、世界の温帯
大きさ:背丈10〜120cm、横幅15〜50cm
主な見所:花(8〜10月)※品種によっては春・初夏咲きもあります。
リンドウには変種も含め様々な種類があります。園芸ではリンドウとその変種のササリンドウ、キリシマリンドウ、さらにはエゾリンドウなどの原種や改良・交配種などが栽培されています。草丈が10cmにも満たない矮性種から、切花向きの高性種までありますが、一般的に店頭で出回るものは草丈が低いものが多いです(矮化剤を使用しているものもある)。
花色は青紫の他に紅やピンク、白があります。上向きに咲く花は日差しを受けて開きますが、切花向きの品種の中には元々しっかり花が開かない品種も出回っています。葉は細長く、葉色がやや黄色ぽくなります。背丈の低いものは横に広がるように大きくなるものが多いです。
日当たりの良い、肥沃で水はけ水もちのよい場所が適地です。強い乾燥は苦手ですが、一方で過湿にも弱いので土質には気をつけます。土はやや酸性を好むので、鉢植えの場合は基本用土を鹿沼土にします。高山性のものは暑さに弱いので鉢植えで育てます。
和風や自然風の庭によく合います。洋風の庭に使うならピンクや白花を用いるとよいでしょう。
よく目立つ花色ですが、株全体でみると落ち着いた雰囲気があり、様々な花と合わせられます。
暖地では地植えでの夏越しが難しいため鉢植えで育てますが、シンキリシマリンドウはやや暑さに強いので、条件が良い場所ならグランドカバーにも使えます。
原種や変種、改良品種や交配種など、様々な種が出回っています。
○キリシマリンドウ(G. scabra var. buergeri f. procumbens)
草丈がやや低め。園芸店でよく出回っている花苗の交配親になっていることが多いです。
「シンキリシマリンドウ」
キリシマリンドウとナツリンドウの交雑種。鉢植えで売られている草丈の低いものは本種か、その改良品種が多いです。横に広がって育ちます。他のリンドウと比べ暑さに強く丈夫。
○エゾリンドウ(G. triflora)
日本の冷涼な山地に自生する種。
この系統は切り花向きの品種が多く、また寒さに強く暑さに弱い傾向があります。生花店でよく見かける高性種のほかに、近年は鉢植え向きの改良交配品種も増えてきています。
「シャインブルーアシロ」(青)と、「メルヘンアシロ」(ピンク)
鉢植え向きの改良品種。花色が色あせにくい。開花期が長いのも特徴。
「いわて乙女」
青紫の花色で、草丈30cm前後のやや矮性の品種。花はほとんど開きません。
「ももずきんちゃん」
交配品種。ピンクの花色で、草丈40cm前後のやや矮性の品種。花が少し開きます。
「安代の秋」:切花リンドウの代表的な品種。青紫の花色が鮮やか。
高性の品種。苗を売る店で出回ることは少なく、切花店で出回ることが多いです。
○リンドウ(G. scabra Bunge var. buergeri)
日本各地の山野に普通に生えている野生種。園芸以外で単にリンドウといえばこちらの種を指します。やや小さめの青紫の花を咲かせます。開花期は秋から晩秋。
園芸店で出回ることはまれですが、自然公園等で見かけることが多い花です。
オススメ度:★★★
比較的丈夫ですが、そこそこの環境を与えてあげないと枯れやすいです。
暖地と寒冷地では用いる種類を使い分けましょう。