スペアミント
パイナップルミント
花色:、葉色:
学名:Mentha spp.
別名:ハッカ
科名:シソ科
分類:多年草(半常緑〜常緑)
原産地:北半球の温帯
大きさ:背丈20〜80cm以上、横幅25〜100cm以上(ほふく性)
主な見所:香り(全草)、葉(周年)、花(7〜11月)※品種によって異なります
ハッカの香りで有名なミントですが、たくさんの品種や交雑種があり特徴も様々。香りだけでも、スペア、ペパーなどポピュラーなものから、アップル、クール、ジンジャー、パイナップル、レモンなどがあります。ハーブガーデンに実用目的で導入するのはもちろん、パイナップルミントの斑入り葉やスペアミントの花などを楽しむために植栽されます。
花は白や赤紫・ピンクなどの小花を咲かせます。穂状に咲かせるものと、茎の節部分に咲かせるものがあります。花の大きさは様々です。葉はしわの入った卵形。香りがとても強いです。新芽は鮮緑で美しく、夏以降はやや濃い目の緑色に変わります。
繁殖力旺盛で横に広がりやすいうえ、地下茎を盛んに伸ばします。
園芸書などでは半日陰〜日陰の湿った場所に植えると良いとされることが多いですが、それは日本原産のハッカなど限られた品種にあたり、園芸利用で一般的なスペアやアップル、パイナップルなどの地中海沿岸原産のミントは日当たりと水はけのよい環境を好みます。ただ、水気を好むウォーターミントとの交雑種(ペパーミントなど)があるので確認が必要です。
酸性土を嫌うので、苦土石灰などで酸度を調整します。摘心や収穫を繰り返して、こんもりした姿にすると見栄えがします。他の植物を枯らせてしまうほど旺盛に地下茎が伸びるので、地植えする場合は板などで囲いをつくり広がらないようにします
洋風の庭に向きます。和風の庭にはあまり合いません。
寄せ植えで用いられるのはパイナップルミント程度です。ただ、そのパイナップルミントも寄せ植えでは近年はあまり見かけません。小さいうちはよいのですが、日がたつにつれ間延びした姿になるのも原因かもしれません。
基本的にどのミントもハーブガーデンや単独植栽に向き、花をメインとしたガーデンには用いないほうが無難です。やや乾きやすい場所に囲いをして地植えにすると、成長が抑制され、まとまって育ち美しい状態が保てます。
大船フラワーセンターで見かけた、様々な品種のミントを分けて植えた植栽例。
底を空けたプランターに品種ごとに植えることで、他の品種を駆逐したり、余計なところに伸びるのを防いでいます。
スペアミント、アップルミント、斑入りのパイナップルミントは流通量が多いです。下記以外にも、特徴の欄で書いた通りたくさんの種類のミントがあります。
変わった香りの品種がほしければ、ハーブ園や通販などを利用するとよいでしょう。
○スペアミント(M. spicata)
冒頭写真参照。地中海沿岸原産。ポピュラーな品種で流通量も多いです。しわの目立つ濃緑色の葉で、穂状の白い花が咲きます。香りは爽やかな甘い香り。
丈夫な品種で様々な環境に適応します。その分増えすぎには注意が必要です。
○アップルミント(M. suaveolens)
地中海沿岸原産。りんごのような甘い香りのするミント。葉や茎に毛が生えて全体が白っぽく見えます。性質はスペアミントに似て強健で、繁殖力も強いです。
「パイナップルミント」
冒頭写真参照。アップルミントの斑入り品種で、普通の寄せ植えにもよく使われています。強健な品種の多いミントの仲間の中ではやや性質は弱いものの、比較的丈夫です。
株が小さいうちはまとまって綺麗ですが、二年目以降は草姿が乱れがちになります。
斑が抜けた葉は随時切り取らないと、緑葉に先祖返りしてしまいます。
○ペパーミント(Mentha x piperita)
交雑種。強健な品種でよく増えます。
下記にあるハッカほどではないですが、メントールを多く含み清涼感のある強い香りがあります。
「オレンジミント」(Mentha x piperita cv.)
ペーパーミントに近い交雑品種。
やや個性的な姿です。ミントの中では丈夫で育てやすい。
○ハッカ(Mentha canadensis var. piperascens)
日本原産のミントで、ニホンハッカとも呼ばれます。清涼感のある強い香りがあります。以前はメントールの原料として盛んに栽培されましたが、化学的に合成されたメントールの開発により植栽されることは少なくなりました。ガーデンでの利用も非常にまれです。
湿った場所を好み、乾燥は苦手です。
オススメ度:★★
他の花を駆逐してしまったりと、普通のガーデンではやや扱いづらいです。
ハーブガーデンに植栽する場合でも根域制限などで上手にコントロールしましょう。