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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

クモマグサ

クモマグサクモマグサの花

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クモマグサのデータ

花色:白複色
学名:Saxifraga
別名:洋種クモマグサ
科名:ユキノシタ科
分類:多年草(常緑)
原産地:ヨーロッパ(北部〜中部)
大きさ:背丈5〜20cm、横幅10〜30cm
主な見所:花(3〜4月)※促成栽培で冬から開花株が出回ります

クモマグサの特徴

クモマグサの名で店頭で販売されているのはヨーロッパの寒冷地原産のもので、日本の高山に自生する和名のクモマグサとは別物です。そのため洋種クモマグサとも呼ばれます。
マット状に株が広がり、そこから花茎をのばして整った形の花を咲かせます。花色はピンクと白の複色、白が出回ります。葉には特徴的な3列の切れ込みが入り、毛が生えています。株はゆっくり横に広がってこんもりします。
北欧原産ということで寒さには強いものの、暑さにはとても弱く、暖地の屋外での夏越しは非常に難しいです。

  • 難易度: 夏越しを考えなければ丈夫な花です。
  • 日照量: 日向を好みますが、夏越しする場合は半日陰に移動します。
  • 水分量: 適湿を好みます。
  • 耐寒性: 耐寒性は強いです。

クモマグサの育て方

冬〜早春に開花株を手に入れたら、そのまま日当たりのよい場所に置きます。暖地の軒下の陽だまりなら冬も開花が続きます。寄せ植えする場合は根鉢を崩さないよう慎重に植え替えます。
水はけのよい土に植え、冬〜春は表土が乾き始めたら水やりしましょう。夏越しする場合は枯葉や弱い茎を切って通風を良くし、雨の当たらない風通しのよい半日陰に移動して乾燥気味に管理します。それでも暖地では枯らしてしまう場合が多く、一年草扱いが無難といえます。

  • 管理:花がらは摘み取ります。
  • 肥料:液肥を控えめに与えます。
  • 病害虫:ほとんど発生しません。

クモマグサのアレンジ

洋風の庭に合いますが、ウメのような印象の花で和風の庭でも合わせられるでしょう。
小鉢に植えるのが普通です。かわいい花を近くで観賞できます。寄せ植えの前景にも使えますが、小さい鉢のものが良いでしょう。大きい寄せ植えでは持ち味を発揮することが難しいです。
ロックガーデンに地植えするのも雰囲気が出ます。


このよう小鉢で販売されることが多いです。
無理に植え替えせず、このまま育てるか、飾り鉢に入れるのが一番簡単でしょう。

地植えした株
春までと割り切るなら、水はけのよい場所に地植えも可能です。
花も株も小さめなので、なるべく目線に近い位置に植えてあげましょう。

クモマグサの主な品種

店頭に普通に出回るのは洋種クモマグサで、ロサセア(S. rosacea)の改良・交配品種と思われます。

洋種クモマグサの白花種洋種クモマグサの白花種
洋種クモマグサの白花種。

ゴールドバレー
ゴールドバレー
洋種クモマグサの黄緑色の葉色の品種。花色は白。花は咲きにくいです。


クモマグサS. merkii var. idsuroei
北アルプスと御嶽山という限られた場所に自生する珍しい高山植物。本種は北海道などに自生するチシマクモマグサ(S. merkii)の変種。園芸ではほとんど関わりのない植物といってよいでしょう。
漢字では「雲間草」で雲が流れるような高山で生えることにちなんでいます。

その他の写真

クモマグサの花の形(5弁)クモマグサの花の形(6弁)
環境や、改良交配の結果なのかもしれませんが、同じ株でも花色に違いがあったり、花弁が5枚から6〜7枚のものがあったりと変化が多く面白いです。

夏越し中に枯れたクモマグサ
夏越ししようとしましたが、あえなく枯れてしまった様子。
私は今まで、屋外での夏越しは成功したことがありません。

クモマグサの個人的な印象

オススメ度:★★★★
冬〜春までと割り切ればとても優秀な花。暖地なら真冬でも開花が続きます。
一方で、暖地の夏越しは非常に難しく、一年草扱いにするのが無難だと思います。

コメント

  • 購入する際はつぼみの多いものを選びましょう。
  • 夏越しする場合、水やりの際には土だけに与え、葉に水をかけないようにしましょう。冬〜春は多少葉に水がかかっても、それほど問題ありません。ただ、できれば雨の当たらない場所に置いてあげると一つひとつの花が長持ちします。
  • 幸か不幸か、冬に大量に安価で小鉢やポット苗が出回るため、頑張って夏越しする意義は薄れてしまいました。
  • 洋種クモマグサと呼ぶのが正しいのでしょうが、日本原産のクモマグサが普通の花店で出回ることはまずないので栽培上の問題は少ないです。店頭でも混乱はありません。

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