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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

クリスマスローズ

クリスマスローズクリスマスローズの花
クリスマスローズの八重咲花クリスマスローズの八重咲花
無茎系の交配種

ニゲル系ニゲル系の花
ニゲル系

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クリスマスローズのデータ

花色:赤紫紫薄黄白緑複色
学名:Helleborus
科名:キンポウゲ科
分類:多年草(常緑)
原産地:東ヨーロッパ、西アジア
大きさ:
■無茎系の交配種:背丈20〜30cm、横幅25〜40cm
■ニゲル系:背丈15〜25cm、横幅15〜30cm
主な見所:
■無茎系の交配種:花(2〜4月)
■ニゲル系:花(1〜3月)

クリスマスローズの特徴

クリスマスローズと呼ばれるものはいくつかありますが、一般的に販売されているのは早春から春咲きで花色豊富な無茎系の交配種です。冬から早春咲きで比較的小型のニゲル系もよく見かけます。ほかにも原種系や原種とニゲルとの交雑種が出回りますがそれほどポピュラーではありません。
うつむき加減の花を冬のまだ寒いころから咲かせます。よく目立つ部分は苞なので花期が長いのも特徴のひとつです。寒い中でも常緑を保つ濃緑の葉は手のひらを広げたように裂けており、株元から四方に広げます。葉の高さと同じくらい花茎を伸ばしますが、原種系の中には草丈が50cm以上の高さになる種もあります。
清楚な印象と丈夫さから、シェードガーデン定番の花になりました。

  • 難易度: とても易しいです。
  • 日照量: 半日陰を好みます。日当たりのよい場所でも育ちますが夏は遮光します。
  • 水分量: 乾燥を嫌います。
  • 耐寒性: 寒い時期に花が咲きますが、南関東以西の温暖地では保護の必要はありません。

クリスマスローズの育て方

とても丈夫な花で初心者でも育てやすいです。
半日陰を好みますが、日向からやや暗い場所まで適応します。ただ、あまりに暗い場所だとだらしくなく葉柄が伸びてしまいます。また、真夏の強光も苦手なので、なるべく遮光したいです。
肥沃で水はけのよい適湿からやや湿潤の土を好み、乾燥は苦手です。
葉が大きく、横に広がりやすいので株間は考慮します。

  • 管理:花が上がってくる1月頃に古くなった葉を整理します。花後にも傷んだ古い葉があれば切り取っておきましょう。苞は長く持ちますが、緑色に変化しだしたら株元から切り取ります。
    夏に、鉢植えは明るい日陰に移動します。
    株が込みだしたら3月頃に株分けします。株分けの際に、まだ残っている花芽は切ってしまいます。
  • 肥料:秋と春に緩効性肥料を控えめに与えます。
  • 病害虫:葉が黒くなる病気が発生することがあります。他の葉に移るので早めに切り取ります。

クリスマスローズのアレンジ

洋風や自然風の庭によく植えられますが、和風の庭にも合います。
鉢植えも可能ですが、地植えの方が適しています。落葉樹の下など半日陰の場所に合い、日当たりのよい場所には似合いません。野趣のある草姿同様に自然な印象でまとめるとうまくいきます。常緑を保つので、冬に寂しくなりがちな場所にも向きます。
鉢植えの場合、草姿はきれいにまとまりますが花つきがやや悪くなるのが難点。寄せ植えに使えなくもないですが、草姿が横に広がりやすいので使いづらいです。

和風庭園の石組の根じめに用いた植栽例
和風庭園の石組の根じめに用いた植栽例。
落ち着いた花色を使えば和風の庭にも合わせられます。

クリスマスローズの主な品種

無茎系の交配種をよく見かけますが、早咲きのニゲル、またニゲルの交配種も出回っています。
原種系は玄人向きで、店頭に出回る量もそれほど多くありません。

交配種(ハイブリッドあるいはヒブリドゥス)(H. × hybrids
冒頭写真参照。オリエンタリスなど様々な品種を掛け合わせた無茎系の交配種。早春〜春咲きで花色豊富。ニゲル系に比べ株が大きくなります。花つきが良いです。暑さに強く生育旺盛で育てやすい。

シックな色の品種豪華な八重咲き種
シックな色の品種や豪華な八重咲き種など、様々な品種が出回ります。

斑入り品種
斑入り品種。たまに見かけます。


ニゲル(クリスマスローズ)(H. niger
冒頭写真参照。冬から早春に白色の花を咲かせます。葉が小さく鉢植えにもよく合います。
無茎系の交配種と同様、強健で暑さに強く育てやすいです。


原種系
やや背が高くなるものが多く、苞の色も変わっていて個性的な雰囲気があります。一時期は流行りましたが、好みの生育環境が無茎系の交配種やニゲル系と異なることや、花色が少ないこともあってそれほど見かけなくなりました。

フェチダス
フェチダスH. foetifus
原種系。原種系の中ではポピュラーな種。緑色の苞と、葉幅がやや狭いのが特徴。
無茎系の交配種などと異なり、日当たりのよい、やや乾燥した場所を好みます。


アーグチフォリウス
アーグチフォリウスH. argutifolius
原種系。薄緑色の苞と、3裂に分かれる葉が特徴。大株になります。
無茎系の交配種などと異なり、日当たりのよい、やや乾燥した場所を好みます。

その他の写真

葉が斑点状に黒くなる病気
葉が斑点状に黒くなる病気が発生することがあります。早めに病気の葉を切り取って周囲に広がるのを防ぎましょう。

クリスマスローズの個人的な印象

オススメ度:★★★★★
株から受ける印象よりかなり丈夫な花。多少のことでは枯れません。半日陰の庭でも花つきが良く重宝します。
うつむいて咲く花が魅力ですが、一方でそれがやや地味めに映るかもしれません。

コメント

  • 花が上がる前に傷んだ古い葉を整理するのがポイント。咲いたときに美しいだけでなく、花後の新しい葉も出やすくなります。
    古い葉で茂っている古い葉を整理したところ
    ニゲルの古い葉を整理したところ 。株元から新しい葉がたくさん出ています。
  • 冬も日当たりのよい場所なら、年が開ける前から咲き始めることもあります。
  • 近年の夏の酷暑により、夏に日当たりの良い場所で育てると、葉が黄変することが増えてきています。落葉樹の下など冬に日が当たり、初夏以降は半日陰〜明るい日陰の場所で育てると、夏の間も葉が美しいままで保てます。
  • 名前は「クリスマス」ローズですが、ニゲル系も含めクリスマスの時期に綺麗に咲いている姿を見る機会は多くありません。明るい日陰でも育つというのが大きな利点なので、日当たりの悪い場所に植えた場合はどうしても開花が遅くなりがちに。
    「スプリング」ローズ…といった印象です。
  • 以前から無茎系の交配種は、交配親のひとつの名を取ってオリエンタリス系と呼ばれていました。ですが、多種多様な交配がなされていることから、ガーデン・ハイブリッドあるいはヘレボルス・ヒブリドゥスと呼ばれることも多くなりました。
    とはいえ、一般的には他種も含めてクリスマスローズとひとくくりされることの方が多いです。

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