パニキュラータ系の品種
ドラモンディー
花色:
学名:Phlox
別名:オイランソウ、クサキョウチクトウ
科名:ハナシノブ科
分類:秋まき一年草・多年草(冬落葉)
原産地:北アメリカ
大きさ:背丈20〜150cm、横幅20〜80cm
主な見所:花(4〜9月)※一年草種(4〜7月)、多年草種(6〜9月)
フロックスの名で出回るものは多種にわたりますが、一般的にいえば高性種で多年草のパニキュラータを指すことが多いようです。他に、パニキュラータと性質がよく似た高性種で多年草のマクラータ、コンパクトにまとまる一年草のドラモンディーが出回ります。
どの種も花茎に房〜段状に小花を咲かせボリュームがあります。花期は比較的長めですが、種類によって最盛期が異なります。強健な花ですが、ドラモンティーは高温多湿にやや弱く梅雨以降は勢いが落ちます。高性種は切花にすると日持ちがよいですが、独特な甘い香りがする品種があります。
初夏咲きでほふく性のあるツルハナシノブ(末尾参照)もフロックスの名で出回ります。
いずれも日当たりのよい場所に植えます。ジメジメする場所は好みません。パニュキュラータやマクラータは土質にはあまりこだわりませんが、多発するうどんこ病予防のために風通しをよくしておきます。ドラモンティーは少し乾燥するような場所に植え、湿り気味なら土壌改良します。
鉢植えの水やりは土が乾き始めてからにしましょう。地植えは放任で構いません。開花期が長いので肥料を切らさないようにします。うどんこ病に耐性のある一部の改良品種は比較的育てやすいです。
パニキュラータ&マクラータ系はボーダーガーデンによく合います。背が高くなるので、中間〜後方に植えます。花色によりますが、洋風やナチュラルガーデンに合います。和風ガーデンの場合は白花種や薄いピンク花、薄い紫花の品種を選ぶとよいでしょう。
ドラモンディー系は背丈が低いので使い方は前景に用います。高性種よりもまとまった草姿なので寄せ植えに使うこともできます。洋風の庭に合います。
高性種をボーダーガーデンの中景に植えた例。
背丈が高く花が頂部で咲くため、花壇の中で埋没せずによく目立ちます。
ドラモンディー系を、花壇の前景に花色違いで混植した植栽例。
パニキュラータ(P. paniculata)とマクラータ(P.maculata)の改良品種や交配品種が宿根草として周年店頭に並びます。
一年草のドラモンディー(P. drummondii)は主に春に出回ります。
○パニキュラータ系:マクラータとほぼ同様の性質。40cmくらいの矮性種もあります。
「フジヤマ」:白花の高性種です。
「ブルーパラダイス」:青紫の高性種です。
「ダニエラ」:白花の中型種です。
「ベビーフェイス」
矮性品種。ピンクの小花が咲きます。
「ペパーミントツイスト」
矮性品種。花は白と濃いピンクの絞咲き。比較的うどんこ病にも強いです。花つきがよくコンパクトに育ちます。
○マクラータ系:高性種が多いです。花は手まり状になります。
「ナターシャ」:マクラータ系の代表的な品種。ピンク地に白のストライプ咲き種で、よく見かけます 。
○ドラモンディー系:一年草でコンパクトにまとまります。
「スターフロックス」
ドラモンディー系の有名品種。花弁の縁が裂ける星咲きになります。
「ポップスターズ」
星咲き品種。様々な花色がそろいます。
変わった花色の一例
うどんこ病にかかった株。耐性のない品種の場合、完全に防ぐのは困難です。
オススメ度:★★★★
丈夫ですが、高温多湿期は株がだらしなくなってしまうのが難点。一年草は高温多湿による立ち枯れ、多年草種はうどんこ病が厄介です。
ただ、多年草種は花つきの良さや花期の長さなど優秀な面も多く、ボタニカルガーデンにはなくてはならない存在です。うどんこ病も耐性のある品種を選べばそれほど気になりません。