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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

アマリリス(ヒッペアストラム)

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アマリリス(ヒッペアストラム)のデータ

花色:黄色白複色
学名:Hippeastrum × hybridum
別名:ヒッペアストラム、ヒッペアストルム
科名:ヒガンバナ科
分類:春植え球根
原産地:中央〜南アメリカ(園芸品種)
大きさ:背丈50〜100cm、横幅30〜50cm
主な見所:花(4〜6月)

アマリリス(ヒッペアストラム)の特徴

※アマリリスという名称は、かつてアマリリス属に分類されていたことからきています。現在はヒッペアストラム属に変更されていますが、ヒッペアストラムという名前が言いづらいことと、アマリリスという名前が定着しているため、現在でもアマリリスという名で販売されることがほとんどです。
大きめの美しい花を咲かせる春植え球根。原種はほとんど出回らず、交配された園芸品種が多数出回っています。花は整った形の一重で横向きに咲きます。品種により上向きに咲く種や、八重咲き種などもあります。花の大きさもバリエーションがあります。葉は細長く、左右に広がるように伸びます。
球根で販売されることが多いですが、ポット苗でも出回ります。

  • 難易度: ポイントを押さえれば難しくありません。
  • 日照量: 日当たりの良い場所を好みますが、真夏は半日陰に移動したほうがよいでしょう。
  • 水分量: ジメジメした環境が苦手なので、土の表面が乾いたら水を与えます。
  • 耐寒性: 一般種のほとんどは南関東以西の暖地ならマルチング程度で屋外で冬を越すことができますが、品種により耐寒性にはやや幅があるようです。

アマリリス(ヒッペアストラム)の育て方

植えつけは3下旬〜4月ごろが適期。植えつけ深さは、鉢植えの場合は球根の高さの3分の2から4分の3程度土に埋め、上部の芽は出します。地植えする場合は球根上部から地表まで0〜5cm程度の深さに植えます。霜が降りることがある地方では5cm程度の深さに植えた方が良いです。
日当たりのよい場所を好みますが、花が咲くまでは明るい日陰でも構いません。やや乾燥した環境を好むので水はけのよい土に植えます。花後に出る葉を大切にして十分肥培させれば、来年も花が楽しめます。
葉が枯れた後の冬越しですが、鉢植えの場合は、霜や雪の影響を受けない軒下に移動します。確実に冬を越したいなら鉢に植えたまま無加温の室内で保管します(水は不要)。寒冷地では室内に取り込んだ方が無難でしょう。
地植えの場合は、南関東以西の暖地なら寒さに強い品種はマルチングすればそのままでも冬を越し、寒さに弱い品種はマルチングの上、深植えしてあれば軽い霜程度は耐えます。土が凍るような寒冷地では掘り上げた方が無難でしょう。

  • 管理:花がらは摘み取ります。鉢植えの場合、植え替えや分球は2〜3年に一度、地植えの場合は混み合ったら植え替える程度とします。あまり植え替えを頻繁にしない方が多くの花が楽しめます。
  • 肥料:緩効性肥料を定植時に与え、花後にカリ分の多い肥料を追肥します。
  • 病害虫:ほとんど発生しません。

アマリリス(ヒッペアストラム)のアレンジ

洋風の庭に合います。和風の庭には合いません。自然風の庭なら中輪以下のやや野性味のある品種を植えるとよいでしょう。
美しい花と、独特な姿や育ち方から単独で鉢植えにするのが一般的。暖地では地植えも可能ですが、花期が短く使いどころは難しいです。

花壇に植栽したガーデンアマリリス
花壇に植栽したガーデンアマリリス。
分球した球根を地植えしたら、冬越しして花を咲かせました。

アマリリス(ヒッペアストラム)の主な品種

輸入物の花色違いの大輪品種がよく出回りますが、他にも中〜小輪咲き、八重咲きなど様々な品種があります。秋咲き種もありますが出回る量は多くありません。珍しい品種の中には花が咲きにくかったり、育てにくかったりするものもあるので、まずは一般的な品種から育ててみるとよいでしょう。
寒さに強い品種郡をガーデンアマリリスというくくりにすることがあります。屋外栽培や地植えを望む場合はこれらの品種から選ぶとよいでしょう。

アイキャッチャー
アイキャッチャー
白地に赤の覆輪咲き。ビビットな花色でよく目立ちます。性質は丈夫で、寒さに強い。

クリスマスギフト
クリスマスギフト
純白の大輪咲き。豪華な印象の従来品種。育てやすいですが、やや寒さには弱い。

ラスカル
ラスカル
黄白色に赤い筋が入ります。性質は丈夫で、寒さに強い。

ロリポップ
ロリポップ
ピンク地に白のストライプが入ります。性質は丈夫で、寒さに強い。

八重咲き品種上向きに咲く品種
八重咲き品種や、上向きに咲く品種などバリエーションが多彩です。

その他の写真

掘り上げて分球中の球根
掘り上げて分球中の球根。
分球は温暖地の場合、春が適期で、冬の間は鉢に植えたままにします。

花芽が出てきた様子
花芽が出てきた様子。
鉢植えの場合は写真のように、球根上部を土の上に出すくらいの浅植えの方が過湿を抑えらます。

花後に出てきた葉
花後に出てきた葉。目安として4枚以上葉がつけば、来年も花が楽しめるといわれています(もちろん様々な状況に左右されるので一概には言えませんが…)

アマリリス(ヒッペアストラム)の個人的な印象

オススメ度:★★★★
よく目立つ花は魅力的。一鉢あるだけで周囲が華やぎます。花期が短めなのが残念で、独特な草姿と育ち方も好みが分かれそうです。
豪華な従来品種のほかに、やや小輪ながら地植えも可能な耐寒性を持つガーデンアマリリス系が生まれたことで選択肢が増えました。

コメント

  • 耐寒性は思いのほか強く、暖地では寒さに弱いとされる品種でも屋外で冬越ししすることがあります。東京近辺の温暖地でも地植えや、軒下などで冬越しすることが多いです。
    もちろん確実に冬を越したいのであれば、従来から言われている通り室内に取り込んだ方が安全です(東京湾沿岸地域在住の私は軒下に置き、マルチング程度しかしていません)
  • 球根の状態や、品種、植え付け時期によっては植えた一年目は低い背丈で咲くこともあります。
  • 球根は有毒です。
  • ヒッペアストラムという名が流通名であまり使われないのは、言いづらいだけでなく、あまり格好よくないというのもあると思います。
  • ホンアマリリス(本当のアマリリス)は英名のベラドンナ・リリーの名で出回ります。こちらは夏植え球根になり、多少性質が異なります。
  • 無理に流通名と学名を一致させようとするより、植物の特徴に合わせた共通の流通名と学名の併記が一番良いと思います。流通名を世界標準にする必要はないというのが持論です。
  • 生産地で混乱があるのか、あるいは交配の結果なのかわかりませんが、ラベルの花色と明らかに違う花色の花が咲くことがあります。

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