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水辺の植物を使ったミニビオトープの紹介

水辺の植物‐ミニビオトープ

水辺の植物図鑑

ミニビオトープで育てやすい水辺の植物を紹介します。
有名な水性植物でも育てたことがない&扱いにくいものは紹介していません。

種類の説明

  • 浮葉植物
    葉が水面に浮き、根や根茎は水中の土にあるもの。
    スイレン・アサザ・デンジソウなど。
  • 浮遊植物
    基本的には水面に浮いて生育するもの。
    ホテイアオイ・サンショウモなど。
  • 抽水植物
    葉や茎の大部分が地上に出ており、根や根茎は土の中にあるもの。
    アシ・ヨシ・オモダカ・ガマ・シュロガヤツリなど。

ミニビオトープ向きの水辺の植物

アサザアサザ
アサザ

  • ミツガシワ科、浮葉植物、冬落葉。
    特徴:黄色の美しい花を咲かせます。葉はスイレンを小さくしたような、切れ込みのある楕円形です。
  • 育て方:丈夫な植物です。ただ、日当たりのよい場所でないとまず花は咲きません。
    あまり水深が深くなりすぎないように調節します。 葉が茂りやすいので適宜間引くようにしましょう。

オモダカ
オモダカ

  • オモダカ科、抽水植物、冬落葉、草丈:30〜60cm程度。
    特徴:ポピュラーな抽水植物。水田雑草としても知られているとおり丈夫な性質で、白い花もよく咲きます。ランナーで増える種類もありますが、広がりすぎて困ることは少ないです。
    オモダカ(Sagittaria trifolia)はやじり型の葉が特徴ですが、別種のヘラオモダカ(Alisma canaliculatum)のようにやじり型にならないものもあります。
  • 育て方:水深を浅目に植え付けし、日の当たる戸外に置けば容易に育てられます。タネをつけやすいので花が咲き終わった花茎は切り取ります。
    冬は葉を落としますが、寒さには強く寒冷地でも冬越しします。

アマゾンフロッグピット
アマゾンフロッグピット

  • トチカガミ科、浮遊植物、常緑。
    特徴:水田によくあるウキクサを大きくしたような姿をしています。ホテイアオイほど目立ちませんが、葉の裏がスポンジ状の浮き袋になっています。
    丈夫で増殖スピードはかなり速いです。
  • 育て方:浮かべるだけで生育可能です。メインにするような植物ではなく、他の水生植物の添え物のような形で導入するのがよいと思います。増殖スピードが速いので適切間引くようにします。寒さに弱く戸外での冬越しはできません。

ウォーターポピー
ウォーターポピー(ミズヒナゲシ)

  • キバナオモダカ科、抽水植物、常緑、草丈:10〜20cm程度。
    特徴:その名の通り、黄色いポピーのような大きめの花を咲かせます。花期は夏以降と遅めですが秋遅くまで咲き続けます。花つきも良好です。
  • 育て方:日の当たる戸外なら比較的簡単に育てられます。
    南関東以西の暖地なら冬越しできますが、寒い場所に置くと葉が傷むことが多いです。

カキツバタ
カキツバタ

  • アヤメ科、抽水植物、冬落葉、草丈:40〜60cm程度。
    特徴:ハナショウブに似ていますが、開花時期が5月ごろと1ヶ月程度早いです。花色が少なく青と白が一般的。ハナショウブに比べると控えめな印象で、自然風のビオトープではむしろ好ましいです。抽水栽培を好むので、その点もビオトープにピッタリ。
  • 育て方:日当たりを好み、半日陰では花が咲きにくく葉ばかりが伸びます。
    他の水生植物に比べ肥料食いがよいです。ハナショウブに比べ丈夫で、連作に強く花もよく咲く傾向にあります。
    詳しい育て方はこちらもどうぞ。

ホテイアオイ ホテイアオイ
ホテイアオイ

  • ミズアオイ科、浮遊植物、常緑。
    特徴:丈夫な植物です。葉の茎部分がスポンジ状の浮き袋になっています。浮かべるだけで生育可能です。青紫の美しい花は夏から秋まで断続的に咲かせます。一日花なので、花の見ごろは短く1〜2日でしおれてしまいます。
  • 育て方:日当たりを好みます。下に伸びる根が土に根付くと花が咲きやすくなりますが、日当たりをよくして水の栄養分も高めてやると土に根を張らなくても花を咲かせることができます。日当たりや水質など条件がよいと驚くほどのスピードで増えます。
    寒さに弱く冬は枯れてしまいます。
    アブラムシが付くので時々洗面台などで水の勢いを利用して洗い流してください。

サルビニア
サルビニア(オオサンショウモ)

  • サンショウモ科、浮遊植物、常緑。
    特徴:葉の表面には細かいトゲがびっしりついています。
    シダ植物なので花は咲かせませんが、半日陰でも育つよさがあります。
  • 育て方:丈夫で増えやすい。半日陰でも育ちます。屋外では冬越し出来ません。

シペラス類
シペラス類

  • カヤツリグサ科、抽水植物、常緑。
    特徴:観葉植物として出回りますが、本来は湿地性なのでミニビオトープにも使えます。涼しげな姿は夏の水鉢にピッタリです 。広がりすぎて困ることもありません。
  • 育て方:浅めに植えつければ問題なく育ちます。屋内で長期間育てた株を急に日当たりに置くと葉焼けするので日陰から徐々に慣らしていきましょう。戸外での冬越しは確実ではないので、室内の日当たりのよい場所に移動するか、枯れたら抜いてしまいましょう。
    詳しい育て方はこちらのリンクもどうぞ。

シラサギカヤツリ
シラサギカヤツリ

  • カヤツリグサ科、抽水植物、冬落葉、草丈:25〜50cm程度。
    特徴:白く染まった涼しげなガクが夏にぴったりです。花は夏だけでなく長期間咲きます。抽水状態にしなくても育てられます。私のおすすめの花のひとつです。
  • 育て方:とても丈夫です。日当たりを好みますが半日程度の日当たりでも花をつけます。
    詳しい育て方はこちらのリンクもどうぞ。

スイレン
スイレン

  • スイレン科、浮葉植物。
    特徴:初夏から秋にかけて断続的に美しい花を咲かせてくれます。
    花色は白・黄・ピンク・赤を中心に復色ぽいものもあります。
  • 育て方:必ず日当たりのよい場所に置きます。田土などの重めの土壌に芽が出るくらい浅めに植えつけます。水深は10〜20cm程度に留めます。深すぎる場合は、裏返した鉢やレンガなどを利用してスイレンが植わっている鉢をかさ上げします。
    春から秋に適切化成肥料を与えます。よく花を咲かせたい場合は、1年ごとに細い根を切って用土をすべて新しくして植え替えましょう。
    実際に育てると、小さな水鉢では葉が大きすぎて花も咲きづらいのが難点。都会の家庭ではヒメスイレンと呼ばれる下記のものが花つきもよく育てやすいでしょう。
    詳しい育て方はこちらのリンクもどうぞ。

ヒメスイレン
ヒメスイレン

  • スイレン科、浮葉植物、冬落葉。
    特徴:スイレンに比べ小型で葉はかなり小さく、小さめの水鉢でも育成可能です。花も小型ですが、その分咲かせやすいです。花色は白・黄・ピンクなど。
  • 育て方:育て方はスレインに準じます。水深はやや浅めの5〜10cm程度で十分です。
    詳しい育て方はこちらのリンクもどうぞ。


熱帯スイレン

  • スイレン科、浮葉植物、冬落葉。
    特徴:熱帯〜亜熱帯原産のスイレンです。寒さに弱いので越冬は限られた品種&暖地でなければ難しいですが、鉢等に植えて冬季だけ暖かい場所に移せばビオトープでも楽しめます。
    スイレンは水際で咲きますが、熱帯スイレンは茎を水面から立ち上げて咲かせます。花色が豊富で、花つきがよいものが多いです。
    葉が緑均一でなく赤や紫の斑が入るものが多く、スイレンとは雰囲気は異なります。自然な雰囲気を求めるなら地味な品種を選びましょう。
  • 育て方:育て方はスレインに準じます。水深は10〜15cm程度とします。
    一般種は冬越し以外はスイレンと同等かそれ以上に育成は楽で、花もよく楽しめます。寒くなって葉が枯れ始めたら暖かい場所に移します。越冬中も水は必要です。
    詳しい育て方はこちらもどうぞ。

ポンテデリア・コルダータポンテデリア・コルダータ
ポンテデリア・コルダータ

  • ミズアオイ科、抽水植物、冬落葉。
    特徴:矢じり状の葉が水生植物らしくてよいです。初夏〜秋にかけて咲く花も綺麗で、白・青などの花色があります。比較的大型になるので小さい睡蓮鉢には似合わないですが、ある程度コントロールすることもできます。
  • 育て方:日当たりを好み、半日陰だと花は期待できません。
    熱帯の植物のような印象ですが、北米原産なので戸外での冬越しも可能です。
    アブラムシが付くことがあるので注意してください。

ヌマイ
ヌマイ

  • カヤツリグサ科、抽水植物、冬落葉、草丈:30〜50cm程度。
    特徴:棒状の細葉を出し、4〜6月頃に房のような花を咲かせたあと、つくしのような実をつけます。少し小型なので小さな睡蓮鉢でも様になります。横に広がりやすいので注意します。
  • 育て方:とても丈夫な植物です。日当たりを好みますが、半日程度の日当たりで十分です。
    寒さには強いです。冬は葉が枯れますが水は切らさないようにします。

ハナショウブ
ハナショウブ

  • アヤメ科、抽水植物、冬落葉、草丈:40〜60cm程度。
    特徴:長くて幅の狭い葉を出し、6月頃に大きな紫や白の花を咲かせます。
    湿気を好む植物ですが、カキツバタとは異なり長期間の抽水状態は苦手です。
  • 育て方:日当たりを好み、半日陰では葉ばかりが伸びます。
    他の水生植物に比べ肥料食いがよいので、きちんと肥培させないと花が咲きません。
    鉢植えの場合、毎年咲かせたければ土をすべて新しくして植え替えをしたほうがよいです。
    花の咲く時期だけ水を抽水状態にして、その他の季節は土が常に湿っている程度にするのが生育上好ましく、ずっと抽水状態にしていると株が腐ることもあります。
    詳しい育て方はこちらのリンクもどうぞ。

ハンゲショウ
ハンゲショウ

  • ドクダミ科、抽水植物、冬落葉、草丈:50〜120cm程度。
    特徴:6〜7月ごろ葉に白い模様が出ることが特徴です。また、その頃に白い花を咲かせます。やや大きくなるうえ、ランナーで増えるので小さな鉢には向きません。
    ドクダミ科に属し少し臭気がありますが、観賞上はあまり気になりません。
  • 育て方:とても丈夫で、抽水栽培でも畑地でも育ちます。
    半日陰でも育ちますが、よく日に当てたほうが白い部分がくっきり出ます。
    詳しい育て方はこちらのリンクもどうぞ。

ヒシ
ヒシ

  • ヒシ科、浮葉植物、一年草。
    特徴:浮き草ですが、基本的には根を張って育成します。
    一年草で冬には枯れますが、運がよければタネで増えます。
  • 育て方:日当たりのよい場所で育てます。
    汚れた水でも生育します。水が栄養素が少ないと生育が悪くなります。

ミソハギ
ミソハギ

  • ミソハギ科、抽水植物、冬落葉、草丈:80〜150cm程度。
    特徴:やや大きな株になりますが扱いにくいほどではありません。抽水栽培では茎が赤くなり葉の緑との対比が美しい。晩夏に咲く赤紫の花もきれいです。
  • 育て方:丈夫で日当たりを好みます。
    詳しい育て方はこちらのリンクもどうぞ。

ロタラ・インディカ
ロタラ・インディカ

  • ミソハギ科、抽水植物、半常緑。
    特徴:普通は水槽用の水草に用いられますが、性質が丈夫で花も咲くのでビオに使うのも楽しいです。花は初夏から咲き始め、茎は真っ赤に染まります。
  • 育て方:育てるのがとても楽な植物です。日当たりなら花もよく咲きます。
    冬は陸上の葉が枯れますが、水中の葉は残って越冬します。

ビオトープでは有名ですが、ミニビオトープには向いてない水生植物。

  • ガマ、ヒメガマ:大きくなりやすく、根がよく張るのでいざというとき抜けにくい。またランナーで増えるので植栽位置をコントロールしにくいです。
  • ハス:とても大きくなるので単独での水鉢植えになってしまいます。チャワンハスならなんとか大丈夫ですが、それでも広い水鉢か池で育てたいです。
  • ボタンウキクサ:特定外来生物に指定されたため、一般の栽培は禁止されています。
  • ミズカンナ:とても大きくなるので、一般的な家庭の池では辛いところがあります。
  • ツルヨシ:ランナーで広がりやすく、根も丈夫で抜きにくいです。

自然への逸出に注意!

これら観賞用の水生植物は繁殖力が強く、帰化・野生化が問題になることがあります。育てられなくなった、あるいは増えすぎたからといって自然に放つようなことはしないようにします。必ず自らの責任で破棄するようにしてください。