本文へスキップ

水辺の植物を使ったミニビオトープの紹介

水辺の植物‐ミニビオトープ

水辺の植物の育て方と維持の基本

大変な作業は植え替えのときのみで、手間がかからないのも魅力です。
コケなどはあまり神経質にならない方が良いでしょう。

管理全般(春から秋)

植え替え

2〜4年に一度程度、春に植え替えをしてます。ただし小さい鉢に植えているアヤメ類やスイレンの場合は毎年植え替えたほうが良いでしょう。植え替え方法は普通の草花に準じます。
一番下に植え替え例を紹介しています。

大掃除

植物たちの芽が出て少しした4月中旬ごろに、ほとんどの水を抜いて大掃除をします。
緩効性肥料を与えたり、植物の植え替えをする場合はいっしょに行うとよいでしょう。植え替えしない場合は土はいじらなくて構いませんが、表面についたコケを取り除きましょう。
魚がいる場合は、すべての水を捨てずに4分の1くらいは残してふたたび新しい水と混ぜて入れてください。水質の急変を防ぐために古い水が必要です。
小さな水鉢などは大掃除の必要がない場合もあります。

水換え

2週間に一度程度、半分〜3分の一くらい新鮮な水に換えます。梅雨明け後の真夏の期間は1週間に一度は換えたいです。新たに加える水は、植物だけの場合は水道水そのままでもよく、生き物がいる場合は塩素を中和した水を与えます。水の中和剤は観賞魚店やホームセンターで購入できます。
古い水の吸出しには石油ポンプ(電気式だとゴミが詰まって動かなくなることがあるので手動のもの。もちろん未使用)を使うと楽です。ただし、メダカなどの小さな生き物を飼っているときはゴミと一緒に吸い出してしまわないように注意が必要です。吸水する部分にメッシュを張ると魚の吸い込みを防げます。
新しい水を足すときはハス口をつけたジョウロを使うと静かに注げます。

コケ取り

強烈な太陽光線と、淀んだ少ない水量という環境ではコケの発生は避けられません。ぬるぬるとした見た目で神経質になる気持ちも分かるのですが根絶することは難しいです。そこで、発生を少なくするためのポイントを抑えておきましょう(重要度高◎〜△重要度低)
◎水をなるべく汚さない(エサをやりすぎない。肥料を与えすぎない)
◎水換えを定期的に行う。
○コケのついた植物を持ち込まない。
○定期的にワリバシやピンセットで取り除く。
△アナカリス、ホテイアオイなど成長の早い水草を導入して水の栄養分を少なくする。
△タニシやヤマトヌマエビなどコケを食べる生き物を導入する。
といった方法を行い、あとは仕方ないと割り切る方が健康的でしょう。
ただし、メダカなどの魚がいる場合は、放置しておくと絡まって死んでしまうこともあるので定期的に取り除きましょう。

コケやアオミドロは避けられないものと割り切りましょう。

病害虫の駆除

植物の害虫に対しては、水のこともあるのでむやみな農薬の使用は控えた方が無難です。特にエビを飼っている場合は厳禁。ただし水上で発生することがほとんどなので農薬を使わないで駆除する方法を実践しましょう。
浮遊植物は取り出して水で洗い流してください。取り出せないものはジョウロやホースの水の勢いなどで洗い流してしまいます。この時、害虫が水鉢の外に落ちるように工夫してください(葉の位置を手で調節する、洗った後に表面の水を害虫といっしょにすくい出すなど)
水辺があるとボウフラ(蚊の幼虫)が沸くのでは?と心配してしまう人がいると思いますが、金魚やメダカを数匹入れておけばまず問題ありません。

メダカはボウフラを食べてくれます。

冬の管理

冬の様子冬の様子
水を切らさないようにするだけで基本的には放任します。
上の写真のように葉が枯れてしまっているものは味気ないので、動かせるものは目に付かないところに置いておいてもよいです。一部を除いて、ほとんどの水生植物は冬に葉を落としてしまいます。なので、冬に葉が枯れたら翌春まで日陰でも管理できます。
魚が入っている場合は、日当たりの良いところに置いたままの方が春になるまでの生存率が高くなるようです。エサはまったくあげる必要はなく、そっとしておきましょう。

植えすぎないようにしましょう

あまり大きくない水鉢の場合は植えつける水生植物の種類を絞り2〜3種類にまとめた方がよいです。
なお、魚を飼育している場合は夏だけ浮草(ホテイアオイなど)を入れるのも良いでしょう。浮草が陰になって魚が休まりますし、アオミドロなどの藻類発生を少なくする効果もあります。ただ、浮遊植物の多くはすごいスピードで増えてしまうので時々間引きましょう。

直径30〜40センチの水鉢なら2〜3種類が限度です。

植え替えの一例

植え替えはまだ芽が出ていない春が作業しやすい

冬を越した水鉢
植え替え時期は3月上〜中旬頃(東京基準)がよいでしょう。水生植物の多くは冬に葉がすべて枯れてしまい水と土だけの状態で、新芽が動き始めたばかりなので作業しやすいです。ただし、小さめの植物を植えている場合は、芽がどこにあるかはっきりしてからの方がいいかもしれません。植え替えは5月上旬ごろまで可能です。

すべて植物と土を抜きます


ちょっと大変ですが水を抜いてすべての植物と土を抜きます。植物ごとに分け、乾かさないようにしておきます。
冬越しした生き物がいる場合は、バケツにスイレン鉢の水とともに移します。このときの水は新たにセットしたときに入れることになるので多めに取っておきます。最低限の水鉢の4〜5分の一ぐらい欲しいです。水質の急変によって生き物が影響を受けるのを防ぐために元の水が必要なので、植物のみの場合は元の水はいりません。

抜いた植物をきれいにします


スイレンは古い根を切りとります。白く綺麗な根は残しておきます。
その他の水生植物は古い土をある程度落とします。陸生植物を植え替える場合と同様に大体で構いません。

水鉢に新しい土を入れ植物を植えます


土はなるべく元の土質に近いものを選択します。スイレンやハスなどはやや重めの用土が好みなので留意しましょう。今回は水鉢に直接土を入れているのでスイレンとその他の植物を分けるための仕切りをしています。鉢で別々に植えて沈める場合はこの手間は必要ありません。
花を楽しむもの(スイレン・ハス・ハナショウブなど)には肥料を入れます。コケの発生を抑えるために水生植物専用の肥料やマグァンプK(ハイポネックス)など水に溶けにくいものがいいでしょう。主に葉を楽しむものには無理に肥料を入れる必要はありません。
今回は手前のスイレン側には水生植物専用の肥料を規定量入れておきます。好みの応じて珪酸塩白土などの根ぐされ防止剤を入れるのもいいでしょう。

前後して植物を植えます


もともと植えてあった高さ程度を目安にして深植えしないようにしましょう。特にスイレンは芽が少し上に出るぐらいにします。土が根の間に入りにくい場合はわりばしなどを使って突いて押し込んでおきます。植え替えの場合は去年の草姿がわかるのでそれを参考にしながらデザインできます。
今回は手前に背の低いスイレン、奥に線状で背が高くなるヌマイを植えています。

化粧土を敷きます(なくても構いません)


土が舞い散ったりするのを防ぐために砂利や硬質の土を敷きます。
必ず必要というわけではありませんが余裕があれば敷いたほうがいいでしょう。

水を入れます


手や受け皿などで勢いを殺しながら水を入れれば植え替え作業完了です。
仕切りは植物(あとコケも…)が成長したら目立たなくなります。
冬越しした生き物がいる場合は新しい水の塩素を中和してから、元の水と一緒に戻します。
新たにメダカなどの生き物を入れる場合は初夏以降、暖かくなってからにします。