本文へスキップ

ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

ヤマボウシ

ヤマボウシヤマボウシ

戻ります

ヤマボウシのデータ

花色:白
学名:Cornus kousa / Benthamidia japonica
科名:ミズキ科
分類:落葉高木
原産地:日本、東アジア
大きさ:背丈2.0〜4.0m(10〜15m)、横幅1.5〜3.0m、葉5〜10cm前後(対生)
主な見所:新緑(春〜初夏)、花(5〜7月)、実(秋)、紅葉(晩秋)、樹形(周年)

ヤマボウシの特徴

初夏に咲く白花(総苞片)が美しく、新緑、実、紅葉など四季の魅力があり和の雑木として人気があります。北アメリカ原産のハナミズキに似ていますが、こちらは日本の自生種で楚々とした魅力があります。また、ハナミズキで悩まされやすいうどんこ病の被害がほとんどないこともポイントです。
花は花弁のような苞が美しく、花色は白色のほか紅色の花色もあります。葉はほぼ円形で葉脈がよく目立ちます。株は枝が直立しますが、これを株立ち状に仕立てることで狭い場所でも使いやすくすることが多いです。紅花などの改良品種もあります

  • 難易度: 適地では丈夫に育つ。植えつけ場所の選定が大事
  • 日照量: 日当たりのよい場所から半日陰を好みます
  • 水分量: 乾燥には弱いです
  • 耐寒性: 寒さには強いです
  • 成長速度:やや早い 成長はやや早いですが、対処に困るほどではありません
  • 移植:落葉期 移植はやや容易です

ヤマボウシの育て方

午前中、日に当たるような場所が好みで、西日がきつかったり、一日中日に当たり続ける場所だと夏に葉やけしたり弱ったりします。特に乾燥しやすい場所だと生育が著しく悪くなります。
水はけと水もちのよい、腐食質の多い土を好みます。乾燥が苦手なので、砂質土や粘土質の場合は、念入りに腐葉土や赤玉土をすきこみます。適地に植えられれば、剪定以外は特別な管理もなく育ちます。

  • 管理:適期に剪定する程度で、普段は特にありません。
  • 剪定落葉期
    自然樹形を楽しむので刈込剪定はしません。混み枝を間引くように切り取ります。狭い場所では横に張り出した枝を付け根から切り取ります。高くしたくない場合は伸びてる枝の適当な位置の付け根で切ります。
    芽がない場所で切っても芽は出ず途中の枝が枯れるので、刈り込みはしないように。ひこばえや胴吹き枝は随時切り取ります。
  • 肥料:生育も花つきも良いなら特にいりませんが、生育が悪いようなら寒肥として遅効性肥料を早春に与えます。
  • 病害虫:病気の発生は少ないですが、イラガなどケムシ類の発生はみられます。

ヤマボウシのアレンジ

和風や自然風の庭の寄せ植えやシンボルツリーに向いています。シンボルツリーの場合、日当たりの良すぎる場所だと生育に影響が出やすいのと、雰囲気が出にくいので注意。特別なクセもないので洋風の庭にも合わせられます。ハナミズキほどではないですが、枝が横に広がりやすい樹形なので植栽間隔には余裕を持ちたいところです。狭い場所では剪定の腕が問われます。

ヤマボウシの主な品種

紅花の品種や斑入り品種が出回ります。

ベニバナヤマボウシベニバナヤマボウシ
ベニバナヤマボウシ
野生種から選抜された種。淡い赤の花を咲かせます。他に改良品種として「紅富士」や「ミス・サトミ」などが有名です。

紅富士
紅富士
やや濃い目の淡赤花を咲かせます。

ウルフアイ
白覆輪の斑入り葉が美しい品種。早生種で若木から花をつけます。

その他の写真

斑入り品種
斑入り品種。

樹皮のアップ
樹皮のアップ。暗灰色〜暗紅色。所々うろこ状にはがれるのが特徴。

紅葉
紅葉。条件によりますが綺麗な赤色になります。

ヤマボウシの個人的な印象

オススメ度:★★★★★
四季に魅力のある花木。個人的にもオススメの雑木です。

コメント

  • 以前は似ているハナミズキの影に隠れて目立ちませんでしたが、近年は雑木が見直され、エゴノキ、ヒメシャラ、カツラなどとともに人気の樹種になりました。ハナミズキで悩まされやすいうどんこ病耐性があるのも嬉しいところ。
  • ハナミズキとの交配品種も出回っています。
  • 外国産の常緑種も人気があります。ホンコンエンシスやヒマラヤエンシス、その改良品種などがあり、耐寒性は落葉種に劣るものの性質は丈夫です。洋風の庭に植栽するならこちらを検討するのもよいかもしれません。花つきに優れ、落ち葉掃除が不要という長所がありますが、新緑と紅葉が楽しめない短所もあります。
  • ヤマボウシの名は法師からきているとされ、小花の咲く中央の緑を頭に、周囲の白い苞を頭巾に見立てているとされています。

戻ります