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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

イヌツゲ

イヌツゲの生垣イヌツゲの葉

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イヌツゲのデータ

葉色:緑
学名:Ilex crenata
科名:モチノキ科
分類:常緑高木
原産地:日本、東アジア
大きさ:背丈1.2〜5.0m(10m)、横幅0.5〜3.0m(6m)、葉1〜3cm前後(互生)
主な見所:葉(周年)

イヌツゲの特徴

小さな濃緑の葉が密に生えた日本庭園や生垣でおなじみの樹木です。融通のきく刈り込みができ、萌芽力も強いので洋風のトピアリーにもよく用いられます。生垣にすると幅が薄くても遮蔽性を高くできるので狭い場所にも使えます。整然とした雰囲気に仕上がります。
耐陰性・耐湿性・耐風性に優れ丈夫な木ですが、風通しが悪いと生育が悪くなり、害虫も発生しやすくなります。潮風に比較的強いので海に近い場所の植栽にも適しています。
初夏に咲く花、秋につく黒紫の実は目立たず、いずれも観賞価値はあまりありません。

  • 難易度: 丈夫です。
  • 日照量: 幅広い環境で育ちますが、半日陰が好み。
  • 水分量: 幅広い環境に耐えます。
  • 耐寒性: 耐寒性は強いです。
  • 成長速度:遅い すぐに大きくなる木ではなく、管理は比較的楽です。
  • 移植適期:春・秋・梅雨 移植は容易です。

イヌツゲの育て方

半日陰の、肥沃でやや湿った場所を好みますが幅広い環境で生育します。やや乾燥には弱いですが、極端でなければ耐えます。風通しが悪い部分があると、その周囲の枝が枯れこんだり、害虫が発生しやすくなります。

  • 管理:刈り込み以外は特にすることはありません。
  • 剪定5・7・10月
    適期に刈り込みます。成長は遅いので剪定の必要がなければしなくて構いません 。
    ハマキムシがついたときは駆除を兼ねて刈り込みを行った方が良いです。
  • 肥料:冬に寒肥として遅効性肥料を与えます。初夏に刈り込んだ場合は追肥します。順調に育っているようなら無理に与えなくてかまいません。
  • 病害虫:風通しが悪いとカイガラムシが発生します。ハマキムシやミノムシなど葉を食べる害虫が発生することがあります。

イヌツゲのアレンジ

和風の庭に合います。洋風の庭ではトピアリーなどに。自然風の庭には合いません。
日陰に耐えるので北側の生垣や境栽などに向きます。生垣は整然として硬めな感じに仕上がります。風通しのない場所では枝が枯れこみやすいので、ブロック塀沿いなどにはあまり向きません。
純和風庭園では主木として玉仕立てや玉散らしに刈り込まれたものが使われます。このような仕立物は和風の庭以外に転用が難しく、庭のイメージが固まっていない時期にこれらを植えるのは避けた方がよいでしょう。

イヌツゲの主な品種

一般的には普通種を見かけますが、他にも様々な品種が出回っています。

ホウキイヌツゲ
ホウキイヌツゲ
園芸品種で、名のとおりほうき状に枝が上へ伸びる性質があります。
生垣に使いやすいですが店頭ではあまり見かけません。横張がないので、しっかり遮蔽するには最初からある程度の本数が必要です。

マメツゲ
マメツゲ
背があまり高くならず、葉の縁が裏側に丸くなる品種。葉色が濃いです。
生垣のほか、グランドカバーや境栽に適しています。

キンメツゲ」:新芽が黄色になる園芸品種。夏以降は緑色になります。イヌツゲより耐寒性など少し性質が劣ります。

その他の写真

イヌツゲの花
とても小さいイヌツゲの花。少し黄色みのある白花で花期は5〜7月頃。
観賞価値は低いです。

イヌツゲの実
イヌツゲの実。初期は淡緑色で、10〜11月ごろに熟すと黒紫色になります。
花同様に観賞価値は低いです。

イヌツゲの個人的な印象

オススメ度:★★★
実用性に優れた庭木ですが、風通しが悪いと枝枯れが発生しやすいです。昔から日陰に強いといわれ、確かに日陰でも育ちますが。多少日当たりがあった方が調子が良いように感じます。

コメント

  • ヒイラギとともに日陰の庭の生垣として重宝します。
    遮蔽性や管理のしやすさはイヌツゲが優り、丈夫さではヒイラギの方が上。
  • セイヨウツゲ(ボックスウッド)や、ツゲの変種のクサツゲはツゲ科(Buxus)なので、種的には遠いものになります。
  • ツゲ類とは一般的には互生(イヌツゲ)か対生(ツゲ)か見分けるとよいといわれますが、イヌツゲもツゲも葉が小さく密生するため写真では分かりづらいです。
    それよりも葉に鋸歯がある(イヌツゲ)か、全縁(ツゲ)かで見分けるのが分かりやすいです。

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