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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

シモバシラ

シモバシラシモバシラ

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シモバシラのデータ

花色:
学名:Collinsonia japonica(Keiskea japonica)
科名:シソ科
分類:多年草(冬落葉)
原産地:日本(関東以西〜九州)
大きさ:背丈40〜70cm、横幅50cm〜80cm
主な見所:花(8〜10月)、霜柱(冬)

シモバシラの特徴

日本の山野で見られる多年草。冬になると枯れた茎に霜柱ができることで以前から花名は知られていたものの、鉢花や花苗として出回ることは山野草店を除けばまれでした。近年、宿根草の植栽が盛んになるにつれ、花の少ない秋に咲く丈夫な多年草として注目され、出回る機会も増えました。
花は筒状で白色、やや長めの総状花序になり、全体的に片側にかたよって花がつくのが特徴です。葉は対生し、やや大き目で楕円〜長卵形。薄くて柔らかく、葉縁に鋸歯があります。株は横に広がりやすく、茎は根際の方が木質化します。
冬になると名の通り、枯れた茎に霜柱ができます。霜柱は根際にできることが多いですが、茎の途中にできることもあります。霜柱は一般的な平野部の庭でも見ることができますが、都市部や沿岸の温暖地では霜柱ができにくいこともあります。

  • 難易度: 非常に丈夫です
  • 日照量: 半日陰の場所を好みますが、明るい日陰でもなんとか育ちます
  • 水分量: 比較的湿った場所を好み、乾燥は苦手です
  • 耐寒性: 耐寒性は強いです

シモバシラの育て方

落葉樹の下のような、木漏れ日程度の半日陰の場所を好みます。明るい日陰でも育ち花もよく咲かせますが、やや徒長しやすいです。日当たりの良すぎる場所は向いていません。比較的湿った環境を好み、乾燥は苦手なので、水もちがよく腐植質に富んだ土壌に植えます。

  • 管理:可能なら花が咲き終わったら花穂を切り取りますが、無理にしなくても構いません。霜柱が見たければ、枯れた茎を急いで刈り取らず地上30〜40cm程度残しておきます。植え替えや株分けは春の芽出し前に行います。
  • 肥料:緩効性肥料を初夏に少なめに与えます。多肥の必要はありません。地植えで適地に植えた場合は特に与えなくても構いません。
  • 病害虫:あまり発生しません。

シモバシラのアレンジ

和風や自然風の庭に向いていますが、洋風の庭にも合わせられます。ただ、自然に横に広がる姿が魅力なので、整然とした庭には向いていません。やや大きくなるため地植えで育てるのが一般的。鉢植えも管理すれば可能ですが、本来の魅力を発揮することは難しいでしょう。家庭園芸では霜柱目的というよりも、秋に咲く白花を目当てに植栽した方がよいでしょう。

シモバシラの主な品種

一般的には原種が出回っています。

その他の写真

シモバシラの花
花のアップ。片側に偏って咲く様子が分かります。

シモバシラの新芽
芽出しのころ。葉色が明るめで、瑞々しい印象です。

シモバシラの葉
シモバシラの葉。葉先が長く伸びるのも特徴です。

シモバシラの霜柱
霜柱。朝の冷え込みが厳しい日は期待が高まります。

シモバシラの個人的な印象

オススメ度:★★★
花の少ない秋に咲き、丈夫で育てやすいのが魅力。やや野趣が強すぎる面があるので、地植えは周囲の雰囲気となじむか確認したほうがよいです。暖地での栽培なら花をメインとし、霜柱はおまけ程度にとらえておくと良いでしょう。

コメント

  • 霜柱は、枯れた茎の維管束が毛細管現象で土中の水を吸い上げて、それが地上でしみ出し冷えて固まったものです。他の植物でもありそうな現象なのにシモバシラによく霜柱ができるのは、シモバシラの茎が硬くて崩れにくく水上げが良いからです。
  • 霜柱は冬の間見られますが、枯れた茎のため徐々に劣化するので、綺麗な霜柱を見たいなら冬の初め頃がよいでしょう。また、日中になり暖かくなると氷が溶けてしまうので、観賞するなら早朝〜朝のうちがよいです。
  • 家庭園芸では霜柱よりも花に注目したいですが、やはり霜柱ができると嬉しいです。
  • 学名の「keiskea」は日本を代表する植物学者の一人である伊藤圭介氏にちなんでいます。

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