花色:
学名:Muscari
科名:キジカクシ科
分類:秋植え球根
原産地:地中海沿岸〜西アジア
大きさ:背丈15〜20cm、横幅15〜25cm
主な見所:花(3〜4月)
一般的にはアルメニアカムとその改良品種を見かける機会が多いですが、他にアウケリやネグレクタムの改良品種も比較的よく出回っています。
穂状につぼ形の花をたくさん咲かせます。花色は紫が強いものと青が強いもの、白色があります。葉は細長く少し肉厚です。植えっぱなしにすると暖かい時期に葉がだらしなく伸びてしまいます。性質は大変丈夫で、花つきは悪くなりますが半日陰でも育つほどです。
秋に球根が出回ります。あまり早くに植えつけるとだらしなく葉が伸びてしまうので、肌寒くなる11下旬〜12月中旬頃植えます。植え付けは球根2〜3個分の深さにします。
秋から春は日当たりのよい場所を好みますが、半日陰でも花は咲きます。少し暗い場所でも枯れることなく育ちますが花つきは悪くなります。水はけさえよければ土質にはあまりこだわりません。
洋風や自然風の庭に合います。和風の庭にはあまり合いません。
花期のあった秋植え球根と寄せ植えすることが多いです。よく合うということのほかに、秋植え球根は花期が短いため使いどころが難しいのも理由にあります。ただ、ムスカリは意外と開花期が長いので草花との寄せ植えにも用いることができます。その場合は密植気味にしたほうがよいでしょう。
花壇植えでは主に縁取りやチューリップなどとの混植に用います。密に同じ花色をまとめて植えると見栄えがします。
チューリップと合わせた定番の植栽例。
特に、補色となる黄色やオレンジ系の花色とはよく合います。
ムスカリの植栽例。シバザクラの花畑にポイントとしてアルメニアカムを密植気味に植えています。
球根をバラバラに配植するよりも効果的な手法になります。
落葉高木の下に植えたムスカリ。球根が小さめなので植えづらい場所にも植え付けできます。
アルメニアカムがよく出回りますが、その他の種を見る機会もそこそこあります。
○アルメニアカム(M. armeniacum)
ムスカリの代表的な種。鮮やかな青い花が咲きます。葉も花もやや大きめです。白花種や八重咲き種など改良品種もよく出回っています。
非常に丈夫で育てやすい種。多少の悪条件にも耐えて成育します。
○アウケリ(M. aucheri)
小型のムスカリで、改良品種が出回っています。
「マウント・フッド」
アウケリの改良交配品種。山の頂部の雪のような白色と青の複色になります。
○アズレウム(M. azureum)
極小型のムスカリで、大きくても10cm程度にしかなりません。
青の縞のある薄いブルーの比較的大きめな花を咲かせます。白花種もあります。
○ネグレクタム(M. neglecyum)
小型のムスカリで、改良品種が出回っています。
アルメニアカムほど派手ではありませんが、まとまりよく咲く良さがあります。
ネグレクタムの白花種。
○マクロカルパ(M. macrocarpum)
黄色花で、花には香りがあります。他種とはやや雰囲気が異なります
「ゴールデンフレグランス」
マクロカルパの改良品種。原種に比べ花序が大きいです。
2年目以降に開花させるのはやや難しい。
芽出しは翌年2月ごろになります。
アルメニアカムの伸びすぎた葉。毎年植え替えを行うことで防ぐことが可能です。
アズレウムの球根。他種も含め、丸っこいコロンとした印象。
株に比べると比較的大きめのサイズ感で植えやすいです。
国営昭和記念公園で見かけたチューリップとムスカリ、サクラの共演。
チューリップとムスカリは定番の組み合わせで、お互いの花期が合うのもそうですが、チューリップにない青系の花色というのも、よく寄せ植えされる理由だと考えられます。
家庭園芸でも、寄せ植えの際に同じようなアレンジが可能です。
オススメ度:★★★★★
アルメニアカムはとても強健で、地植えで放任しても花を咲かせてくれます。その他の品種はアルメニアカムほど丈夫ではないことは考慮したいです。
植えっぱなしだと葉が伸びて姿が悪くなる点は残念。