本文へスキップ

ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

クンシラン

戻ります

クンシランのデータ

花色:
学名:Clivia miniata
別名:ウケザキクンシラン
科名:ヒガンバナ科
分類:多年草(常緑)
原産地:南アフリカ
大きさ:背丈20〜70cm、横幅25cm〜45cm
主な見所:花(3〜5月)

クンシランの特徴

南アフリカ原産の花ですが、どことなく和の雰囲気があり和室に使いやすかったこともあり、以前から人気がある鉢花。名前にランとありますが、ランの仲間ではなくヒガンバナ科に属しています。
花は、葉の中心から長い花径を伸ばし、10〜20輪程度の花序になります。小花の形は一重でトランペット状になりますが八重咲き種もあります。花色はオレンジ系がメインですが赤や黄色花も出回ります。葉は肉厚で深緑色。ゆったりと左右に葉を広げた姿は花とよく調和しています。株はやや大き目になりますが、矮性で葉幅が広いダルマ系品種も出回ります。根は太く多肉質。花後に実をつけますが、通常は花径を切ってしまうため繁殖は株分けで行います

  • 難易度: やや寒さに弱いですが、丈夫です
  • 日照量: 季節によって半日陰〜明るい日陰の場所に鉢を移動します
  • 水分量: 適度な湿り気を好み、生育期の乾燥は苦手です
  • 耐寒性: 耐寒性はやや弱いです。基本的には冬に室内へ取り込みます

クンシランの育て方

かなり葉焼けしやすいので、室内に置く初冬から春はレース越しの窓辺程度の日射の場所に置き、屋外に置く初夏から晩秋は明るい日陰に移動して、直射日光は避けるようにします。成長期は適湿を好み、強い乾燥は苦手です。水はけのよい、よく肥えた土に植えます。植え替えのことを考えると、小粒の軽石などを含んだ粒状の土が適しています。花後に新葉を6〜8枚程度増やせられると来年も花が咲くといわれています。6〜8枚はあくまで目安ですが、花後の初夏から夏の期間に新葉をしっかり生長させるのがクンシラン栽培の大きなポイントです

  • 管理:花が咲き終わったら花径を切り取ります。
    十分な寒さ(10度程度)に60日ぐらい当てないと花芽が成長しないので、霜が降りる少し前までは屋外で管理します。冬は、15℃以上の暖かい場所に置く場合は通常の水やりを続け、無加温の場所に置く場合は水やりは控えめにします。弱りやすいので、越冬中の水やりは葉の中心部に水がたまらないように与えます。
    株が大きくなりすぎていたら花後に植え替えをします。根が太いため、2〜3年ごとくらいには行わないと植え替え作業が難しくなってしまいます
  • 株分け:子株が大きくなってきたら花後に株分けをします。子株に葉が6〜8枚程度ついたときが株分けの適期です。清潔なナイフやハサミで切り分けます
  • 肥料:緩効性肥料を花後と秋に与えます。秋の施肥はチッソ肥料が少ない、リン酸やカリ分が主体の肥料を与えます。液肥で代用しても良いです
  • 病害虫:ほとんど発生しません

クンシランのアレンジ

洋風や和風の庭や部屋に向いています。花は豪華なものの落ち着いた葉色のためか、和室の部屋においても違和感はありません。九州南部や伊豆半島のような霜の降りにくい地域であれば地植えも可能ですが、一般的には暖地であっても鉢植え育てるのが無難です。他の花と合わせるよりも、豪華な花を単独で楽しんだ方が良いでしょう。他の花と合わせる場合は寄せ鉢にします。
肉厚で光沢のある葉が美しいので、花のない時期も観葉植物として利用できます

クンシランの主な品種

一般的にはミニアータ系の品種が出回っておりそれ以外の種を見ることはあまりありません。
普通種のオレンジ花がよく見られますが、赤や黄色花、葉が詰まった矮性のダルマ系の品種、斑入り品種、八重咲き種なども出回ります


ダルマ系の品種。葉幅は広いものの葉長は短く、矮性なので管理しやすいです


赤色花の品種


斑入り品種


クンシランの実

クンシランの個人的な印象

オススメ度:★★★★
寒さにやや弱いものの、日照不足に強い丈夫な鉢花。優雅に広がる葉が魅力なので、ゆったりと飾れる場所があればおすすめ度が上がります

コメント

  • 正式の和名はウケザキクンシランで、クンシランは似ているものの別種になります。ただ、園芸では通常ウケザキクンシランをクンシランと呼びます。クンシランは店頭にほぼ出回らないため特に問題はありません
  • 温暖化のためか、暖地では霜除けすれば屋外でも冬を越すといわれており、私も屋外での冬越しを成功させています。ただ、寒さが厳しい日は屋内や温室等に取り込みたいです。葉が出るのがゆっくりのため、霜で葉が痛むと回復が遅いです。株分けして株数が増えるまでは、室内に取り込んだ方が安全でしょう
  • 有毒植物であるといわれています。念のため株分け等の際は手袋を着用した方がよいでしょう

戻ります