ロンギフォリアと、スピカータ
ペドゥンクラリス 「オックスフォードブルー」
花色:
学名:Veronica
科名:オオバコ科
分類:多年草(半常緑〜常緑)、多年草(冬落葉)
原産地:ヨーロッパ〜アジア
大きさ:背丈25〜80cm、横幅20〜80cm
主な見所:花(3〜10月)※種類によって異なる
ベロニカの仲間は数多く、種類によって姿形がまるっきり異なります。大きく分けると穂のような花になるものと、這い性&小花を咲かせるタイプになります。穂のような花になる代表種のスピカータとロンギフォリアは青〜青紫色の細かい花を咲かせます。それ以外の花色もありますが出回る量はやや少ないです。店頭に出回っている苗は矮性処理されたものも多く、次の年は大きくなってビックリすることもあります。
這い性種の代表のペドゥンクラリスの改良品種のオックスフォードブルーは、春に小さな一重の花を咲かせ、寒い時期には赤茶色に紅葉し青い花との対比が綺麗です。
他にもあまり背が高くなりませんが横に広がるオーストリアカやトウテイランなど様々な種類、品種が出回っています。クガイソウの仲間のベロニカストルムも同じように栽培されています。
日当たりから明るい半日陰で十分花が咲きます。真夏の直射光は強すぎるので遮光するか午前中のみ当たるようにしますが、地植えで乾きすぎない土ならそのままでも大丈夫なことが多いです。
水はけ、水もち、風通しの良い場所が適地です。高温期の多湿に弱く、夏の間は蒸れさせないように枝を間びいたり、鉢植えなら雨を避けたりします。ただし、乾かしすぎもよくありません。土は肥沃なものを好みます。
スピカータやロンギフォリア、オックスフォードブルーはそれほど気を使わなくても夏越ししますが、その他の種の中にはかなり暑さに弱い品種もあるので注意します
洋風や自然風の庭に合います。和風の庭にはあまり合いません。
高性種はボーダーガーデンに向きます。矮性・ほふく性の種類は、寄せ植えの前方や水はけのよい涼しい場所のグランドカバーに向きます。青紫の花は涼しげで、白花との相性はとてもよいです。
オックスフォードブルーなどの小型種は狭い場所のグランドカバーに向いており、あまり旺盛に横に広がらないので管理もしやすいです。
多くの種類や改良品種が出回っています。別種も入り交じり同定は難しいです。
大型種と中型種、小型種で大きく区別すればよいでしょう。
○スピカータ(V. spicata)
穂のような花を咲かせる中〜大型種。青花で夏咲き。大きくなると60cmくらいになります。
改良品種が多く、花色は他にも赤紫やピンク、白など。20〜30cm程度の小型種があります。ロンギフォリアとの交配種が出回っているので両者の区別は曖昧です。
○ロンギフォリア(V. longifolia)
穂のような花を咲かせる大型のベロニカ。青紫花で夏咲き。鉢仕立てが出回り人気があります。
地植えにすると大きくなり、切り戻しをしない場合は80cmくらいになります。
「ピンクシェーズ」
ロンギフォリア系。花色がピンクの品種で、花色の濃さには個体差があります。
丈夫で地植えにも向いているベロニカです。
○トウテイラン(V. ornata)
はい性、中型種で日本特産のベロニカ。秋咲き種。花は青紫で、やや短めの花穂をつけます。
葉が白く見えるのでリーフプランツとしても用いられます。
育てやすいですが、高温多湿にはやや弱い。
○プロストラータ(V. prostrata)
はい性、やや小型のベロニカ。春に青い小花が咲かせます。
「ミセスホルト」
プロストラータの改良品種。はい性でやや小型。春咲きで花色はピンク。
「アズティックゴールド」
プロストラータ系の黄金葉種。寄せ植え用のカラーリーフとしてポット苗が出回ります。花は青色で初夏に咲かせます。ベロニカの中では比較的丈夫な品種。
○ペドゥンクラリス(V. peduncularis)
はい性、小型のベロニカ。春に青い小花が咲かせます。
「オックスフォードブルー」
ペドゥンクラリスの改良品種で店頭でもよく見かけます。花色は青。冬は葉色がブロンズになります。強健な性質で、暑さにも比較的強く栽培は易しいです。
○ペトラエア(V. petraea)
はい性、小型のベロニカ。春に青紫の小花が咲かせます。
「マダムマルシア」
ペトラエアの改良品種。青紫の小花を咲かせます。
改良・交雑品種の一例。
矮化剤を使ったと思われる苗。妙に葉色が濃いので判別できます。
本当の矮性種が欲しいならスピカータの小型種を求めるとよいでしょう。
オススメ度:★★★★
青〜青紫色の涼しげな花が魅力的。種類によって様々な使い方ができます。
条件が悪いと夏越し時に枯れやすいのは残念。