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植物栽培に知っておきたいガーデニングの資料集
花と緑の図鑑-Garden vision
一歩進んだ花と緑の育て方
ガーデニング基礎知識
なるべく冗長な部分を省いてポイントのみを書いたつもりです。
これ以外の細かい知識は実際に育ててみてから学んだ方がよいと思います。
まず、自分が住んでいる地域の気候を知ろう
山が多く海に囲まれ、南北に長い日本の気候は変化に富んでいます
日本の気候は北は北海道、南は沖縄まで様々です。さらに山が多く高低差もあり、太平洋側か日本海側かでも気候が大きく異なります。まずは自分の住んでいる地域の気候の傾向を知ることから始めましょう。気象庁HPや理科年表などで調べてみるとよいでしょう。
まずは冬の最低気温がどれぐらいになるかを調べましょう。氷点下になることが日常的なのかを統計でチェックし、さらに、霜が降りやすいかを調べるのが大きなポイントです。
氷点下が日常的な地域では、熱帯植物はもちろん、亜熱帯植物も屋外での冬越しは難しくなります。これらの植物は基本的に地植えではなく鉢植え栽培にして、春〜秋は屋外、冬は屋内に取り込むというサイクルが必要になります。
冬の間、室内に鉢植えを置ける場所があるかを考慮しなければなりません。
霜(冷えた植物に空気中の水分が昇華してついた氷の結晶)が降りる条件は気温だけでは決まらないので、地域の特性を考慮しましょう。冬の晴天が多い地域(太平洋側)や、風が弱い地域(盆地など)では霜が降りやすく、寒くても曇天が多い地域(日本海側)や、風が強い地域(海よりの地域)では霜が降りにくいです。霜が降りると植物中の水分が凍って亜熱帯〜熱帯植物の多くが影響を受けます。霜が降りない、降りにくい地域では一気に植栽の幅が広がります。
氷点下になると霜柱(地中の水が凍ってできる柱状のもの)ができやすくなります。霜柱は根が浅い植物の大敵です。霜柱ができやすいかは様々な条件がありますが、基本的には火山灰土(東日本や九州南部)で発生しやすいです。普段から地域の土の状態を観察し、冬に霜柱ができるか確認するのが一番よいでしょう。
夏の暑さも大きなポイント。最高気温だけに注目しがちですが、大事なのは平均気温と夜間の気温。例えば、中部内陸部では昼の最高気温が東京並か、それ以上になることも多いですが、熱帯夜になることは多くありません。このような地域では暑さに弱い植物もそれなりに育つことが多いです。
湿度に関係する降水量もポイントですが、日本は世界に比べれば基本的には多湿と考えて良いと思います。ただ、乾燥を好むオリーブ栽培が盛んな瀬戸内海地方など、特殊な地域もあるので念のため調べておくとよいでしょう。
冬の積雪の有無もポイント。矛盾しているようですが、雪が積もる地域では、雪に保護されるため植物(常緑樹など)の冬越し難度が下がることがあります(ただ、積もったり積もらなかったりを繰り返す地域では意味はありません)。一方、あまり寒くなくても、寒風に直にさらされやすい地域では冬越しが難しくなることがあります。
私の住んでいる地域は東京近郊です。育て方図鑑の内容(特に耐寒性や耐暑性)はそれに準じています。気候が大きく異なる地域はそれに合わせた管理が必要になります。
土づくり
苗を買う一週間くらい前に土づくりを行いましょう。
詳しい用土についての説明は
こちら
。
@土を掘り起こし固まっている土をほぐします。
植えつけるものによって掘る深さは変化し、樹木や宿根草の場合は根鉢に見合った十分な深さにします。一年草なら一回り分くらい大きめに周囲を掘る程度でも十分です。
スコップあるいは小型の備中鍬が便利
A土壌改良剤を撒き、掘り返した土とよく混ぜます。
土壌改良剤は苦土石灰、珪酸塩白土、腐葉土、堆肥、砂などです。
苦土石灰、珪酸塩白土は撒く量を考えましょう(商品の裏の使用説明書を参考に)。
腐葉土、堆肥は目分量で適当に撒いても平気です。乾燥を好むものは砂を多めに混ぜます。
すべてを撒く必要はなく、植物や土の状態で判断します。
Bもう一度土を混ぜ合わせます。
十分なじんできたら植えやすいように土をならしておきましょう。
これで完了です。
一年草の草花には、必要に応じて土壌改良剤と一緒に根にふれても問題ない肥料(マグァンプKなど)を混ぜます。有機肥料(油粕や骨粉、鶏ふんなど)を撒く場合は、根に直接当たらないように離して撒きます。樹木の場合も、必要なら少し広く掘って有機肥料を根が当たらないところに埋めて与えましょう。
鉢植えの場合は土づくりの必要はなく市販の培養土を買ってきます。最近は優れたものが多いのですが、植える植物に合った土を選びます。あまりに安いもの(例えば20リットル150円程度)は買わないことが大事です。
安い用土からはキノコなんかが生えてきたりしちゃうかも!
粗悪(!?)な培養土から生えてきたキノコ
もし自分で鉢植え用土を配合する場合は、
○普通の草花や花木には赤玉土:腐葉土を7:3の割合。
○湿気を嫌うものには赤玉土:腐葉土を5:3と、砂2の割合にします。
ハンキングバスケットでは腐葉土のかわりにパーミキュライト、砂のかわりにパーライトを用いることが多いです。さらに、必要に応じて苦土石灰、珪酸塩白土を規定量混ぜます。
苗の購入
販売されている苗にはいくつか種類があります
@地掘り苗
根がそのままの状態になっており、水ゴケなどで根が乾燥しないように包まれているもの。
果樹や樹木、根茎が発達するタイプの宿根草に多い。
A根まき苗
網や縄で根底が包まれているもの。
樹木の大株に多い。
Bポット苗
ビニールのポットに植えられた苗。
一般的な草花や宿根草、苗木に多い。
C球根や塊茎
休眠してる状態で売られているもの。
購入時はひょろっと長くなったものではなく、ある程度株が小さくても、よく引き締まって節が短く分枝の多いものを選ぶとよいでしょう。
また、わかりにくいのですが、根が回りすぎて底が白くなってしまったような苗はよくありません。最近では、それを防いでいるポット苗も出回っています。
球根の場合は大きさだけでなく、よく締まったものを選びます。球根をつまんでみて何となく柔らかいものは避けた方が無難です。すでに芽が出ているなら芽が傷んでないか確認しましょう。傷んでいると芽が伸びないことがあります。
植え付け(球根以外)
根が露出している地掘り苗の場合、水苔などの余計なものを取りなるべく根を広げるようにして植えつけましょう。
網や縄で根鉢が作られたものは、根元部分のきつく縛られている所以外はそのまま植えてもかまいません。網や縄はそのまま土に帰ります。でも、気になるようだったら外しておきます。
ビニールの紐で接ぎ木されたものは成長を阻害するので外しておきましょう (ただし、十分に接ぎ木されていない状態のものはしばらくそのままにしておきます)
ポット苗は根が回りすぎていたり、苗の土が植える土と性質が異なる場合は、多少根鉢をほぐしてやります。ただし、根を切られるのを嫌うものもあるので注意します。
ポット苗は少し乾かしぎみにしてから植え替えを行うと、作業がしやすく根を傷めません。
どれも根鉢よりも少し大き目の穴を掘って植えつけます。
ここで注意するのは以下の3つです。
@ あまり深植えしない(深植えを好むクレマチスなど一部の花木は例外)
A 植え付け後に水をたっぷり与える。
B 鉢植えの場合はいきなり大きなサイズの鉢にせず、根鉢に合った鉢(現状維持の場合)か、一回り大きいぐらいの鉢(株を大きくしたい場合)を用意する。
水を与えた後、土が落ち込んでしまうようなら根に土が回っていない証拠なので、土を根の間に入るように串などで刺して、しっかり根に土がいきわたるようにします。
鉢植えの場合、軽石は必ず入れなければならないように言われていますが、あまり深くない鉢に水はけのよい用土で植えている場合は特に必要ありません。
深鉢の場合は底に水はけ改善のため軽石を入れます(深さの10分の1〜2程度)
植え付けの際、背丈が1mを超えるような樹木は支柱を立てましょう。風で倒れにくくなるだけでなく、姿勢もよく育ちます。風で根が動かされないので生育もよくなります。
アブラムシやコナジラミなどに弱い草花には、あらかじめオルトラン粒剤をパラパラと根元に撒いておきましょう。弱っている植え替え時に被害を受けやすいからです。1ヶ月くらいはもちますが、気になるなら効果が切れたころにまた撒いておきます。
球根の植え付け
まず、その球根植物の植え付けの適期を知っておきましょう。多少ずれてもかまわない場合がありますが、花が咲かなかったり腐敗することもあります。特に、寒さに弱い球根を春先に植えてしまうと球根がダメになることが多いです。
地植え(庭の土に直接植えること)と鉢植えで植えつけ深さが少し異なります。
地植え
の場合
球根の植え付けの深さは、地植えの場合は球根の高さの2〜3倍程度を目安にしますが、土の中の茎にも根が張るユリなどは20〜30cmぐらいの深さに植えつけます一部の球根や塊茎の中には深植えを嫌うもの(ジャーマンアイリス、ネリネなど)があるので確認しましょう。
鉢植え
の場合
中〜大型球根サイズでも球根の高さの1〜2倍程度(あまり深くすると根を張るスペースがないので)とします。深植えのユリでも18〜20cm程度で十分です。
植え付けの間隔は、来年も咲かせたいなら球根の幅2〜2.5倍を目安にします。
一年草扱いにするならかなりの密植でもかまいません。
密植の例。球根半個分くらいの隙間で植えます
タネまき
種類によってはタネからの方が安上がりで簡単なものもあります。
初心者の方もぜひタネから育ててみてはいかがでしょうか。
タネまきの方法は大きく分けて「直まき」と「箱まき」、「ポットまき」があります。
直まき
花壇や鉢の土に直接タネをまく直まきは、もっとも簡単な方法です。タネが大きめのものは、だいたい直まきもできると考えてもらってもいいでしょう。コスモスやヒマワリ、アサガオ、スイートピー、ルピナスなどが代表的です。また、ポピーのように移植が苦手なものも直まきが向いています。
直まきは土づくりをしたところに、指やわりばしなどで穴やすじを作ってまきます。やや細かいタネはばら撒いてすき込んでもよいでしょう。
タネ〜育苗期間は乾かし過ぎないようにし、必要なら水を与えます。
箱まき&ポットまき
この2つは基本的に同じで、定植する場所と違うところで育苗を行います。通常、植え替え回数は箱まきが2回で、ポットまきは1回。細かいタネや底面吸水で管理したい好日性のタネに向いています。また、性質が弱く立ち枯れをおこしやすいものも直まきは避けます
箱まきやポットまきは、清潔なタネまき用土(ピートモス主体の水もちのよい土)を入れたトレイやポリポットに点まきかばら撒きにします。ピートモスで出来たトレイやポットも市販されています。
上から水を与えるとタネが散らばりやすいので、水は底面から浸透させるように与えます。芽が出るまでは常に浅く水を入れて乾かさないようにします。
苗が出揃ったら底面吸水の水を抜き、土が乾く前に与えるスタイルに切り替えます。
箱まきは苗が大きくなったら順次ポットに移植します。
トレイから底面吸水させています。
ピートバン
植え替えの際の手間を減らしたいなら、土にそのまま植えられるタイプのタネまきポットもあります。植え替え時に根が傷まないので失敗も少なくなります。
タネまき土ポット
タネには発芽適温があります。タネ袋を見れば分かることも多いですが、基本的には寒地〜寒冷地植物は15℃程度、温帯植物は20℃程度、亜熱帯〜熱帯植物は25℃程度を目安にします。特に亜熱帯〜熱帯植物を早まきして寒さに当たると著しく発芽が鈍り、その後の生育も悪くなるので注意します。
タネ〜育苗期間中は水を切らさないことが大切です。
日光を好むものには、必ずよく日に当てて丈夫な苗をつくります。
葉同士が重なり合うようになったら早めに間引きを行います。よく締まった苗を選んで残します。これが遅れると苗が弱々しく育つ原因になるので、ためらわないようにします。
一部のタネには光に当たると発芽が促進される好光性のものと、光があると発芽が抑制される嫌光性のものがあります。好光性のものには覆土はしないか薄く、嫌光性のものはしっかり覆土します。
大体はタネ袋に書かれていますが、不明なものはネット検索すると通常は出てくるので心配なら参考程度に調べておきます(私の花図鑑にも載っています)。
好光性:ベコニア、プリムラ、サイネリア、インパチェンス、トルコギキョウ、コリウス、ペチュニア、キンギョソウ、デージーなど。
嫌光性:デルフィニューム、ルピナス、ニゲラ、ニチニチソウなど。
秋まきのタネで、かつ寒さに弱い植物(ロベリアやキンギョソウなど)は冬の管理が難しいです。十分、タネまきや植物栽培に慣れてからにしましょう。
本葉が8〜10枚くらいになったら定植(最終的に育てる場所に植えること)します。ある程度ポットに根が回ったのを確認(ポットの水抜き穴から根が少し見える程度)してからの方が、植えつけ時に土が崩れにくく植えつけやすくなります。
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水やり
「水やり3年」という言葉もあるとおり加減がわかるまでは苦労しますが、基本さえ知ってしまえば、あとはその応用でなんとかなります。
覚えておきたい基本は
○土が乾きはじめたら水をやる(まだ土が十分湿っている時に与えない)。
○水をやる時は中途半端ではなく、鉢底から水が出るくらいたっぷり与える。
特に一年草の草花は常に土が湿っていると徒長しやすく、根も腐りやすいものです。
また逆に、過湿にしちゃいけないからと少しずつ水を与えることは逆効果になります。
与える時は思いっきりたっぷり与えましょう。
普通の植物(適潤地を好むもの)には基本を実践すればよく、特殊な種類(乾燥や湿潤を好むもの)は育てながら覚えていけばいいのです。
性質を覚えられないという人は、地植えならば最初にその植物に合った場所に植えつければ覚える必要はありません(基本的に夏の高温乾燥期以外は、地植えの植物には乾燥が激しい場所でない限り水を与えなくても大丈夫です)。
鉢植えなら性質の似たものをなるべく同じ場所に集める(例えば湿った環境を好むものはこの場所。といった具合に)とか、鉢の色を性質に合わせて統一するなどの方法で見分けられるようにしましょう。
水やりの際、なかなか土に浸透しないようなら、土の水はけが悪くなっているか根詰まりしてる証拠です。このままでは根ぐされしやすいので、植え替え適期がきたら植え替えましょう。
植え替え適期でなく(真夏や真冬など)植え替えられない場合は、わりばしで土に穴を開ける、雨を避けられる場所に移動するといった応急処置をして乗り切ります。
冬越ししている植物は生育を停止しているので過度の水やりは厳禁です。
土の表面が乾いてからたっぷり水をやるようにしましょう。
植えっぱなしの休眠期の球根の多くはからからに乾燥してしまってもよいものなのですが、中には乾燥させすぎてはダメなもの(ユリ、カンナなど)があるので確認します。
肥料(元肥と追肥)
肥料には与える時期の区別により元肥と追肥があります。
詳しい肥料の説明は
肥料と活力剤
へ。
元肥
植え付け時に与える肥料のことをいいます。これは植え付け後しばらくして株が生長し始めてから効きはじめるようにしたいので、ゆっくり長く効くものが適しています。
よく使うものは中〜長期型の緩効性化成肥料と遅効性有機肥料があります。
中〜長期型の緩効性化成肥料は肥培効果が長くて匂いが少なく、扱いやすいのが特徴です。マグァンプKなど根に触れても問題ないものは初心者にも扱いやすいです。
代表的なものはマグァンプK、ガーデニングエードボールがあります。
遅効性有機肥料は少しにおいがあり、根に直接触れないように与えるため、初心者には扱いにくい面もありますが、効果も高く価格も比較的安いです。
代表的なものは油粕、骨粉です。
草花は花を楽しむものなら、長期間効き目のあるリン酸分(P)の多いものでよいです。
樹木類はできれば遅効性有機肥料を与えたいです。
追肥
生育期や開花中などに与える肥料のことです。すでに生長している時に与える肥料のためすぐに効果が出るものが適しています。速効性の液肥と、短期型の緩効性化成肥料を主に使います。
液肥の場合は1〜2週間に一度。緩効性化成肥料なら1カ月に一度程度が目安です。
アバウトでもよいのですが追肥のタイミングが難しいと感じるようなら、月初めなどわかりやすい日を決めてまくとよいでしょう。
特に、液肥は与えすぎると逆に害になりやすいので気をつけます。
液肥は水を混ぜて薄めるタイプと、希釈せずそのまま与えるタイプがあります。薄めるタイプは少し面倒ですが圧倒的に割安で、そのまま与えるタイプは手軽です。どちらを取るかは好みで決めてよいでしょう。一般的な草花は規定濃度でOKですが、多肥を嫌うものは規定濃度の半分を目安にして与えます。
短期型の緩効性肥料は土の表面に規定量をばら撒くきます。
液肥に比べ、効果発現はやや遅めですが長く(1ヶ月程度)効きます。
長期間咲き続けるパンジーやペチュニアなどや、肥料食いが激しいバラやボタン、シャクヤクなどは追肥を忘れるとうまく咲いてくれなくなります。
花を楽しむ一年草や宿根草の場合は、元肥にしろ追肥にしろチッ素分(N)の多い肥料は避けましょう。徒長の原因になります。
球根植物は花後に来期以降の花つきをよくするために、球根を充実させるカリ分(K)を適度に与えてあげましょう。また冬越しの体力をつける際にもカリ分は有効です。これには草木灰がよく使われます。
剪定(せんてい)
種類に応じて剪定方法や適期は様々です。まずそれを知ることからはじめます
枝の切り方の基本は
@枝の基部
A芽の少し上
のどちらかで、なるべく枝の途中で切らないようにします。
ただし萌芽力の強い生垣に使われる樹木や一部の花木は枝の途中からでも芽が出てきます。
木バサミと剪定ばさみ両方を用意し、細かく細いものには木バサミを使い、そうでないものは剪定バサミを使えば楽に切れます。
剪定バサミでも厳しい太さの枝には片歯のノコギリを使います。
太い枝を切る場合はノコギリか、園芸用の小型チェーンソーを用います。小型とはいえ強力なので安全には十分配慮してください。
小型のチェーンソーでも厳しいような太い幹は庭師さんなどに頼む方がよいでしょう。
生垣の場合はバリカンバサミを使用して気持ち下側を膨らませた台形状に刈ります(上部のほうが生育が良いため)
高い場所には高枝切りバサミが便利ですが、安いものは壊れやすく、重くて扱いにくいものも多いので注意しましょう。脚立でも届きにくい高木は庭師さんなどに頼む方がよいでしょう。
個人的には、一般的な広さの庭で庭師さんに依頼せず自分で剪定するつもりならば、最初から高木はあまり植えず、植えても管理しづらい高さにならないように、脚立で届く程度に毎年剪定するのが良いと思います。「日本の庭は高木を植えすぎている」というのが自論です。
個々の樹木の剪定については、花図鑑を参照ください。
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花がら摘み
特に長期間咲く一年草にとって一番大事な作業です
花が咲いた後に花がらをそのままにすると、実をつける場合があり株を疲れさせるし、病気を誘発する場合もあります。しかも茶色の枯れた花弁が残ってしまい見苦しいです。
ビオラやペチュニアなど数多くの花を咲かせるものはとても大変ですが、花がら摘みはぜひ行いたい作業です。
ただし、必ずしも行わなくてよいものもあります(多くの花木や、一部の多年草)
来年も咲かせたい球根の場合は、花後に邪魔だからと葉を切らないようにしましょう。球根の多くは花後が分球したり、来年開花するエネルギーをためる期間になるからです。
切り戻し・摘心(てきしん)
長く咲く草花の多くは、2〜3ヶ月程度咲かせっぱなしにすると枝が伸びすぎて綺麗でなくなってきます。そのため、切り戻し(ある程度枝を刈り込むように切る)や摘心(主に枝先を摘んで分枝を則す)を行うことで、株の姿を美しく保ちます。
この作業を行わなくても綺麗に育つ花もありますが、ペチュニアやゼラニュームなど長期間咲き続けるものにはぜひ実践してください。
摘心は成長期ならいつでも可能です。
切り戻しは、多年草は成長期に。春〜夏植え一年草ならば梅雨直前がよいです。
秋植え一年草は行う必要性が少ない(冬の間は気温が低いので株が締まって生長するため)のですが、行うならば春の開花が一段落した頃にしましょう。上手くいけば初夏〜夏にまた花を咲かせてくれます。
切り戻しは下葉がまだ元気なうちに行いましょう。成功率や回復の早さがかなり違います。
切る場所は枝の真ん中ではなく、わき芽の少し上あたりで切り戻しを行います。そうすれば枝の枯れた部分が最小限で済みます。
病害虫の予防と駆除
生き物ですから、どんなに強健な植物でも病害虫の被害にあうことはあります。
その植物が好む環境に植えればかなりの予防になりますが、都会ではままならないこともあります。そこで、普段からできるだけ植物をよく観察します。そうすれば、もし不幸にも病害虫が発生しても最小限の被害で済みます。
不幸にも発生してしまったら
VS病害虫
をどうぞ。
植え替え
基本は植え付けと同じです。
地植えの場合はきちんとした根鉢ができてない場合が多いので、慎重に掘り出します。なるべく周囲の土を多めに取って根を傷めないようにしましょう。根を傷めたと感じた場合は、蒸散作用を抑制するために枝を切り詰めたり、葉を取ったりする必要がでてきます。
ままならないこともありますが植え替え適期はなるべく守りましょう。
落葉樹は落葉期、常緑樹や宿根草は春か秋が適期の場合が多いですが、例外もあるので、植え替える場合は一度調べておいたほうがよいでしょう。
用土は、なるべく以前に植えてあったものと同じような土を用意します。あまりにも土質が違うものは根が違う土質の方へ伸びていかず、根詰まりを起こすことがあります。
冬越し
寒さにやや弱く、小型〜中型の鉢植えで移動するのが楽なものは、霜や寒風の影響を受けにくい軒下やベランダ下などに取り込むと結果がかなり良くなります。その場所が陽だまりなら、さらに良い結果になるでしょう。また、放射冷却が厳しい夜間だけ、あるいは雪が降るような寒さが厳しいと予報される日だけ室内に取り込むとさらに万全です。
寒さにやや弱く、地植えだったり大型の鉢植えだったりして移動が難しいものの対処は2通りあります。
地上部が枯れるものはマルチングをすると良いでしょう。マルチングとは株元をピートモスやヤシガラ、ワラ、落ち葉、土などで覆って保護することで、単純な防寒の他、土の凍結や、凍結による土のめくれ上がりを防ぐといった効果もあります。春になって暖かくなったら芽が出る前には取り除きましょう。
落ち葉とヤシガラとマルチングしています。
地上部が枯れないものは不織布で地上部を覆うと霜害をある程度防げます。横に広がっているものはカバーするのが大変ですが、生育は停止しているので枝を多少束ねてしまっても大丈夫。上記のマルチングも併用するとよいでしょう。こちらも春に暖かくなってきたら取り除きます。
不織布で地上部を保護しています。
寒さに弱いものは室内に取り込みます。寒さに弱いものを購入する場合は、初めから室内に取り込める場所があるか確認してからの方が良いでしょう。
寒さに強いものは放任(無防寒)でかまいません。地上部が枯れる多年草は、早春に寒さが和らぎ、芽が出る少し前ぐらいまでには枯れた地上部を刈り込みましょう。枯れた部分がそのままだと春以降、新芽が伸びた時に見苦しくなってしまいます 。ただ、枯れた地上部がマルチング代わりになることもあるので、寒い間は無理に整理する必要はありません。
その他の管理
一年草の場合は花期が終わったらできるだけ早く抜いてしまいましょう。枯れたものをほったらかしにするのは美観を悪くするだけでなく、病害虫の温床になるなどの悪影響もあります。
多年草で植え替えない場合は、熊手やスコップなどで回りの土を軽めに掘り返して腐葉土や堆肥をまぜ、土を柔らかくして水はけや通気性の改善を行います。場合によっては、この時に追肥を与えてもよいでしょう。
何年も植えつけた土は疲弊していることがあります。このようなところに植えると微量成分(マグネシウムなど)が不足して生育障害を起こすことがあります。そのような場所は植え替え時などに表面の土と深いところの土を掘り返して入れ替えを行いましょう(このことを天地返しといいます)
基本はこんなところです。まず1年を通して植物を育ててみると上記のこともすんなり想像できるようになると思います。とにかく失敗してもよいので経験あるのみです。
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コンテンツ
ガーデン知識トップ
まずは基礎知識を簡単に説明
園芸用土と土づくり
肥料と活力剤
夏はこれ!熱帯花木
VS病害虫(害虫編)
VS病害虫(病気編)
風通しの重要性
便利な用具の紹介