専門的な植物用語の中には読み方が難しいものもあります。
ここではそんな読み方の難しい園芸にかかわる植物用語をまとめて紹介・解説してみます。
なるべく平易な表現を使って、実践的な解説をしています。
それぞれ球根の種類の一つ。個々の違いの説明については省略します。
個人的には、園芸上では区別せず、まとめて球根と呼んでしまうのがよい思っています。それぞれを分けることによる育て方の明確な違いがないからです。
この区分よりも、個々の植物の球根の植え付け深さや、休眠時期の方がよっぽど重要になります。
小さな花が集まって花の塊や穂のようになった部分。普通は花序をまとめて花と呼んでしまうことが多いです。バーベナやヒヤシンスなどが分かりやすい。
低木、あるいはブッシュとも読み替えられます。ただし、基本的には株立ち状になったものを指し、低木であっても1本立ちのものを灌木(潅木)ということはありません。
アジサイが分かりやすい例。
葉が枝から交互に出ること。主に樹木の種類の同定に使われます。
マメ科植物の根と共生して、空気中の栄養素を植物に供給する菌の一種。
よくマメ科植物は施肥が少なくてよいとされることが多いですが、この根粒菌の存在が大きいです。
園芸植物でいえばハギやフジ、レンゲなどが有名。
株の下の方の葉。「下葉(したば)が枯れやすい」といった表現でよく使います。株の上の方の葉を指す上葉(うわば)もありますが、あまり使用しません。
なお、肺の構造を指す「下葉」は「かよう」と呼びます。
一般的な花に比べて小さい花。つい「こりん」と呼んでしまいます。
葉が枝から左右同じ位置(対)に出ること。主に樹木の種類の同定に使われます。
一般的な花に比べて大きい花。「だいりん」と呼ぶことはないです。
なお、中輪は普通に「ちゅうりん」と呼びます。
斑入りの種類のひとつで、縁に斑が入るものです。例えば、縁に白い斑が入るものなら「白覆輪」というように用います。花色に対しても使うことがあります。
めばえ。園芸的には「萌芽性が良い」「萌芽性が悪い」という使い方をします。
萌芽性が良いものは剪定しても芽の出が良く、樹幹や枝の回復が早いです。
逆に萌芽性が悪いものは剪定に気を使います。
例えば常緑ツツジは萌芽性が良く、シャクナゲ類は萌芽性が悪いです。
葉の縁、へり、周辺部。
「葉縁に鋸歯がある」等、葉の鋸歯のあるなしを説明する際に用いられることが多いです。
展開すると葉や枝になる芽のこと。「ようめ」とは呼びません。
なお、花になる芽は普通に花芽(はなめ)といいます。
葉柄を含めない、葉の面状の部分。
葉の一部で、葉と枝や茎がつながる、ひしゃくの柄のような部分。
たいていは細長い棒状ですが、葉柄がほとんどなく枝とつながって見えるような種類もあります。
成長途中の幼い葉。野菜のベビーリーフでもお馴染みです。また、ポトスやフィカス・プミラなどのように、株が大きくなる前に出る小さい葉を指すこともあります。
「ようよう」と読むケースもあるようですが「よう」が繰り返しとなってしまうためか、近年は「ようば」のほうが一般的。
葉身の中にあるすじのこと。主脈や側脈などがあります。
水や養分の通り道になるほか、葉や植物を支える骨格的な意味もあります。
その種の一般的な大きさよりも、最終的な大きさが小さくなるもの。なお、矮化剤を使用せず、自然に小さくなるものは「矮性種」と呼ばれます。
小型の鉢植えなどで生育を制限して小さく仕立てたもの(盆栽など)は矮性とは呼びません。