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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

京成バラ園

千葉県八千代市にある京成バラ園は、バラ品種の作出で有名な京成バラ園芸直営です。東京近郊にあるバラ園としては規模が大きく、バラのボリュームもかなりのもの。京成バラ園芸作出の品種はもちろん世界中のバラの品種がそろっています。

園内地図(クリックすると拡大します)

京成バラ園マップ
バラの多いメインの整形式庭園と、水の流れがあり樹木の多い自然風庭園に分かれます。
園路が縦横にきられているうえ、特に決められた順序もないので、興味のあるところから自由に散策してみましょう。

ローズガーデン入口付近

ローズガーデン入口ローズガーデン入口入ってすぐ
入口付近はそれほど仰々しくはありません。すぐに庭園の全容は見えませんが、周辺にはバラや季節の草花が植えられて期待感が高まります。

高台から見た整形式庭園

高台から見た整形式庭園
周囲より低くなったところにフランス様式の整形式庭園が広がっています。
写真では写しきれない広がりのある景色で、開花最盛期の迫力は素晴らしいです。

整形式庭園(一枚目:初夏、二枚目:秋)

整形式庭園(初夏)
整形式庭園(秋)
バラの種類はモダンローズが中心。目線と同じか、やや下くらいのボリュームのあるバラが多く、花との距離も近いので間近でバラを観賞したり香りを楽しむことができます。
また、秋は春と比べるとボリュームはいまひとつですが、花のひとつ一つは美しいです。

「ベルばら」のテラス

「ベルばら」のテラス
王妃アントワネット
少女漫画「ベルサイユのばら」をモチーフにした6品種のバラが植えられたベルばらのテラス。テラスからは庭園全体を見渡すこともできます。
2枚目の写真のバラは王妃アントワネットをイメージしたバラ。女王の風格があります。

庭園の景色(南側)

庭園の景色(南側)
庭園の景色(南側)
入口に近い側(南側)から見た景色。初夏の最盛期はどこを向いてもバラという印象で、どこに焦点を当てるかむしろ困ってしまうほどです。
また、高木や添景等のフォーカルポイントがあまりなく、広角で写真を撮る場合はセンスが問われるでしょう。

バラの丘(初夏)

バラの丘(初夏)
バラの丘(初夏)
整形式花壇の横は丘状に小高くなっています。バラ園を見渡すビューポイントであるとともに、ツルバラのアーチやポールがあります。ここのバラは一期咲きが多いので初夏の方が美しいです。
アーチの黄色いつるバラは「サハラ’98」。見事な花つきとなっています。

アルテミスの花園(初夏)

アルテミスの花園(初夏)
バラの丘にある、バラとクレマチスや、多年草を組み合わせたガーデン。
バラ単体でも美しいのですが、やはり様々な花や添景と組み合わせてデザインしたガーデンは見栄えがしますし、園の個性が表れて観賞していて楽しいです。

ローズガゼボ

ローズガゼボ
バラ以外にポイントが少ない庭で目立つのは、ウェディングドレスデザイナーの桂由美氏から寄贈されたというガゼボ。本来のガゼボは日差しや雨をしのぐ屋根がありますが、このガゼボは屋根が透けており、庭園の添景としての意味合いが濃いです。
恋人の聖地の認証を受けたそうですが、そのシンボルともなっています。

エデンの泉

エデンの泉
ガゼボのほかに、ガーデン中央にあるエデンの泉という噴水もポイントになります。
噴水の周囲にはベンチが置かれ、休憩スポットにもなっています。

庭園の景色(北側)

庭園の景色(北側)
庭園の景色(北側)
ガゼボや噴水に近い奥側(北側)の景色。とにかくバラを思い存分観賞できます。
沈下した庭園部分は平面的な構成ですが、アーチやポールに咲くバラを絡めたり、周囲の丘を背景にすることで立体的な風景観賞や写真撮影も楽しめます。

アニバーサリーガーデン

アニバーサリーガーデン
アニバーサリーガーデンは、Mr.ローズこと鈴木省三氏(京成バラ園芸初代育種家)の設計した個人住宅の庭を再現したものだそうです。

コテージガーデン

コテージガーデン
アニバーサリーガーデンの隣には、小さいながら雰囲気のよいコテージガーデンもあります

大アーチ

大アーチ
バラ園設立当初からあるというつるバラ「フランソワジュランビル」の古株。
移植されたのちに現在の大アーチになったもので、立派な姿となっています。

自然風庭園


整形式庭園の北側には、池や小川を中心にしたイギリス様式の自然風庭園があります。
樹木や草花に混じって、オールドローズや原種のバラが植えられています。
このエリアは混雑時でも比較的落ち着いており、ホッとできる空間となっています。

大温室

大温室の展示大温室の展示
植物的な見どころは少なめですが、フォトジェニックな展示が行われている大温室。

カフェ


カフェは店内だけでなく、店外のデッキ部分でバラ園を眺めながら飲食してもOKなので、気軽にコーヒーや軽食を頼めます。バラや花関連の雑貨を扱うローズショップもあります。

ガーデンセンター


隣にある園芸専門店のガーデンセンターは入場料なしでも入れます。
季節の花やガーデングッズが豊富に揃いますが、特にバラは圧巻の品揃えです。

外にはレストランも

レストラン
同じく無料ゾーンにはレストランもあります。
また、駐車場には美味しいパン屋さんもあるので立ち寄ってみるのもよいでしょう。

注目したいバラの管理状態の良さ

注目したいバラの管理状態の良さ
バラの種類や数はもちろん、バラの状態の良さや、仕立て方の工夫、剪定の技、随時行われている枯れた花の処理など、管理状態の良さに注目。
「世界に誇れるバラの作出と日本にバラの文化を広めたい」との思いから造られたというバラ園の名にふさわしい、個性的で美しいバラたちが観賞できるのは大きな魅力です。

施設の概要

場所
千葉県八千代市大和田新田755

交通手段
■公共交通機関
東洋高速鉄道「八千代緑ヶ丘」駅より徒歩15分
※線路沿いの遊歩道があります。
八千代緑ヶ丘駅や八千代台駅から路線バスの便もあり。
■車
東関東自動車道「千葉北IC」から約20分。
駐車場あり(有料)
※初夏のバラ最盛期は臨時駐車場が開設されます。

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:https://www.keiseirose.co.jp/garden/

My impression

庭園デザイン★★★
整形式庭園と自然風庭園の2つ構成ですが、見所の多くは整形式庭園のバラに集中しています。整形式庭園は平面的な部分が多いですが、周囲をテラスや小高い丘にして庭を見渡せるようにしています。バラを観賞するという点では高低差も少なく個々の花を観賞しやすいです。
一方で、庭園デザインの目線で見るとポイントになる建物や樹木、添景等が少なく、やや単調な印象があります。

植物充実度★★★★★
京成バラ園作出の品種をはじめとした多種多様なバラが観賞できます。バラは背丈が大きめで立派。密生度も十分。花を近くで観賞できるのも好ましいです。
また、近年は花木や宿根草などバラ以外の植物も徐々に充実してきています。
植物の管理状態は非常に良好で、バラの管理状態は見事の一言です。

娯楽度★★★★★
初夏のバラ最盛期は誰にでも勧められるほど美しい景色が楽しめます。普段、花に興味がない方でも十分楽しめると思います。秋バラの時期は春バラほど密生せず、つるバラの開花も少ないためやや地味ですが、個々の花を観賞するなら悪くありません。
お洒落なカフェやレストランも楽しめます。また、駐車場にあるパンも美味しいです。
園の周辺はこれといった施設はないですが、個人的にはアンデルセン公園がおすすめで、北習志野駅あるいは三咲駅からバスで行けます。
また、少し距離がありますが、同じ千葉県の谷津バラ園佐倉草ぶえの丘バラ園を訪れてバラ園のはしごをするのもよいでしょう。

混雑度★★★★★
初夏のバラ最盛期は混雑が非常に激しいです。駐車場に入場待ちの渋滞ができる程で、ゆっくり観賞したいなら朝方や平日に訪れるなど工夫したいです。早朝入園等も行われることがあるのでチェックしてみるとよいでしょう。
一方で、秋バラの時期はそれほど混みません。

交通の便★★★★
公共交通機関利用の場合、少し遠いですが、八千代緑ヶ丘駅から線路沿いの遊歩道を歩いていけるため良いです。足が悪い方は路線バスを利用するのも一考。また、バラ最盛期には最寄りの駅からシャトルバスが出ることがあるので公式ウェブページで確認のこと。
車の場合、駐車台数は臨時もあり、かなり多いのですが、それでもバラ最盛期には一杯になり駐車待ちの渋滞ができます。周辺道路の成田街道も普段から渋滞しやすいので、平日や早朝入場を利用したいところです。土日祝は電車(バスは渋滞で遅延しがち)の利用も考えましょう。

総合満足度★★★★★
東京近郊としては比較的大きな伸び伸びとしたバラ園です。育種会社ならではの管理が行き届いた美しいバラの姿が楽しめます。ただ、バラそのものは非常に美しいのですが、園内の変化が少なくガーデンとしてはやや面白みに欠けるところがあります。一方で「とにかくバラを集中して見たい」という場合にはこれほど良い場所もないです。
遠方からくる場合は、公式SNSやウェブページなどでバラの開花時期をチェックしてから出かけましょう。バラ以外の見所は多くありません。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
初夏(春バラ)
秋(秋バラ)

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