庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

谷津バラ園

千葉県習志野市の谷津公園内にあるバラ園。以前は閉園した遊園地である谷津遊園の一施設として別の場所にあり、一時は閉鎖して廃園の危機を迎えたこともあったそうです。
その後の再開発や市民の要望により再開園し、今では習志野市の花の名所として親しまれています。
やや狭いながらも、歴史を感じさせる密度の濃いバラ園となっています。

こじんまりとした園内の中で、とにかくバラにしぼった展示をしています。

園内は噴水や刈りこみもの、彫刻などを配した幾何学的なフランス式整形庭園。デザイン的な好みは分かれそうですが、バラにはよく合っていると思います。
メインの園路が広く取られており、園の規模にしては開放感があります。

豊富な種類と数のバラを見ることができ、初夏の最盛期はバラで溢れかえります。

つるバラはアーチやパーゴラ、フェンスに這わせて育てています。
開花最盛期は美しい通り道になり、日差しが強いときの休憩にも向いています。
こちらのバラは一季咲きのものが多いため初夏のみの見所となっています。

園内はいくつかのエリアに分かれていますが、生垣に囲まれた香りの庭を除いて、他はすべて緩く区切られており開放感を感じる大きな要因となっています。

四季咲きで花つきの良い品種も多いため、秋バラの季節も十分楽しめます。
一方で、写真２枚目（１枚目と同日）のとおり、大パーゴラや大アーチは一季咲きのつるバラが多く、秋バラの季節は花がほとんど咲いていません。

谷津干潟自然観察センターと、センタ−から見た谷津干潟。ラムサール条約登録地で渡り鳥の飛来地です。2枚目写真中央奥の緑が谷津バラ園のある谷津公園で、距離は干潟沿いの遊歩道を歩いて15〜20分くらいです。
谷津干潟の鳥の数は冬が一番多くなります。バラ開花最盛期に訪れる場合は、鳥を観察するというよりも干潟の自然景観を楽しむつもりで訪れるとよいでしょう。

My impression

庭園デザイン：★★★
フランス式の整形庭園でバラによく合っています。周辺部以外は平面的で園路も広く、散策しやすいのが有り難いです。また、バラとの距離が近いので間近で観賞することも容易です。
一方で、変化が少なくやや単調な印象を受けるデザインとなっています。

植物充実度：★★★★
バラの種類や数は充実しています。一方で、バラ以外の花は非常に少ないです。
植物の管理状態は良好。

娯楽度：★★★★
初夏のバラ最盛期は誰にでも勧められるほど美しい景色が楽しめます。一方、秋バラの季節はつるバラが咲いておらず花数も少なめですが、その分個々の花を楽しむにはよいでしょう。それ以外の季節はほとんど花が咲いておらず、ゆったり散策するのに向いています。
谷津駅から歩くと雰囲気の良い谷津の商店街があるので、食事はそちらでどうぞ。バラの咲く時期は園外の公園に出店も出ます。さらに谷津干潟まで足を伸ばすと充実度が高いでしょう。

混雑度：★★★★
初夏のバラ最盛期はとても混雑します。施設内はやや狭く、オープンスペースもあまり多くありません。一方、メインの園路は広めで混雑感は比較的緩和されています。落ち着いて庭園を楽しみたければ朝方や平日に訪れるなど工夫しましょう。
なお、秋バラの季節はそれほど混雑しません。

交通の便：★★★★★
公共交通機関利用の場合、最寄り駅から歩いて行けるので非常に良い評価。ただ、谷津駅は普通列車しか停まらないのでその点は不便です。利便の良いJR津田沼駅から路線バスを利用するのも一考。
車の場合、谷津公園の駐車場が非常に狭く、春バラ最盛期は間違いなく混むので、特別な事情がない限りは公共交通機関利用を推奨します。

総合満足度：★★★★
バラが好きな方にはとても良い所です。どこを向いてもバラがあるといった印象で、園内は見通しがよくて分かりやすくお目当ての品種も歩いていればそのうち見られます。バラは種類や数とも園の大きさの割にとても多いです。ただ、ガーデン全体としてみた場合、変化の少ない幾何学の整形デザインは好みが分かれるところではあります。
遠方から訪れるなら、つるバラも咲く春バラの季節をおすすめします。
必ず、SNSや公式ウェブページなどでバラの開花状況をチェックしてから出かけましょう。

備考：園内は平たんな場所が多く、バーゴラやアーチのある高台にもスロープがあり、補助の方がいれば車椅子での観賞も可能です。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
初夏（春バラ、つるバラ）
秋（秋バラ）