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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

横浜イングリッシュガーデン

横浜市西区の住宅展示場内にあるバラを中心としたイングリッシュガーデン。
関東周辺にあった作りこまれた庭園はコロナ以降に閉園してしまった施設が多く、横浜イングリッシュガーデンはその数少ない貴重な庭園といえます。

園内の地図(クリックすると拡大します)

横浜イングリッシュガーデンマップ
園内は起伏がなく平坦で、4つのコンセプトガーデンと回遊式のナチュラルガーデンで構成されています。ここでは入口から時計回りで主な見どころを紹介します。

入口建物

入口建物
住宅展示場内の敷地をたどり、ショップやカフェの入ったガーデン入口を兼ねた建物に入ります。通常は建物の中で入場料を払って園内へ入りますが、多客時は園外でチケットを販売していることもあるので、案内に従いましょう。
周囲にはバラや宿根草が植えられ期待感が高まります。

バラのアーチ

バラのアーチ
イベント展示
園内に入ると大きなバラのアーチが出迎えてくれます。アーチは長さや幅などのスケール感、バラの量感も十分で見応えがあります。
また、アーチ下の通路では季節によって様々なイベント展示が行われていることもあります。

ローズ&グラスガーデン

ローズ&グラスガーデン
アプリコットやブロンズ、ブラウンのバラと、グラス類を合わせたアンティークな印象のガーデン。
特にブロンズやブラウン系の花色はバラならではで面白い組み合わせです。

ローズ&ハーブガーデン

ローズ&ハーブガーデン
ペアのチェア
淡いピンクや紫のバラを中心に、ハーブやライムグリーンの葉もので構成された、明るいポップな雰囲気のガーデン。
印象的なペアのチェアもあるのでチェックしてみましょう。

ローズ&シュラブガーデンの入口付近


ローズ&シュラブガーデンは、バラを中心としたナチュラルガーデン風のエリアになっています。
バラ以外の樹木が少ないコンセプトガーデンとは異なり、様々な種類の樹木が見られ自然な雰囲気を楽しめます。

ローズ&シュラブガーデン その1

ローズ&シュラブガーデン(花色の組み合わせ)
樹木や宿根草、一年草、バラなど様々な花が植えられており、イングリッシュガーデンらしいエリアになっています。そのような中でも色の組み合わせなどはよく考えられていると思います。

ローズ&シュラブガーデン その2

ローズ&シュラブガーデ(シェードガーデン)
芝庭の一部をイングリッシュガーデンに改修したエリア。
バラは少なく、アジサイのほかギボウシなどの耐陰性のある宿根草が多い、園内の中でもナチュラル色の濃いエリアになっています。

中央の芝生広場

中央の芝生広場
通常は養生のため中に入れない芝生広場ですが、初夏のバラ最盛期などの混雑時は中に入って人込みを回避することもできます。

ローズ&シュラブガーデン その3

ローズ&シュラブガーデン(池)
奥には池や水の流れのあるエリアがありますが、池も流れもあまり大きくありません。
一方で、周囲には樹木を背景にしてバラやアジサイ、宿根草、一年草もたくさん咲いていて見ごたえがあります。

種類豊富なアジサイ

種類豊富なアジサイ
アジサイとバラの二番花
バラ以外のもう一つの大きな見どころがアジサイ。バラほど多くありませんが、ローズ&シュラブガーデンを中心に様々な品種が植栽されています。
また、早咲きのアジサイと遅咲きのバラ、あるいは遅咲きのアジサイとバラの二番花といった組み合わせにも注目です。

ときめきガーデン

ときめきガーデン
バラの開花期間限定で開かれる路地状になったガーデン。ローズ&シュラブガーデン側に入口があります。園路が狭いので必ず一方通行に従いましょう。
赤や赤紫のバラが美しいエリアです。

ローズ&クレマチスガーデン

ローズ&クレマチスガーデン
ときめきガーデンの細い園路を抜けると、ローズ&クレマチスガーデン。
らせん状の細い道の両側に、ワインレッドのバラや、パープルのクレマチス、ブロンズリーフプランツなどが植えられたシックな印象のガーデンです。

ローズ&ペレニアルガーデン


白バラと白い草花を中心に、斑入り葉や銀葉などで構成されています。ホワイトガーデンという名称でもよいくらいに白い色であふれています。
このように各コンセプトガーデンは主に色でテーマを合わせています。写真をバラバラに撮って、あとで見てもどこで撮ったかわかるほどです。

出口

出口
入口からは出られません。入口にあるカフェやショップに向かう場合でも、出口からいったん園外へ出てから向かいましょう。再入園も可能です。
出口奥に見える建物はヨコマハくらし館。大きなトイレが利用できるので覚えておきましょう。

美しいバラのガーデン…だけど問題も

バラのアーチの混雑渋滞する園路
園内は狭めで、一部の園路も狭いです。それが凝縮された美しさにつながっているのは分かるのですが、初夏バラの開花最盛期は歩くのも困難なほど園路に行列ができ混雑します。
また、横浜駅から近い立地は有難いものの、混雑に拍車をかけることにもつながっています。
平日朝や早朝入園などを利用して、少しでも混雑を避ける努力をしたいところです。

施設の概要

場所
神奈川県横浜市西区西平沼町6−1 tvk ecom park内

交通手段
■公共交通機関
相鉄線「平沼橋」駅から徒歩10分。
横浜駅より無料送迎バスもあり。本数は1時間に1本程度。公式サイトを確認のこと。
■車
横浜駅西口より約10分。
駐車場あり(無料ですが、時間制限や条件があるため公式サイトを確認のこと)

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.y-eg.jp/

My impression

庭園デザイン★★★★
庭園入口から奥のガーデンに抜ける長い園路をバラのアーチで彩っています。入園した時のインパクトとして十分です。また、アーチのバラは両隣にあるコンセプトガーデンから見た時に背景になることもポイント。さらに各コンセプトガーデン間を緩やかに区切る役目もあります。
入口側の4つのコンセプトガーデンは、配置でみるとガチガチの整形ガーデンのように見えますが、ガーデン内の小路は曲線で比較的自由なデザインになっています。同色系の花色で合わせた植栽になっており、狭い敷地の中で統一感を出しているようです。
ローズ&シュラブガーデンはいわゆるナチュラルガーデン風で、手前のガーデンとの対比が感じられます。木陰が似合うアジサイを中心にしているのも環境に合わせた植栽で良いと思います。
やや狭い園内ですが、その分植栽が濃縮され、量感を感じられるのもポイント。
一方で、近年バラが育ちすぎたためか各コンセプトが見えづらくなってきているのが気になります。

植物充実度★★★★★
様々な種類のバラがあり種類も花つきも良好。アジサイの品種数も多め。他にも花木や宿根草、一年草など様々な花が見られます。珍しい品種もあり、園芸植物が好きなら大いに楽しめるでしょう。
バラやアジサイなど花木や樹木の管理状態は良好ですが、一部下草の草花の管理状態がやや良くないのが気になります。

娯楽度★★★★★
初夏バラの季節は非常に美しい景色が楽しめます。特にバラのアーチはフォトジェニックです。それ以外の季節も様々な催し物が開催されているのでチェックしてみるとよいでしょう。
園内にはおしゃれなショップやカフェがあります。
横浜駅から一駅の立地なので、みなとみらいや横浜港、中華街などに寄ることも難しくありません。
個人的には横浜駅からバスで行ける三渓園がおすすめです。

混雑度★★★★★
初夏バラの最盛期は非常に混雑します。それ以外の時期はそれほど激しく混雑しません。
園内は狭く、オープンスペースも少な目。特に各コンセプトガーデンの小路が非常に狭く、人の渋滞ができることもあります。特に土日祝は圧迫感が強めです。
入園料が高くなりますが、初夏バラの季節に設定される早朝入園も活用したいです。

交通の便★★★★★
公共交通機関の場合、最寄駅から徒歩圏なのでとても良い評価。なお、相鉄線の平沼橋駅は普通電車しか停車しないので、乗り換え案内や時刻表を確認しておきましょう。
横浜駅から出る無料送迎バスは便利ですが、運休日があることと、初夏バラ最盛期などの混雑時は満員で乗れないこともあるので留意しましょう。
車の場合、住宅展示場などと共通の駐車場は大きく普段は車で訪れても安心ですが、大型連休時などは駐車場が混雑しやすくなります。

総合満足度★★★★
イングリッシュガーデンということですが、コンセプトガーデンの名前に全てローズと付くことからも分かるとおり、バラを推しているガーデン。バラの植栽量をみても分かる通り、初夏バラの開花期が一番の見ごろになります。バラの管理状態もとても良いです。他には梅雨に咲くアジサイの季節も宿根草が同時に楽しめるので満足度が高いと思います。
首都圏では意外と本格的なイングリッシュガーデンは少ないので、コンセプト的におもしろい存在。これからも頑張ってほしいです。
一方で、近年バラや低木が大きくなりすぎて、庭園デザインのバランスが悪く感じるのはやや残念。また、初夏バラの季節は混雑が激しくゆっくり観賞を楽しむことができないのも、仕方がないですが評価は下げざるをえません。

備考:園内は小路を除いてほぼ平坦で、バリアフリー的には問題が少ない施設になっています。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
初夏(初夏バラ、つるバラ、クレマチス、季節の草花)
6月上旬~下旬(アジサイ、季節の草花)
秋(秋バラ)

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