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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

慧洲園(陽光美術館)

慧洲園(けいしゅうえん)は佐賀県武雄市にある日本庭園。「昭和の小堀遠州」とも称される中根金作よって昭和54年に作庭された池泉回遊式庭園です。御船山の借景と、敷地の高低差を生かした滝や池、斜面の茶畑など変化が多い庭園になっています。特にツツジや紅葉の時期は見所が多いです。

庭園入口


併設されている陽光美術館と共通になっている入口。美術館内にある受付で入館料を支払って中に入ります。庭園のみ、あるいは庭園と美術館セットの料金設定あり。
ここでは入口から園路を反対周りで巡りながら、主な見どころを紹介します。

池から望む景色


美術館受付を出てすぐの景色。借景と斜面の茶畑、石組、池、滝など庭園の要素が詰まっています。
池には錦鯉がたくさんいて有料でエサを与えることもできます。

太鼓橋と、幅広の瀑布


朱色に塗られた太鼓橋と、池の段差によって造られた幅広の滝。

大滝


太鼓橋の奥には傾斜を利用した大滝があります。紅葉の時期が特に美しいです。

みふね茶屋


コーヒーや抹茶などが頼める数寄屋造りの茶屋。庭の景色を眺めながらゆっくりできます。

もみじの森


みふね茶屋から物見やぐらに向かう斜面はモミジが多く美しいです。

物見やぐら


佐賀県にある有名な弥生時代の吉野ヶ里遺跡から平成16年に移設された復元物見やぐら。
やぐらに登れば園内全体を見渡せます。

お茶畑


斜面を利用した見事な茶畑。庭園がある武雄市は茶畑が名物となっており、横縞模様によって独特の景観を造りだしています。

四阿と、四阿からの景色


お茶畑は中央の急な階段の他、横から回り込む緩い傾斜の道から登れます。
一番上には四阿があって、こちらからは主に池の景色を見下ろせます。

観月亭


茅葺きの屋根と白壁が特徴の建物。内部には入れませんが、周辺のシダレザクラやツツジが咲く頃は美しいです。

枯山水


石組とツツジの刈り込み物がメインの枯山水。やはりツツジの開花期が一番の見所です。

陽光美術館


日本の陶磁器発祥の地が佐賀(有田焼、伊万里焼)であることもあり、そのルーツである主に中国陶磁器を展示している美術館。池に浮かぶように建てられた建物は庭園の一部として、また庭園を望むスポットにもなっています。

施設の概要

場所
佐賀県武雄市武雄町武雄4075ー3

交通手段
■公共交通機関
JR「武雄温泉」駅からバス「枯木塔」下車、徒歩2分。
■車
長崎自動車道「武雄・北方IC」から約10分。
駐車場あり(無料)

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:https://www.yokomuseum.jp/

My impression

庭園デザイン★★★★★
中根金作氏作庭の庭ということで、伝統的な日本庭園という要素と、新しい現代的な要素が合わさった親しみやすい独特な雰囲気の庭園となっています。御船山の借景や、斜面に広がる武雄市名物の茶畑、傾斜を利用した滝や池など見所が多いです。樹木が密で影の多い空間と、開けた空間のバランスも取れています。

植物充実度★★★
ツツジが充実しており、その季節は同時にフジの花も楽しめます。他にモミジが多く新緑や紅葉の時期はとても綺麗です。整然と刈り込まれた茶畑や、借景の樹木も見所。植物の管理状態は良好です。

娯楽度★★★
ツツジや紅葉の最盛期は美しく、庭園に深い興味がなくても楽しめます。それ以外の季節はゆったり散策するのに向いています。また、陶磁器に興味があれば美術館と一緒に楽しめるのも魅力。
武雄温泉や嬉野温泉周辺は温泉はもちろん観光的な見所も多く、時間を取ってじっくりと楽しみたいところです。個人的には近隣にある庭園の御船山楽園がお勧め。

混雑度★★
園内はやや広く、オープンスペースもあります。ツツジや紅葉の最盛期は少し混雑しますが、それ以外の季節は混雑することは少ないです。団体客がいなければゆっくり楽しむことができるでしょう。

交通の便★★★★
公共交通機関利用の場合、武雄温泉駅から嬉野温泉行のバスがそこそこの間隔で出ており悪くありません。
車の場合、やや広めの駐車場があり大型連休時でもなければ問題は少ないでしょう。

総合満足度★★★★
有名な造園家作庭による庭園でありながら、知名度のせいかあまり評価されていないようですが、特異な景観やツツジの美しさなど満足度は高め。ただ、太鼓橋周辺の装飾的な雰囲気については好みが分かれるかもしれません。
花の見所が同じ有名な庭園の御船山楽園が近くにありセットで観賞できるのも、遠方からの訪問を考えると非常にありがたいです。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
春(サクラ)
初夏(新緑、ツツジ)
晩秋(紅葉)

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