山形市野草園は名前の通り山形県山形市にある植物園。西蔵王高原に位置し、主に蔵王山周辺に自生する野草や樹木を観賞できます。花が野草中心のため派手さはないですが、自然な雰囲気で植物を観賞できるのが魅力です。一方でミズバショウ群落や同時期に咲くオオヤマザクラ、フジバカマとそれに集まるアサギマダラなどボリュームのある景色を味わうこともできます
かなり広い園内。多少のアップダウンはあるものの、メインの園路は舗装されて歩きやすいです。また、メインの園路から外れた植物観賞用の脇道もよく整備されているので不安はありません。
特に順路はありませんが、ここでは料金所から入って反時計回りに見所を紹介します
こちらで入場料を払って園内に入ります。
駐車場は広めで春には桜が綺麗です。また、本数は少ないながらも山形駅からバスの便もあります
園内に入るとひょうたんの形をした池が広がります。池の周囲はヤナギなどが植えられ自然な雰囲気で、この園の特徴が分かるようになっています
ひょうたん池の西側は斜面になっており各種野草が見られます。春に咲くのはカタクリでかなりの量感です。初夏にはシラネアオイなど多くの種類が咲きます。春から初夏にかけては見所が多いです
小川が流れる谷状になった湿地に橋が架かる、広々としたエリア。
流れに沿ってクリンソウの他、様々な湿地を好む花が見られます
舗装された中央広場は、イベント時などはメイン会場になることもあります。
自然学習センターは周辺の自然環境を学べるほか、繁忙期にはカフェで軽食を頼むこともできます
園の象徴ともいえるミズバショウ花の群落が見られます。まだ葉が小さく花が目立つ早春から、瑞々しい葉が展開し大平沼越しのオオヤマザクラとの共演が見られる春まで、長めの観賞期間があります
ミズバショウの谷やその周辺は、ハンノキをはじめとした水辺を好む樹木が見られます。樹木の下で自然な雰囲気咲く景色が野草園の大きな見所になっています。
また、早春にはザゼンソウの花も見られます
岩石を配して造られたエリア。主に蔵王連峰に自生する植物を観賞できます
管理された見事な杉林。山地の樹林下で見られる野草も観賞できます。
運が良ければ初夏に短期間咲くヤマシャクヤクを観賞できます
ログハウスのある斜面は開けて広々としています。ちなみにウランウデやボルダーとは都市の名前で、山形市の姉妹都市となっている関係から、その都市風の景色を模した庭となっています。
この周辺は友好姉妹都市ゾーンとなっており、いままでとは趣が違うやや整備された雰囲気の庭が続きます。他にキッツビューエルの庭(ハーブ園)や、スワンヒルの庭などがあります
中国風の庭園。吉林市は山形市と友好都市になっています。園内の自然風の景色とは特に異質な庭のためか、奥まったところに配置されています。春に咲くシダレザクラが見所です
初夏に咲くツツジがまとまってみられます。比較的ボリューム感のある花が楽しめます
フジバカマやオミナエシなど、観賞に適した秋の野草が見られるエリア。
特にフジバカマの群落は大きな見所です
花の見所ではありませんが、フジバカマに集まる渡り蝶のアサギマダラはこの園の大きな見所の一つです。年により異なりますが9月中〜下旬ごろが最盛期です。
アサギマダラは美しい姿していることに加え、物怖じしない性質をもち、ゆったりと優雅に飛ぶため観賞や写真の被写体として優れています
護岸が最小限で自然な雰囲気の大きめな沼。広々としていて山々の姿も望めます。
対面に見られるミズバショウの谷のミズバショウや、ハンノキの新緑なども見所です
オオヤマザクラは、ミズバショウとともに春に咲く花のメインの一つ。大平沼の湖畔に多く見られます。やや濃い色のピンクの花でよく目立ちます
休憩所のある小高い丘。園内の景色を見ながら休憩できます
大きな群落はなくても園内各所に季節毎に野草が咲いています。写真はクマガイソウとエゾリンドウ。料金所付近の掲示板や、自然学習センターに見頃の花マップがあるので、咲いている場所を確認してから散策するとよいでしょう
場所 | 山形市大字神尾 |
交通 | ■公共交通機関 JR「山形」駅から山交バス乗車「野草園」下車、徒歩すぐ。 ■車 山形自動車道「山形蔵王IC」より約15分 東北中央自動車道「山形上山IC」より約15分 駐車場あり(無料) |
入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照 | |
URL | https://www.yasouen.jp/ |
My impression | ||||
マニア度 | 娯楽度 | 混雑度 | 交通の便 | 総合満足度 |
★★☆ | ★☆ | ★ | ★★ | ★★★☆ |
自然な雰囲気で咲く樹木や野草が見所。開けた高原風の景観や、樹林の下で楚々と咲く野草など、様々なシチュエーションが楽しめるのが魅力です。一方でミズバショウの群落や、フジバカマの花畑など、季節を選べば量感のある花も観賞できます。 自然な雰囲気を残しつつ、散策しやすいように絶妙な整備状態になっています。「自然と人間の共生」がコンセプトとのことですが、成功していると思います。 多くの樹木や野草が見られるためマニア度は高めですが、園の性格上園芸植物は少ないです。 晴れていると散策には良いですが、個々の花をじっくり見たいなら曇りの日を敢えて選ぶのもありだと思います。 大きな見所は早春〜春に咲くミズバショウと、春に咲くオオヤマザクラ、初夏の各種野草、秋のフジバカマ。花の数的には初夏が良いですが、春のミズバショウや、秋のフジバカマとアサギマダラの共演は遠方から訪れても十分楽しめる景色です。 園内は広めでオープンスペースも適度にあり、花の最盛期や大型連休中でも混雑感は低いです。 散策時間はややアップダウンがあるので、ぐるりとまわるなら1時間程度欲しいです。 管理状態は良好、管理者の印象も良好です。 公共交通機関利用の場合、山形駅から遠いものの、バスが出ているためやや良い評価。 車の場合、広い駐車場があり特に不安はありません |
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注目の花(色付き文字は特におすすめ) 早春:ザゼンソウ 早春〜春:ミズバショウ、花木各種 春:オオヤマザクラ 初夏:新緑、ツツジ、サクラソウ、シラネアオイ、クリンソウ、クマガイソウ、ヤマシャクヤク 梅雨〜夏:各種ユリ 秋:フジバカマ(アサギマダラ)、オミナエシ 晩秋:紅葉、果実 開園期間中:野草各種 |