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花の名所・ガーデン・植物園訪問記

花の名所・ガーデン・植物園訪問記

多摩森林科学園

※2024年4月現在、雪害、ナラ枯れ、その他安全上の理由から整備作業が必要なため、一部エリアの公開を中止しています。訪れる前に閉鎖範囲の最新情報について下記公式サイトで確認ください。
https://www.ffpri.affrc.go.jp/tmk/index.html
個人的に一番美しいと感じる彼岸通りからの眺めが堪能できないため、遠方から訪れる場合は2025年(平成7年)予定の公開再開まで待ってもよいかもしれません。

東京都八王子市の高尾駅北側徒歩圏にある樹木園。森林に関する学術研究のための施設ですが、一般にも開放されています。様々なサクラを収集・植栽しているサクラ保存林があり、サクラの開花シーズンになると非常に美しい景色が観賞できます。

園内の地図(クリックすると大きくなります)


園内は普段は順路はないのですが、サクラの咲く時期は係員の指示通りの順路を進みます。ここでは夫婦坂を上り、仲通りを通って時計回りで巡る順路で主な見所を紹介します。
繁忙期は、一部区間が一方通行になるので注意しましょう。

入園口

多摩森林科学園の入園口
まるで学校の入り口のような雰囲気の入園口。4月上旬のサクラ最盛期の土日祝は高尾駅からここまで歩く行列ができるほどに混雑します。

森の科学館


入り口すぐに立つ、これまた昔の学校のような建物の森の科学館。内部では様々な森の資料や写真が飾られており、ここで事前に知識を得ておくと良いでしょう。
園路はこの建物の向かって右側に続いています。

まずは第2樹木園を通り抜ける


サクラが咲く園地(サクラ保存林)に向かう際に第2樹木園を通り抜けます。いきなりのサクラ!ではなく、まず園の雰囲気を感じさせてくれる構成は奥ゆかしさがあります。後述の通り、樹木の下にはスミレ他の草花も多くみられます。

夫婦坂・釣舟草通り・柳沢林道分岐点周辺


第2樹木園の林の中の道を歩き終えると分岐に辿り着きます。案内板やトイレがあるのでここで準備を整えるとよいでしょう。サクラの最盛期には係員が立ち、歩く方向の指示をうけます。

夫婦坂付近


多摩森林科学園の夫婦坂
階段状の少しきつい傾斜ですが、短いので焦らずゆっくり行けば大丈夫です。また傾斜の緩い迂回路もあります。早速、たくさんの種類のサクラが出迎えてくれます。

仲通り付近

多摩森林科学園の仲通り
仲通り
山の斜面の中腹を巻くように進みます。眺めが良く、歩いていて楽しくなる道です。

関山ベンチ

多摩森林科学園の関山ベンチ
園内にはいくつか休憩スペースがありますが、特にこの段々状になった関山ベンチは広くてサクラも美しいのでたくさんの人が休んでいます。
園内は酒類の持込や宴会が禁止されており、そのぶん静かにサクラを観賞出来ます。飲み物や弁当の持込は許されているのでピクニックのような感覚で楽しめます。

見返り通り

多摩森林科学園の見返り通り
見返り通りは美しいサクラのトンネルになっています。
名前通り思わず見返してしまい、歩くスピードも緩やかになってしまうでしょう。

見返り通り付近の遠景

多摩森林科学園の遠景
高尾や八王子の町が望めます。このあたりが一番見晴らしがよいです。

関山ベンチ上部

多摩森林科学園の風景
回り込んで上記の休憩スペースの上側に出ます。サクラの美しいポイントのひとつです。
ここで順路が二手に分かれますが、効率よく観賞したいならまずは昭和林道に向かいます。

昭和林道

多摩森林科学園の昭和林道
サクラが美しく眺めもよい昭和林道。関山ベンチが混雑しているときはこちらで休憩するのもおすすめ。ただ、このまま昭和林道を先に進んでしまうと夫婦坂分岐方面に戻ってしまうので、下り坂になる前あたりで一旦、関山ベンチ上部まで引き返しましょう。

遠見通り付近。山道のような園路を歩く


関山ベンチ上部に戻り、もう一つの分岐の道に進みます。斜面に造られた意外と高度感のある道ですが、手すりがあるので安全。サクラと新緑が美しいです。
また、本数は少なめですがウメの花も見られます。

里桜園

多摩森林科学園の里桜園
雰囲気のよい広場がありサクラが美しいです。所々に開放的な空間があるのが、この園の良いところだと思います。ここにも分岐があり、一方通行の彼岸通りに向かいます。

彼岸通りから対面の眺め

多摩森林科学園の彼岸通り
多摩森林科学園の風景
対面に植えられたサクラが美しい彼岸通り。少し狭い道ですが一方通行なので問題ありません。
園路の最後には美しい景色が眺められます。4月上旬のサクラがよく目立つ時期も良いのですが、4月中旬以降の新緑交じりの多彩な色彩の景色もまた良いです。

彼岸通りからの見下ろし

多摩森林科学園の風景
彼岸通りから柳沢林道を見下ろす景色も美しいです。
写真では分かりづらいですが花吹雪が舞っています。ぜひ現地で確認ください。

夫婦坂との分岐付近に戻ってきました


ぐるっと一周してきたことになります。あとは一方通行に注意しながら戻るだけです。まだ余力があれば柳沢林道や釣舟草通りを少しさかのぼってみたり、各樹木園を巡ってみるのも良いと思います。
園内の道は横道が少ないので、各分岐を進むときはよく確認しましょう。

釣舟草通り

多摩森林科学園の釣舟草通り
主要な通り以外では、釣舟草通りから関山ベンチ方面を見上げる景色がおすすめです。
サクラだけでなく、様々な樹木の花や新芽の色彩を同時に観賞できます。

スミレが多い


高尾山はスミレの花が多いことで有名ですが、近隣にある多摩森林科学園でもスミレの花を数多く観賞できます。開花期が3〜5月なのでサクラと同時に楽しめるのが良い点。
特に第2樹木園や釣舟草通りでよく見られます。

第1樹木園のイカリソウと、ニリンソウ


サクラの咲いていない季節も野花や新緑、生き物たちを観察できて楽しいと思いますが、初めて訪れる場合はやはりサクラの季節をお勧めします。春は花の綺麗な山野草も同時に見られます。

施設の概要

場所
東京都八王子市廿里町1833−81

交通手段
■公共交通機関
JR中央線「高尾」駅北口より徒歩10分。
■車
※駐車場なし、車利用の場合は公式HPを参照の上、近隣駐車場を利用のこと。

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.ffpri-tmk.affrc.go.jp/

My impression

庭園デザイン★★★★
自然の敷地形状を生かしたデザイン。高低差があるため歩くのはやや大変なものの、その分花の量感や開放感のある景色を楽しめます。
園の性格上、観賞を目的として植栽デザインされたわけではないのですが、様々な種類のサクラが自然の植生を生かしつつバランスよく植えられたため、結果として多彩な色彩が楽しめる空間になっているのも好ましいです。

植物充実度★★★★★
サクラ保存林というだけあって、野生種に限らず栽培品種も含め、サクラの種類が豊富で長期間楽しめます。4月上旬〜中旬が特にサクラが美しい期間ですが、その時期は大変混雑するので、それを避けて4月下旬の遅咲きのサクラと新緑を見るのも楽しいです。
他にも約500種という様々な樹木があります。植物の管理状態は良好です。

娯楽度★★★★★
サクラの最盛期は誰にでも勧められるほど美しい景色が楽しめます。サクラの咲いてない季節も樹木や生き物が豊富なので、植物や自然が好きな方であれば楽しめると思います。
学術研究施設だけあって展示等は硬派な印象で俗っぽさは少ないです。サクラの華やかさとはギャップのある、昔ながらの植物園の雰囲気を味わえます。
ここを散策しても、まだ歩き足りないという健脚な方であれば、高尾山方面に足を伸ばしてみるのも良いでしょう。高尾駅からバス、あるいは1駅隣の高尾山口駅を利用できます。

混雑度★★★★★
サクラの最盛期はとても混雑します。特にソメイヨシノの満開からその2週間後ぐらいまでは非常に混雑します。施設内は広いですが、オープンスペースはあまり多くありません。サクラ最盛期にゆっくり観賞したいなら朝方や平日に訪問するなど工夫しましょう。
それ以外の季節は混雑することは少ないです。

交通の便★★★★
公共交通機関利用の場合、駅から歩いていけるので交通の便はとても良いです。
車の場合、専用の駐車場はなく、近隣の有料駐車場を探して利用する形になります。個人的には公共交通機関の利用を推奨します。

総合満足度★★★★★
自然公園風な趣ですが、サクラの季節は賑やかで華やかになります。しかし、酒類の持込や宴会は禁止されているので比較的静かに花を楽しめるのはありがたいです。
単純なボリュームだけなら、サクラの有名な公園や並木道の方が迫力があるかもしれませんが、この園の素晴らしさは、自然な雰囲気の中で伸び伸びと花が咲いていることにあります。個々のサクラだけでなく、周囲の環境を含め広い視野で観賞することをおすすめします。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
春(サクラ、野草の花)

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