兵庫県神戸市にある池泉回遊式の日本庭園。明治時代に築造された経緯から、欧米文化の影響を受けた部分が見られるのが特徴です。戦前からある建物の多くが大戦時に焼失しましたが、旧ハッサム邸や船屋形などが移築され現在に至ります。
春に咲くツツジが有名ですが、晩秋の紅葉も美しいです
メインの池泉回遊式日本庭園部分は園全体の三分の一程度の大きさですが、流れや滝、飛石など景色の変化が多いです。また、戦前からある旧小寺家厩舎や蘇鉄園の他、戦後に移築された旧ハッサム邸や船屋形なども見所。ここでは正門の庭園入口から反時計回りで巡る順路で主な見どころを紹介します
立派な総ケヤキづくりの正門。庭園というよりも寺院に入るような威厳があります
正門から続く園路の右側は蘇鉄園が広がります。大小さまざまなソテツが植えられていますが、特に受付わきにある古木のソテツが立派です
明治後期に建築された大きな厩舎。重要文化財となっています。内部ではイベントが開かれることもあります
明治後期に建てられた洋館で、昭和38年にここに移築されたものです。こちらも重要文化財となっています。内部の見学が可能です
日本庭園の池と土橋、船屋形などを見渡せる広場。ベンチがありゆっくりできます
池に架けられた土橋。池の周囲にある造作を観賞できます
春に咲くツツジは相楽園の大きな見所の一つです。ツツジは園内各所に植えられていますが、特に土橋を渡った先にある群植は見ごたえがあります
池の周囲を巡る道では自然石を使った飛石や石橋、洞窟があります
江戸時代に河川での遊覧に使っていた「川御座船(かわござぶね)」の屋形部分だけを陸上げしたものです。昭和55年に移築された建造物ですが、庭園の一部としてすっかり馴染んでいます。漆塗りや金箔の飾りつけなど華麗で繊細な造りとなっています。現存する川御座船としては国内で唯一のもので重要文化財になっています
池のほとりに建つ茶室。内部は通常非公開になっていますが、池の対面から見た時の重要なフォーカルポイントとなっています
近くに水の流れがあるあずまや。小高くなっていて周囲の景色を見渡せます
広々とした芝生広場。時期により茶店が開かれ休憩できます。イベント広場になることもあります
場所
兵庫県神戸市中央区中山手通5丁目3−1
交通手段
■公共交通機関
神戸市営地下鉄「県庁前」駅より徒歩5分。
JR・阪神「元町」駅より徒歩10分。
■車
阪神高速3号線「京橋」出入口より約10分。
※専用の駐車場なし
入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.sorakuen.com/index.html
庭園デザイン:★★★
池泉回遊式の日本庭園部分はやや狭いながらも池や流れ、船屋形など景色に変化が多く興味深いです。
移築された建物が多いですが、絶妙な配置のためか違和感はなく、庭園の景色に馴染んでいます。
植物充実度:★★★
ツツジや紅葉する樹木、ソテツの充実度は高いです。植物の管理状態は良好。
娯楽度:★★★★
ツツジの開花期や紅葉の最盛期は非常に美しく、庭園にそれほど興味がない人でも楽しめます。併設する迎賓館にはカフェやレストランもあります。
また、県庁前駅近くには歴史的建造物の兵庫県公館がありますが、社会情勢的な影響により一般公開は中止されています。
混雑度:★★★
園内はやや狭いですが、オープンスペースがあるのでそれほど混雑感はありません。ただ、併設の迎賓館の前撮り撮影などで慌ただしくなることがあります。
交通の便:★★★★★
公共交通機関の場合、駅から近く非常に良いです。
車の場合、車の場合は専用の駐車場がないので、近隣の有料駐車場を調べて利用する必要があります。せっかく駅からも近いので公共交通機関の利用を推奨します。
総合満足度:★★★★
普段は落ち着いた庭園ですが、ツツジや紅葉の最盛期には華やかになり印象もかなり変わります。特にツツジの最盛期は見事です。日本庭園だけだと30分程度で観賞できるボリュームなのがやや残念ですが、庭園愛好家なら興味をそそられるであろう景色が多いのが楽しいです。
遠方から訪れる場合のお勧めの季節
春~初夏(ツツジ)
晩秋(紅葉)