江戸時代に江戸の商人が「新梅屋敷」として創立したのが始まりという歴史ある花園。戦災により当時をしのぶものは石碑程度ですが、現在はやや小さいながらも野趣のある花園として人気があります。
秋に咲くハギのトンネルが有名ですが、四季にわたって花木や山野草などが咲きます。
園内はやや狭く、30分程度で一周できます。
特に順路はありません。このページでは主な見どころをエリアごとに紹介します。
庭門をくぐって園内に入りますが、その前に園内案内を見ておくと、どこに何が咲いているかわかります。山野草の中には目立たない花もあるので頼りになります。
庭門から御成座敷まで続く道は広場のようになっており、年配者が多い客層に合わせて、ベンチが多く置かれています。道の両側には早春にウメの花が見られます。
もともと梅屋敷と呼ばれていただけあり、園内には他にもウメが多く植えられています。
各季節に春・夏・秋の七草が植えられています。
園内は樹木が多く開放感はありませんが、その分自然な雰囲気です。
園路は道幅が広くて高低差も少ないので歩きやすく、ベンチも多数設置されています。
集会所などに利用される座敷で、落語などのイベント時にも利用されています。
建物前にはサクラやツツジ、ボタン、ハギなど様々な花が植えられています。
スカイツリーに近く、園内からでもその姿を望むことができます。ススキとスカイツリー、他ではなかなか得られない風景です。ただ、近隣の建物も目に入るのが残念。
自然風の池は園内の雰囲気とよく合っています。
スカイツリーが完成してからは、池からの景色が萩のトンネルに並ぶ名物になりました。
歴史を感じさせる文人たちの石碑。彼らも庭造りに協力したそうです。
大名によって造られた有名庭園とは異なる、庶民的な魅力を今に伝えています。
名物のハギのトンネル。見ごろは例年9月下旬ごろ。
特に日差しのある日はトンネルの内部がキラキラして美しいです。
和風の園芸植物や有用植物が多いのが向島百花園の大きな特徴です。
写真1枚目はクズの花、2枚目はミツバアケビ。それぞれの見ごろはクズの花が8月下旬頃、ミツバアケビは10月上旬ごろとなります。
梅干や甘酒などが人気の売店。時期や時間によっては開いてないこともあります。
場所
東京都墨田区東向島3−18−3
交通手段
■公共交通機関
東武鉄道「東向島」駅より徒歩8分。
京成電鉄「京成曳船」駅より徒歩13分。
都営バス『亀戸〜日暮里(里22)』で「百花園前」下車、徒歩3分。
■車
※駐車場なし。公共交通機関利用を推奨。
入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:https://www.tokyo-park.or.jp/park/mukojima-hyakkaen/
庭園デザイン:★★★
素朴で自然な雰囲気の和風の花園。池の岸辺には石組がほとんどなく、築山もない平面的な構成。園路の幅も散策しやすいよう広めで、動線も直線的で分かりやすくなっています。東京都にある近隣の大名庭園(清澄庭園や六義園など)と雰囲気の違いを比較してみるのもよいかと思います。
ただ、園内はやや狭くボリューム不足感があるのは否めません。
植物充実度:★★★★
ハギのトンネルが特に有名ですが、四季に渡って様々な花が咲きます。ミツバアケビやクズ、ヘビウリなど、他ではあまり見られない花や実が多いです。基本的には楚々とした和風の花が中心ですが、ウメやハギの咲く季節はボリューム感のある景色も楽しめます。
植物の管理状態は良好です。
娯楽度:★★★
ウメやハギの花の最盛期は庭園や植物に興味が薄くても楽しめると思います。それ以外の季節は派手な景色は望めず、ゆったり散策するのに向いています。
周辺観光は、隅田川方面に歩くと有名な和菓子店(志゙満ん草餅など)がいくつかあります。また、東向島駅には東武博物館があります。さらにスカイツリーのある押上駅や、観光施設が多い浅草駅も近いので、事前に行きたい場所をチェックしておくとよいでしょう。
混雑度:★★★★
ハギの最盛期は比較的混雑します。ウメの咲く時期もやや混雑しやすいです。それ以外の季節はあまり混雑しません。
園内はあまり広くありませんが、広さの割にオープンスペースは比較的多めで、ベンチが多数置かれているのも好印象。
交通の便:★★★★★
公共交通機関利用の場合、駅からは徒歩圏ですが、東向島駅は快速や急行が通過する駅なので注意。また、交通が至便な日暮里駅や亀戸駅から出る路線バスを利用する手もあります。
車の場合、施設専用の駐車場はなく、コインパーキング等を利用することになります。周囲の道も狭いところが多いので注意。
特別な事情がなければ公共交通機関の利用を推奨します。
総合満足度:★★★
庶民的な気軽な雰囲気で楽しめる自然風の和の庭園。大名庭園のような立派な意匠等は少ないですが、冬を除いた各季節に、素朴な花々が楽しめるのが魅力です。派手な花をたくさん見たいという場合には向きませんが、ゆっくり個性的な花を愛でたいという場合には良いと思います。
暗めの場所では夏〜秋に蚊が多いので注意。虫除け等を持参したいです。
遠方から訪れる場合のお勧めの季節
早春(ウメ)
春〜初夏(春の山野草)
秋(ハギ)
初秋〜晩秋(秋の山野草、ススキ)