東京都港区にある国指定名勝。大名庭園(楽壽園・らくじゅえん)から皇室所有となり、のちに東京都に移管され今に至ります。典型的な池泉回遊式庭園で、規模はやや小さいながら日本庭園らしい造作がまとまって見られるのが魅力。また、駅からのアクセスが非常に良いのもポイントのひとつです。
30分あれば十分回れるやや狭い園内。大きな池の周囲を巡れば自然と一周できます。
閲覧順序は特にないですが、ここでは出入口から時計回りで主な見どころを紹介します。
庭園の入口すぐには砂利がひかれた広場があり、大きな藤棚があります。
フジの花の見頃は4月下旬ごろ。藤棚の下は休憩スペースになっています。
園のシンボルといえる大きな池。中島や浮島、砂浜、橋、灯籠などが見られます。
特に各所にある石組には要注目です。
以前、園内の池は海水を引き入れた潮入りの池でしたが、現在は淡水の池になっています。
周辺にはシランやアヤメ、アジサイ、ハナショウブなど季節の花が咲きます。
大泉水にかかる橋と、池に浮かぶ中島。日本庭園らしい景色です。
築山の根府川山。渓谷のような石組みと、大きな根府川石(ねぶかわいし)の鯛橋も見どころ。
周辺にはアジサイやユリなど季節の花も見られます。
大泉水の奥側にはサクラが植えられています。まとまって植えられているので量感が楽しめます。
中国にある西湖の堤を模した橋。周囲の環境とよく調和しています。
堤の先にある中島の石組は、大名庭園だったころの当時の姿を残しています。
庭園のもっとも高い築山の大山。頂上からは大泉水の広々とした景色を見ることができます。
園内南側の一番奥にはこじんまりとした芝生広場があり、のんびり休憩できます。
周囲にはウメやハナカイドウ、アジサイ、ボタンなどの花木が植えられています。
以前は潮入りの池だったこともあり、水辺の景色の変化が大きいのが特徴です。
場所
東京都港区海岸1丁目4−1
交通手段
■公共交通機関
JR山手線「浜松町」 駅より徒歩1分。
都営大江戸線「大門」 駅より徒歩3分。
■車
※駐車場なし。公共交通機関利用を推奨。
入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index029.html
庭園デザイン:★★★★
ごつごつした石組の、まるで磯のような水辺の意匠が大きな見所。他にも中島や橋、砂浜など庭園の規模に対して見所が多いです。近隣にある開放感が魅力の浜離宮恩賜庭園とは異なる個性があります。
東京タワーや周囲の高層ビル群、東京モノレールが借景になっています。賛否はあると思いますが東京らしい景観といえるでしょう。
植物充実度:★★★
マツ等の日本庭園らしい植物の他、季節な花が適度に見られます。サクラとボタン、フジが特におすすめ。植物の管理状態は良好です。
娯楽度:★★
サクラの最盛期は庭園や花に興味が薄い人と一緒でも楽しめると思います。それ以外の季節は派手な景色は望めず、ゆったりと静かに散策するのに向いています。
庭園の規模が比較的小さく、駅から近いので観賞時間があまりとれない場合にもおすすめ。
混雑度:★★
サクラの最盛期はやや混雑しますが、都内の有名庭園に比べるとあまり混雑しないのは有り難いです。施設はそれほど広くないのですが、大泉水の景色の開放感と適度にあるオープンスペースのおかげで混雑感はあまりありません。
交通の便:★★★★★
公共交通機関利用の場合、駅から近くて非常に良く、これ以上は望めない立地です。
車の場合、専用の駐車場はなく、周辺のコインパーキング等を利用することになります。特別な事情がなければ公共交通機関を利用しましょう。
総合満足度:★★★★
大泉水を中心とした水辺の景色が大きな見所。ウメやサクラ、アジサイなどの花木もありますが、日本庭園らしい意匠の方に目が行きます。すごく綺麗という時期はないですが、その分いつ訪れても楽しめるでしょう。
遠方から訪れる場合のお勧めの季節
春(サクラ)
初夏(フジ、ツツジ)
梅雨(アジサイ)
晩秋(紅葉)