岐阜県各務原市にある環境共生型のテーマパーク。岐阜・愛知・三重県にわたる国営木曽三川公園の一部分でもあります。フィールドミュージアムを中心とした木曽川水園と、自然環境を再現した展示が特徴の淡水水族館アクア・トトぎふを中心に紹介します。
東海北陸自動車道の川島パーキングに隣接した立地。一般道、高速道路どちらからでもアクセスできます。水族館以外は無料入園でき、施設内に正門や順路といえるものはありません。
ここでは自然発見館から入り、木曽川水園の下流から上流にかけて辿り、水族館に入る時計回りのルートで主な見所を紹介します。
体験や創作など各種工房がある自然発見館。園内マップの冊子や季節の見所の紹介、小さな水族館もあるので、園内を巡る前に立ち寄ってみるとよいでしょう。
木曽川の上流部から下流部までの自然や文化を再現しています。
ここでは下流から上流に向かうルートで見所を紹介しますが、8の字ルートで両方の岸辺を巡ると、より魅力が伝わるでしょう。
入江や河口部を再現した、川幅が広くゆったりした流れの下流域。砂泥が堆積して水辺にはヨシ原が広がります。土砂が堆積してできる中ノ島が景色に変化をつけています。
狭いながらサンクチュアリ(自然保護区域)があり、冬には野鳥の姿が多く見られます。
川幅は広いですが、浅瀬状でやや流れが速い中流域。河畔林や湧き水といった自然環境の他、魚道など人の暮らしと関係するものもあります。暖かい時期は浅瀬で水遊びもできます。
雰囲気のよい茅葺き屋根の農家があります。周囲には水車小屋やポットリ小屋などが建ち、昔の農村の様子を再現しています。
8の字ルートで巡る場合は、ここにある橋を渡ると分かりやすいでしょう。
ハリヨやメダカなど、絶滅の恐れがある魚たちと自然な雰囲気で触れ合えるようになっている池。
湧き水や支流を表現した小さな流れが入り組んでいます。
木曽川上流域や源流域の渓谷を再現した、吊り橋や、大きな滝が見られます。むき出しになった岩肌が本格的です。アマゴやイワナなどの魚が観察できます。
正式名称の「世界淡水魚園水族館」の通り、一般的な水族館とは異なり淡水魚が中心の水族館。魚そのものというより、魚を含めた生息地の環境再現を展示しているところが大きな特徴です。
上流ゾーンからすぐの場所に水族館があります。またバスから来た場合はこちらの方が近いので、先に水族館から観賞するのもよいでしょう。
入場するとまず4Fまでエレベータで上がります。上がった先は太陽光が降り注ぐ明るいスペース。
滝つぼや擬岩、流木、その合間の植栽が渓谷のような雰囲気を演出しています。
上流域から流れてきた水を辿る展示。館内でも特に自然環境の再現を強く感じるエリアです。
水族館には魚だけでなく様々な水生の生き物がいます。世界最大の両生類のオオサンショウウオや、日本では絶滅したといわれるニホンカワウソの代役として、コツメカワウソが展示されています。
コイやギンブナ、タナゴなど身近な魚や、ハリヨやイタセンパラなど絶滅の恐れのある希少な淡水魚も展示されています。
2Fからは、世界の代表的な河川や湖沼の淡水魚の展示になります。太陽の光が届かなくなり、一般的な水族館の展示という印象が強くなります。一方で魚の迫力はより大きくなります。
メコン川に生息する巨大なメコンオオナマズに驚かされます。
放流により様々な問題を引き起こしたナイルパーチや、現地の変わった漁の様子など、人とのかかわりについての展示も見られます。
海水魚と比べ地味な魚が多い淡水魚ですが、特異な環境であるタンガニーカ湖ではシクリッドと呼ばれるカワスズメ科の華やかな魚が生息しています。
1Fまで下りてきました。最後はやはり世界最大の流域面積を誇るアマゾン川です。
巨大魚の代表ともいえるピラルクーの展示は迫力があります。
レッドテールキャットやピラニアなど、観賞魚として有名な魚たちも見られます。
一般的な家庭では、ここまで立派に育て上げることは難しいでしょう。
アマゾン川流域にすむ世界最大級のネズミの仲間のカピバラや、インド洋にすむ大きなゾウガメが展示されています。エサやり体験などが楽しめます。
屋台村やレストラン、観覧車などがあるレジャー施設のオアシスパークがあり、休憩や食事などには困りません。また、施設内には小さな梅林やハーブ園もあるので、花の開花期には立ち寄ってみるとよいでしょう。
場所
岐阜県各務原市川島(川島ハイウェイオアシス隣接)
交通手段
■公共交通機関
名鉄「各務原市役所」駅および「新那加」駅、JR「那加」駅から各務原ふれあいバスで「河川環境楽園」下車すぐ。
■車
・高速からアクセス
東海北陸自動車道「川島PA・ハイウェイオアシス」より徒歩約1分 。
・一般道からのアクセス
東海北陸自動車道「一宮木曽川IC」より約20分。
いずれも無料駐車場あり。
入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
・木曽川水園・自然発見館:http://kisosansenkoen.jp/index.html
・アクア・トトぎふ:http://aquatotto.com/
施設デザイン:★★★
木曽川水園の木曽川を再現したエリアは、下流域の岸辺の植栽を含めた自然な雰囲気と、中流域の人間の生活と絡めた展示、上流域の渓谷の迫力は、それぞれ再現度が高いと感じます。
水族館は上層階の太陽光が降り注ぐエリアは、従来の閉鎖的な水族館のイメージとは異なる、自生地の環境本来の魅力があります。
植物充実度:★★
花木や草花、ハーブなどが見られますが、施設は庭園や花の名所というわけではなく、種類も数もそれほど多くありません。それよりも、自然公園的な雰囲気を楽しむのに向いています。
娯楽度:★★★★
パーキングの飲食や娯楽施設、水族館があり、自然や植物に興味が薄い方と一緒でも楽しめると思います。特に、大きな季節的な見所はありませんが、生き物観察を望むなら暖かい季節が良いでしょう。
オアシスパークには各種レジャー施設があり、そういったものも目当てに行くのも良いでしょう。
混雑度:★★★★
学校の長期休み期間はとても混雑します。特に、水族館は混雑して各水槽をしっかり観賞することは難しくなります。じっくり観賞したいなら、学校の休み期間を外した平日に訪問するなど工夫しましょう。なお、学校等の団体利用もあるため平日でも混雑することがあります。再入場できるので、場合によっては木曽川水園を先に散策して時間をずらすのも良いかもしれません。
木曽川水園は園内が広く、オープンスペースも多いので混雑時でもゆっくりできる場所はあります。
交通の便:★★★
公共交通機関利用の場合、駅から歩ける距離ではありませんが、最寄駅からバスの便はあります。それほど便数は多くないので事前に時刻表を確認したいです。
車の場合、非常に便利な立地です。一般道の駐車場も広く、アクセスにはそれほど困らないでしょう。
総合満足度:★★★
高速のパーキングに直結した、車でのアクセスに優れた施設。
河川環境が身近に親しめる木曽川水園は、花は少なめですが、河川の環境がよく再現されていて散策が楽しい施設になっています。特に下流域はのどかで雰囲気がよいです。
アクア・トトぎふは、珍しい淡水がメインの水族館。自然環境の再現が特徴とあって、太陽光が降り注ぐ擬岩と植物の多い4F〜3F部分や、テラリウムになった水槽など、他の水族館ではあまり見られない展示が楽しめます。一方、日光が届かなくなる2F以降は、普通の水族館に近い生き物観賞重視の展示が多く、環境の再現という印象は弱まります。
全体をすべて見ようと思うと半日程度かかります。滞在時間には余裕が欲しいです。
遠方から訪れる場合のお勧めの季節
周年(水族館の展示)
春〜秋(木曽川水園の自然環境や生き物)
晩秋(木曽川水園の紅葉)